JAPAN GEOGRAPHIC

秋田県仙北市 角館 

Kakunodate Senboku city,Akita


Apr.2005 瀧山幸伸 source movie

 

 

元資料:国土地理院

みちのくの小京都角館

小京都は全国に50あまり存在する。

その中には、枕草子に登場する、日焼けした舎人が化粧したような、小京都になりきれていない町もあるが、角館は「小京都」にふさわしい街並を持つ。

角館周辺では、応永年間(1423〜)頃より戸沢氏が勢いを増し、秀吉の小田原参陣、奥州仕置によって、角館4万4千石の大名となった。

関ヶ原後、元和6年(1620)角館には会津の雄芦名義勝(佐竹義宣の弟)が1万5千石を与えられ居住することになった。

芦名氏は3代51年で断絶、後任には佐竹氏一門の筆頭格の佐竹義隣(佐竹北家)が入部し、明治まで佐竹氏が11代続いた。

角館は秋田藩のなかで最も大きな城下町であった。その街並は今もほとんど変わらない。

佐竹北家は公家の血をひいていることから、角館にはみちのくの風情の中に京の雰囲気が色濃く残っている。

町には、武家屋敷、枝垂桜、土蔵、樺細工などの伝統工芸、秋祭りなど、歴史が脈々と息づいている。

残念ながら重要文化財に指定されている建築は無い。

武家屋敷

samurai residence district

枝垂桜の街並

桜は、明暦2年(1656)、京都三条西家から佐竹に嫁いだ嫁が持参した。

現代の嫁もこのような風流な品を持参して欲しいものだが、、、

都から嫁いだ姫君ゆかりの京を偲ぶ桜。

角館地区には、武家屋敷の各戸ごとに植えられたシダレザクラが主なもので153本残っている。 目通り周最大のものは3mを越え、樹高は最高20mを越すものがある。

もと東勝楽丁梅津家にあったものを母樹(明治33年焼失)として広く町内に植えられたものといわれている。 エドヒガンのシダレとなったもので花色は白系と淡紅系であり、花期にはこの城下町に伝統的な美観をもたらす。市街地内に古くから受けつがれたシダレザクラの群として他に類例をみないものである。

重要伝統的建造物群の中でも特に桜の情景に優れる。

桜のシーズンにはすさまじく混雑する。

団体の喧騒に町も人も正気を失う。

本来の角館の良さを味わいたいならば、この時期と紅葉の時期は避けるべきだ。

初秋、真冬の角館は素晴らしい。

どうしても枝垂桜の街並が体験したいならば、夜明け頃に街並を散策するのが良い。

一方、桧木内川堤の染井吉野は2キロにわたって桜並木が続き、国の名勝に指定されている。

        

松本家

「たそがれ清兵衛」のロケに使われた。

良い映画には良い舞台が必要だ。

映画がさらに訪問者を呼ぶのだから、良いロケ地を持つ町にとっては費用負担の無い莫大な広告キャンペーンとも言える。

内部では工芸品のデモンストレーションが行われていた。

    

枝垂桜の季節には緑が少ないが、桜と武家屋敷、武家門、黒塀のコントラストが美しい。

      

檜木内川堤のサクラ 名勝

Hinokinaigawazutsumi sakura

角館地区の西を流れる檜木内川左岸堤防上の道路の両側にあるソメイヨシノの並木で、延長1850m、総本数367本である。

昭和9年に植栽されたものであり、樹勢はきわめて旺盛で枝張りも広く、花期にはソメイヨシノ特有の壮観を呈する。

サクラ並木のうち特に長大で景観のすぐれたものとして類例がない。

 

 

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