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愛媛県松山市 萬翠荘

Bansuiso,Matsuyama city,Ehime

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松山市一番町3-19-1 萬翠荘(旧久松家別邸) 本館 重文 近代/住居 大正 大正11(1922) 鉄筋コンクリート造、建築面積397.76㎡、2階建、地下1階、寄棟造、東南隅尖塔・西北隅附属屋付、南面車寄附属、スレート葺及び銅板葺 20111129

松山市一番町3-19-1 萬翠荘(旧久松家別邸) 管理人舎 重文 近代/住居 大正 大正11(1922) 木造、建築面積43.91㎡、寄棟造、スレート葺 20111129


Oct.12,2024 川村由幸

 

                                                           

 


Dec.2012 瀧山幸伸 source movie

  

A camera

                                

                                                                         

B camera

                                                                                                                                                                   


May 2012 中山辰夫

松山市一番町3−3−7 

国重要文化財(平成23年11月29日指定)

萬翠荘とは、よろず(萬)みどり(翠)やかた(荘) 松山城の麓の森の中に佇む邸宅という意味。

大正11年(1922)、旧松山藩主の子孫にあたる久松定謨(さだこと)伯爵が別邸として建築したもの。

陸軍駐在武官としてフランス生活が長く、陸軍きってのフランス通といわれた定謨伯爵好みの建物は当時

最高の社交の場であった。20世紀初頭に欧州を風靡したアールヌーボーの作風が随所に見られる。

皇族方が來県の際は、よく立ち寄られたところである。

メイン通りにある「三越」近辺から城山の麓に向かって進むと洋館が現れる。そこが萬翠荘の入口である。

制服をキチンと着こなした警備人も立派に見える。

 

門を過ぎると左側に洒落た感じの管理人舎が建つ。これが指定を受けた重要文化財の管理人舎である。

   

寄棟造の屋根は天然スレート葺き。正面入口にはキーストーンを備えた半円アーチが載る。

付柱の柱頭には卵鏃(らんぞう)模様。本館と意匠がマッチしている。

いよいよ本館に向かってアプローチ 

敷地図

 

途中に収蔵庫や句碑が建つ。本館までは僅かな距離である。

    

萬翠荘の全景が樹間から僅かに見える。

    

重要文化財指定対象:「萬翠荘」本館 「管理人舎」の二棟 設計者:木下(きご)七郎

本館は建築面積:約420㎡ 地上3階 一部地階 延床面積268坪(約888㎡)県初の鉄筋コンクリート造

本館立面図

  

正面から見ると右側に塔屋があるが左側にはなく左右非対称である。

この左右非対称な構造には設計者の意図があるとされる。

外観

玄関ポーチ

 

柱は隅をコンポジット式付柱で支え、付柱の内側にトスカナ式の円柱が立つ意匠である。

   

東・西・南面は半円形アーチ、各アーチ中央にキ−ストーン。床面には自然石が敷かれている。

 

上部には精巧な装飾が施されている。

塔屋

    

壁面はおおむねタイル貼りである。

一階〜二階部分、バルコニー

    

二階バルコニーへの出口とドーマー窓 頑丈でかつ美しい。

一階・二階境界の蛇腹、窓枠などには精巧な装飾が施されている。バルコニーは二階中央にある。

屋根部分

  

屋根は寄棟屋根で途中から勾配の変る「マンサード屋根」は「萬翠荘のうろこ屋根」と言われる。

屋根は、宮城県石巻市雄勝地方で産出される玄昌石、別名「雄勝石」が使われている。

いくつかの小窓は「ドーマー窓」と呼ばれ、屋根裏空間への採光と換気の窓。うろこ屋根の単調さを補う。

先端に金を付けた避雷針(松山藩の大判小番がつかわれたという説もある)

 

正面玄関口

  

萬翠荘平面図

 

本館の内装は、明治から昭和にかけて活躍した木彫家・室内彫刻の相原雲楽が担当。

和洋両方の室内装飾に通じて「稀有な人材」といわれた人。

階段ホール(広間)

    

空間を引き締める万成石(別名桜御影石)のノイオニア式円柱 柱頭部の装飾は鋳銅製

踊り場のステンドグラス

ステンドグラスは平成22年度の文化財調査で木内真太郎の作品とわかった。

    

各ルーム(一部引用)

    

漆喰の天井と金色の彫刻、茶色を基調とした大広間の豪華な水晶のシャンデリアなど。

大階段周り

欄干に用いられているのは南洋産チーク材。

    

チーク材は大変堅いので細かな彫刻を施すのが難しい。

あえて使って落着いた重厚な雰囲気を作り出した。

    

室内の内装

天井は白の漆喰模様が基調

        

マントルピースは大理石、色や彫刻は暖炉毎に異なる。上の鏡はベルギー製

    

シャンデリア

    

シャンデリアも照明器具も各部屋毎にdザインが異なる。

ステンドグラス

    

アールヌーボーにグランデーションを採りいれたステンドグラス

ライトアップされた萬翠荘 「引用」

  

愚陀佛庵

子規による句会発祥の庵

元々街中にあった建物であるが、昭和20年(1945)7月26日の夜、松山大空襲のため焼失したが

昭和57年(1982)に萬翠荘の敷地内に復元された。しかし平成22年(2010)7月の土砂崩れにより

倒壊。現在は跡地となっている。

      

坂の上の雲ミュージアム

萬翠荘に隣接して建つ。

  

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