福島県郡山市 開成館
Kaiseikan,Koriyama City,Fukushima
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June 12,2025 柚原君子
開成山大神宮
Kaiseiyamadaijingu
所在地:福島県郡山市開成3-1-38
開成山は江戸時代は二本松藩の狩場として利用された。1873(明治6)年、郡山の商人である阿部茂兵衛(小野屋)が「開成社」初代社長として開墾事業を開始。
開墾地には、旧二本松藩士族入植者のための県有貸家、開成社小作人や一般入植者のための家屋などが次々と建築され、家屋の保護のために杉樹が植えられ、開成山を中心に、主要道路が整備された。縦横の農道の幅が2間(約3.64m、12尺)と定められ、馬車が自由に通行できるように広く作られて桑野村が誕生した。
開墾地は、出身地や境遇が様々な人々が居住し、生活も厳しいため人心が荒れやすい状況だったので、人々の拠り所となるよう開成山に遥拝所が設けられた。
1873年10月に鳥居が建てられ、同年11月に第一回遥拝式が斎行された。この時にはまだ社殿は造営されていなかったため、山上に青竹を立てしめ縄を張り回らせて祭場とし、神饌物を供えたのみであった。
国営事業として安積開拓と安積疏水の建設が決まり、灌漑用の池として五十鈴湖(元の名前は上の池)と開成沼が造成された。
1875(明治8)年10月遥拝所の社殿が竣工し、同年11月、新社殿に伊勢神宮の分霊願いなどを内容とする神社建設願書が安積郡人民総代相楽半右衛門(さがらはんえもん)や開成社社長阿部茂兵衛他数名の連名により県に提出された。県は中條政恒たち県官を東京へ派遣し、関係機関と交渉を行った。12月に神宮司庁より伊勢神宮分霊の内諾を得て、1876(明治9)年に太政大臣三條実美名で正式に許可が下り遷座式が斎行。社号が「開成山大神宮」とされた。
祭神は天照大御神、豊受大神、神倭伊波禮彦命(神武天皇)の三柱。別名「みちのくのお伊勢さま」。拝殿にある神号は有栖川宮熾仁親王による。
開拓民の心のよりどころであった大神宮。現在の開成山大神宮は新しく光り輝いている(1975(昭和50)年には御分霊奉遷100年を奉祝して、伊勢神宮より遷宮の際の御用材の撤下を受けて現在の本殿が造営された。これに合わせて元の本殿は現在の場所へ移され、桑野宮となった)。
公園は広大で五十鈴湖からの風もさわやか。開拓を称える塔もあり桜の名所ともなっている。道路を横断して階段を上がって社殿までの距離は思ったほど短かく奥行きもない。しかし、競技場が二つも有し、弓道場、スタジアムもあり、プールもある立派な公園になっているが、大神宮は大神社の名にふさわしく、もう少し樹木に囲まれて奥行きもあっても良かったのと思う。残念である。
Sep.29,2013 瀧山幸伸
Apr.1993 撮影:高橋久美子
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