広島県竹原市 竹原
Takehara Historic District, Takehara city,Hiroshima
製塩の町
瀬戸内海の海上交通の要所であった竹原は、製塩と酒造で栄えた。製塩は、古く下鴨神社の荘園だったころに遡る。
江戸時代になり、正保3年(1646)干拓による新田開発が行われたが、塩分が多く耕作には不適であったため、赤穂から製塩の技術を導入し塩田に転換した。
製塩はこの町に大いに富をもたらしたが、塩分濃縮のための燃料として、周囲の森林伐採による環境破壊も進んだ。
酒造業も江戸時代に発展した。ちなみに北海道余市のニッカは、この地の酒造者竹鶴家の三男による創業。
文化的にも隆盛を見、頼山陽の父はこの地出身である。
当時の海岸は埋めたてられたが、旧海岸に沿った街並が今も同じ姿で残っており、昭和57年(1982)に「製塩町」として国の重要伝統的建造物群保存地区に指定された。
山を背に格子の商家が並ぶ街並は美しく、映画「時をかける少女」のロケ地となったことでも有名。
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