青森県青森市 小牧野遺跡
Komakino iseki,Aomori city,Aomori
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Aug.7 ,2017 瀧山幸伸 source movie
史跡
青森市大字野沢字小牧野
本遺跡は、青森市野沢字小牧野に所在し、縄文時代後期前半に作られた環状列石を主体とする遺跡です。
遺跡は、荒川と入内川に挟まれた舌状台地の標高140メートル付近に位置しています。
環状列石は、埋葬、祭祀・儀礼に深く関わるもので、膨大な日数と労力をかけて作られており、縄文人の組織力を見せつけるモニュメントでもあります。
小牧野遺跡は、そうした縄文時代の葬送・祭祀などに関わる精神生活、土地の造成や石の運搬などの土木工事の実態などを知る上で極めて貴重であることから、平成7年3月に青森市としては初の国指定史跡となりました。これまでの調査では、3重構造の環状列石のほかに竪穴式住居跡、土器棺墓や土坑墓群、貯蔵穴や遺物の捨て場、湧水遺構、道路跡等が見つかっています。
遺物は、土坑墓群を主体とする墓域や捨て場を中心に土器や石器、石製品などが見つかっており、とくに際立ったものとして祭祀的要素の強い三角形岩版や円形岩版が見つかっています。
また、本遺跡では、北海道の続縄文文化の影響を受けた土器が多く出土しています。
小牧野遺跡の環状列石は、大規模な労働力の集中によって構築された直径55mにもおよぶ大型の記念物(モニュメント)です。直径35mの外帯・29mの内帯・2.5mの中央帯の三重の輪のほか、一部四重となる弧状の列石や外帯を囲む直径4m前後の環状配石などで構成されています。
環状列石の外帯と内帯は、楕円形の石を縦に置き、その両側に平らな石を数段積み重ね、あたかも石垣を築くように並べられています。この縦横交互の列石は、全国的にも珍しく”小牧野式”配列(配石)とも呼ばれています。
環状列石の中央に立ってみると列石の内側に広い空間があることがわかります。この広場は、多くの人々が集うことができる面積(約500m)が確保されており、彼らの精神文化と関わる「祭祀場」としての性格が考えられます。また、広場の周縁が石垣状の列石に囲まれているため、さながら円形劇場のような空間効果を演出しています。
遺跡内には2か所の展望所があり、天気の良い日には陸奥湾を望むことができます。また、かつて縄文人が環状列石をつくるための石を運んだ「荒川」を望むこともできます。
小牧野遺跡の現在の環境は、ミズナラやコナラ、クリ、スギ等が広く分布しており、スギ等の人工林を除けば、縄文時代の植生と同じような自然環境となっています。このため、小牧野遺跡の整備では、潜在的に有する自然環境を最大限に活用するとともに、景観の阻害となっているスギ等の人工林を徐々に伐採し、同時に落葉広葉樹に置き換える作業を進めています。
(青森市)
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