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英国 エイヴベリー

Avebury , England

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英国エイヴベリーの新石器時代遺跡

Oct. 2008 撮影/文 野崎順次

2008年10月25日 (土) は、今回のロンドン出張で唯一フリーの日でした。 いそいそと早起きして、パディントン駅から鉄道でスウィンドンに行きました。 新快速電車並の速さで片道40分、でも往復37ポンドは高い! バスを乗り継いで、エイヴベリーという田舎町に着きました。 ここには新石器時代後半期(BC2000〜3000年)のストーンサークル(環状列石)、人工丘陵 (築山)、バロー(墳丘墓)が近接して存在し、いずれも欧州最大規模です。

エイヴベリー・ストーンサークル

(Avebury Stone Circle)

直径約450mの土手と溝に囲まれた直径380mのストーンサークルで、有名なストーンヘンジより大きく、世界最大です。 その中にエイヴベリー村の半分くらいが入っています。 使用されている石はストーンヘンジと同じサーセン石です。 大きな石で数十トン程度です。その頃、イングランドで最も重要な祭祀場であったという人もいます。 長い牧草に覆われ、羊さんが迷惑そうに私を見ています。

シルベリー・ヒル

(Silbury Hill)

高さ40m、底面積20,000㎡の円錐形丘陵で、4500年以上前に、23万m2のチョーク(白亜)を積み上げて造られました。すごい土木工事です。墳丘墓と思われていましたが、未だに主体部が見つからず、用途はミステリーです。ミステリーといえば、このあたりはミステリー・サークル(穀物が円形に倒される現象)がよく見つかることでも有名です。

ウエスト・ケネット・ロング・バロー

(West Kennet Long Barrow)

長さ104mの墳丘墓で東の端に石室が開口しています。BC3500年からBC2000年の極めて長期にわたり使用され、数十人分の人骨が見つかっています。17世紀後半にはあるお医者さんがその人骨を粉砕し、薬として使っています。石室は奥に一つ、両サイドに各二つ、合計5室から成ります。日本の古墳の石室とは、レイアウトが全く違います。

当日の歩行コースは、ストーンサークルの真ん中にあるバス停から周壕の土手を1周(1.5km)し, 草原の道を1.5km歩いて、シルバリー・ヒルを眺め、さらに1km歩いてロング・バローの石室に入り、同じ道をバス停まで戻りました。ほぼ8kmの行程でした。濡れた牧草とぬかるみで靴は中までぐっしょり濡れましたが、快適な遠足でした。

エイヴベリーの村の真ん中にザ・レッド・ライオンというパブがあり、遅めのランチでキノコのタルトを食べました。風が強く寒くなってきたころ、村人たちがおとぎ話のような扮装で集まってきました。そういえば、この日はハロウィーンでした。

 

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