福井県美浜町 日向水中綱引
Hiruga Tsunahiki in Water,Mihama Town,Fukui
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Jan.21,2018 中山辰夫
福井県三方郡美浜町日向
選択無形民俗文化財
日向の水中綱引きは、正月15日に三方五湖の一つ、日向湖と若狭湾を結ぶ運河で行われる行事である。(平成30年の開催日は1月21日)
綱引きの起源については、大昔、災害による土砂の取り除き作業中に大蛇が出て作業を妨げたので退治しようとその大蛇より長い綱を張って防いだことが事の起こりという説や、この運河は江戸時代に関東から国入りした酒井忠勝が完成させたもので、もともと、関東では1月15日に綱引きを行い、一年の吉凶を占う風習があったため、酒井忠勝を称え、また、豊漁を祝って綱引きが始められたとも諸説ある。
氏神である稲荷神社で綱つくり。
稲荷神社の長床で、早朝5:00より綱作りが行われる。綱きりに参加する若者の手で、3本のワラを一本にして太さ30cm、長さ40mの綱が練り上げられる。
9:30頃、綱が出来次第、運河の橋(太鼓橋)の欄干より投げ入れ運河の両端に取り付けられる。(行くのが遅く綱は既に固定されていた)
綱は橋に向かって左(西ン所)、右(東ン所)に固定され、両集落の若者が引き千切りの競争をおこなう。
臨時の出店 恒例の濁り酒、麺類・汁物が大歓迎される
太鼓橋の上空には漁師町の神事らしく70枚近い大魚旗が翻る。
運河を流れる海水の流れは風の動きに合わせて絶えず変化している—その様子を綱が伝える
12:00〜村の代表者が宇波西神社へ豊漁祈願参拝。2時前に参拝から帰る。宇波西神社について略す(ウイキペデイア参照)
14:00 神社の長床で伊勢音頭を歌い終えた若者が運河への飛び込みを開始する。その数20名。東・西に分かれる。
6m高さの欄干の上から白パンツを穿いた若者が次々と飛び込む。水温2度。身を切られるような冷たい流れへ 観ている者も思わず身が縮みあがる
ウエットスーツを身に纏った方が2名待機している。
綱引き開始
綱を引くより引っ掻いて先に切った方が勝ちである。
左側(西ン所)
右側(東ン所)
約20分間の水中での戦いはどちらかの綱が切れたところで終わりました。悪病退散と大漁祈願を兼ねた行事のお終い。綱は海の神に捧げるため外海に流される。
運河から出た若者は稲荷神社へ参拝して行事の全てが終了となる。
2年前女性と結婚し、サラリーマンをやめて漁師に転向、修行中の若者もいた。この行事にも参加して地元との絆がより深まったと目を輝かしていた。
厳しい祭事である。200戸余りと聞く集落の固い結びつきが380年の歴史を継承してきた。水中綱引きの祭事は小さな漁師集落を復活させ、前へ進む力となっている。頭が下がる思いであった。
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