兵庫県尼崎市 田能遺跡 尼崎市立田能資料館
(Amagasaki Municipal Tanosiryokan, Amagasaki, Hyogo)
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Mar.2010 撮影/文 野崎順次
兵庫県尼崎市田能6丁目5番
国史跡 田能遺跡
撮影日: 2010年3月28日
田能遺跡が弥生時代のほぼ全期間に及ぶ大集落跡です。
なかでも、弥生時代の確実な木棺墓の発見は、田能遺跡がはじめてのことでした。
木の棺は腐りやすいなど残っていることが少なく、それまで弥生時代の人が木の棺に葬られていたことは人骨や木の痕跡などから推定されていましたが、弥生時代の木の棺と人骨が一緒に見つかったことは、弥生時代の墓制の一端を明らかにしたとして注目を浴びました。
木棺墓のほか木蓋土壙墓や土壙墓・土器棺墓・方形周溝墓など、17基のさまざまな種類の墓が同じ遺跡内に営まれているという事実や、中には装身具を身に付けた遺体の発見などは、当時ほとんどわかっていなかった近畿地方における弥生時代の墓の形態や埋葬状況を明らかにし、弥生時代の人々の社会関係を知る端緒となりました。
田能資料館は、国史跡田能遺跡の上に立地しており、田能遺跡から出土した遺物を収蔵・展示しています。
資料館は、遺跡の保存が決定された後、昭和42年から整備工事が進められ、昭和45年7月25日に開館しました。
収蔵・展示棟
田能遺跡から見つかった貴重な遺物を保管しているほか、常設展示室や展示・学習室などがあります。
常設展示室では、田能遺跡から発見された遺物を中心に、パネルや模型も用いて、弥生時代のくらしを紹介しています。
音声ガイドもあり、説明を聞きながら遺物を観覧することができます。
展示・学習室は、特別展や企画展、古代のくらし体験学習会などに使用しています。
屋外施設
田能遺跡の重要な遺構が見つかった部分を一部地下に保存し、史跡公園として整備・公開しています。
また、猪名川の左岸に田能遺跡が立地していたことから、猪名川の流れを意識して池を配置しています。
園内には、円形平地住居や方形竪穴住居、高床倉庫という弥生時代の建物3棟を復元しています。
復元住居は内部へ入り、住居の構造や大きさ、明るさ、温度などを体感できます。
さらに、方形周溝墓や10基の墓が発見された場所の真上を、それぞれの形の花壇として標示し、横に解説板を配置しています。
平成19年2月には、「日本の歴史公園100選」に選定されました。
参考資料
尼崎市HP
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