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上海

Shanghai

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July 2009撮影/文: 新井良平

■ 2010年は上海万博

 

今年は万博準備中と言うことで、見てきました。3度目のアジア、2度目の共産国、はじめての中国。

上海は、想像以上の都会で、不景気と言いながら、熱気に当てられた4日間でした。

今の摩天楼は上海ヒルズもできて、ガイドブックの写真よりもニョキニョキ。

黄浦江のこちら側、外灘(バンド)のウォーターフロントはほぼ工事中で土埃。

日本の万博、大阪、つくば、愛知は、どちらかと言えば開催地が都市圏の郊外だったので、跡地は万博公園になる程度でしたが、上海の開催地は、中心部から少し外れた再開発地域と言いながら、大都市の真ん中、中心部の関連開発も盛んです。

ハードの整備と共に印象的だったのが、ソフトパワー。

ホテルや駅、一部のタクシーでは、英語(こちらは片言)が通じます。

空港からホテルの移動で乗ったタクシーでは、こんなタッチパネルの液晶。

 

コマーシャル映像が放送されたり、興味があれば画面をタッチして個別の番組が見られます。

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私のように、日本語だけがペラペラという心細い旅行者には、こんな案内が。

 

一部で資金難がニュースになってますが、いやはやゴリゴリと準備中です。

 

■ 上海SOHOは長屋テーマパーク?

新天地という商業施設は、古き良き上海のイメージを新たに作ったそうですが、こちら田子坊

(泰康路)というのは、人が住んでいる(いた)長屋の再開発です。

ニューヨークのSOHO地区が、ローワーマンハッタンの寂れた倉庫街に芸術家が住み込み、いまやすっかり商業地というのに近い雰囲気です。

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今も観光客の賑わいの側(そば)で、生活感が溢れています。

最初は一瞬、ディズニーランド的演出なのかと疑いましたが、洗濯物はフェイクではなくリアルです。

 

だから、九官鳥オジサン(勝手に命名)も、キャストでもキャラクターでもない、ホンモノです。

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まだ、路地をほじくり返していたり、営業中のカフェの目の前が工事中だったり、未完成。

 

現在進行形な(良い意味で)上海っぽい俗っぽさと賑やかさでした。

  

■ 電車の切符は往復で、銀河鉄道の夜

見たいものを見て、食べたいものを食べる。のんきな上海一人旅、天気にも恵まれ、なんだか順調でかえっておかしいな、と思っていたところの3日目で、やっぱりアクシデント発生。

世界遺産の庭園がある蘇州に日帰りで出かけようと思い立ち、行きは上海駅の自動券売機(液晶画面で英語にも対応!)の行列に並ぶこと約10分、CRHという新幹線の一等席を31元(500円弱)で購入。

 

無料で配られるチベットの天然水を飲みながら、順調な滑り出し。

 

と、上海駅を出発して、車窓で目を楽しんでいると、どこからかあやしげなバイブ音。

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この隣人、この後、銅鑼の音のように鼻をならしたかと思うと、けたたましい着信音の携帯電話など、ずっと車中の注目の的。

気になって気になって、笑いをこらえるのに必死でした。それはともかく、ゆられること40分、電車は無事、蘇州の駅に到着。

市中に点在する庭園を散策して一日、見物。勝手に一人ツアーながら堪能したまでは良かったのが、問題は上海への帰り。

夕方4時過ぎの蘇州駅、また行列の切符売り場に並んで10分あまり、上海の自動販売機と違い、蘇州は全て窓口。

ここで、行きと同じCRHの指定席でゆられて戻ろうと思っていたところ、駅員は厳しい顔の中国語でなにやら言っている。

ジェスチャーとパソコンの画面を理解するところでは、どうやら今日出発の席は売り切れ(!)のよう。

とほほほ。。。

それでも、しつこく聞いて、鈍行の二等車ならまだ、席が残っていると言われ、2時間近くかかるというその電車が出発するのが、3時間後の19時28分。

翌日の帰国を考えて、上海に戻れないよりはマシと思い、買った切符が行きの特急のほぼ半額、15元(200円強)。

 

来ない電車を待合室で過ごす。人も減り、辺りも暗くなった頃、時刻表から遅れること30分、車体も乗客も、趣の違う車両が蘇州に到着。

外国の観光客はほぼゼロで、中国語と赤ん坊の泣き声が飛び交う車内は、なんだか心細く、銀河鉄道で見知らぬ星を旅する気分。

たとえて言うなら、行きがのぞみで、帰りが大垣夜行、というのか。

竹のほうきで、床の散らかった鼻紙や食べかすを掃除する乗組員あり、床につばを吐きつつ、談笑する家族あり。クーラーがきいているのが救い。

電車は、急行待ちで何度も停車。最後に止まると、やがて乗員が歯ブラシと歯磨き粉を手に大声でしゃべり出した。

すわ、何かトラブル発生で、このまま車中泊(!!)かと思いきや、これが車内販売。

カートで飲み物や食べ物を売りに来る行きのCRHの車内販売は、日本と同じでしたが、こちらは、深夜のテレビショッピングさながら、ベガス味岡もタジタジの勢いにビックリ。

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ケータイのカメラで伝わるでしょうか?

どうやら、ブラシのネックが曲がって、歯をよく磨けるとか、スーパーで買うよりかなりお買い得で、いまなら歯磨き粉をオマケするとか、言っているようです(想像翻訳)。

これが結構、売れるから、またスゴイ!

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電車を下りて、ようやくホテルに到着したのが23時前。

この日の夜に予約していた雑伎団は当然、見られず、翌日、現地の代理店にキャンセル料をお支払いしました。

なにはともあれ、蘇州は水の都、賑やかで楽しいところです。

同得興という蘇州麺の有名店は、今回の上海旅行でお気に入り味の一つ。

水のある風景と、ちょっと怪しげなお土産物屋、リキシャに揺られたおしりの痛みは、良い思い出。

   

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