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兵庫県芦屋市 芦屋の近代建築

(Hanshinkan-Modernism Architecture, Ashiya City, Hyogo Pref.)

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December 18, 2022 野崎順次 source movie


阪神間モダニズムの開花

精道村を含む阪神間の郊外住宅地では、明治時代後期から昭和時代前期にかけて「阪神間モダニズム」と呼ばれる独自の地域文化が開花し、近代的な芸術や建築、生活様式等が育まれました。精道村には画家の小出楢重や吉原治良、写真家のハナヤ勘兵衛や中山岩太、音楽家の貴志康一、作家の谷崎潤一郎、詩人の富田砕花といった数多くの芸術家や文化人が移り住みました。
また、富裕層は精道村に転居する際に、松井貴太郎や渡辺節、安井武雄、竹腰健三、村野藤吾といった一流の建築家たちに自邸の設計を依頼し、数多くの名建築を残しました。
戦前に花開いた阪神問モダニズムは着実に継承され、現在も地域の文化やライフスタイル、イメージ等に大きな影響を与えており、芦屋の近代建築もそのひとつと言えます。
(中略)
本書では、戦前の阪神閥モダニズムの中で築かれ、戦災と震災の難を逃れた市内の近代建築の中で、国の文化財として指定もしくは登録され、大切に保護・活用されている建物を中心に紹介します。
(「芦屋の近代 – 郊外住宅地としての発展と阪神間モダニズム」芦屋市教育委員会社会教育部生涯学習課作成・編集より)

打出小槌町15-9
国登文 旧松山家住宅松濤館(芦屋市立図書館打出分室) 昭和前/1930/1990改修
鉄筋コンクリート造2階建、建築面積150㎡ 1棟
敷地東寄りに建つ。鉄筋コンクリート造2階建、建築面積150㎡。東と北の外壁はルスティカ風に花崗岩を積み、重厚な外観とする。隅部は円弧状とし、2連アーチ窓を配し、軒にデンティルを施す。イタリア・ルネッサンス邸宅風の意匠が見られる。
                

西へ
       

宮塚町12―24
国登文 旧芦屋市営宮塚町住宅 昭和中/1953
石造2階建、建築面積177㎡ 1棟
芦屋駅南東に位置する、戦後の住宅不足対策で建てられたもと市営住宅。公営住宅標準設計52FC型を基本とするが、外壁は凝灰岩とコンクリートブロックを交互に積重ねる。間取は台所と居室二室からなる。戦後復興期の地方公営住宅の様相を示す希少な遺例。
                   


大桝町5-23
国登文 旧芦屋郵便局電話事務室(芦屋モノリス) 昭和前/1929/2004改修
鉄筋コンクリート造2階建、建築面積732㎡ 1棟
住宅街の角地に建つ。鉄筋コンクリート造二階建で東西に長いL字平面を持ち、外壁は下層と上層で色違いのスクラッチタイル貼とし、北面には側廊に半円アーチを連続させる。また、一部窓の間には獅子頭・レリーフ装飾を付すなど、特徴的な意匠を有する。
                                         


公光町6-7
芦屋警察署旧庁舎正面玄関 竣工:昭和2年 (1927)
2001(平成13年)に新庁舎が建てられましたが、昭和初期に建てられた旧建物の玄関は今も使用されています。設計は、関西を中心にゴシック様式の公共機関を幾つも手掛けた置塩章です。玄関入口から建物を見上げる鳥の意匠に気づきます。フクロウかと思いましたがミミズクでした。夜間警備の象徴として、ここに彫刻されたそうです。
(「足跡と息吹を訪ねて – 近代建築・モダン建築散策 – 」ウェブサイトより)
                   

芦屋川と六甲山
  


公光町5-15
市景観重要建造物 カトリック芦屋教会 昭和31年(1956年)
構造:鉄筋コンクリート造、地上2階地下1階建て
設計者:長谷部鋭吉
鐘楼が収められた高い尖塔、正面のステンドグラス及び入口に続く大階段が印象的な阪神間モダニズムを代表するゴシック風建築であり、落ち着いた佇まいは芦屋川沿岸の景観とよく調和している。芦屋川のランドマークとして古くから市民に親しまれている建造物である。
   


土木学会選奨土木遺産 業平橋 大正14年 (1925)
業平橋は、大正期からの長きにわたって東西交通を支え、意匠的にも優れているとともに、 時代に応じた改修を加えつつ昔の面影を保ちながら現在に至る貴重な土木遺産である。
   


前田町1-5
市景観重要建造物 国登文 芦屋仏教会館 昭和前/1927
鉄筋コンクリート造4階建、建築面積220㎡ 1棟
丸紅商店社長の伊藤長兵衛の寄附により建てられた。鉄筋コンクリート造四階建で、近代建築に東洋風・印度風の細部意匠を取り入れたものとされる。外観はホールの上下に対応して三階で見切りを入れて二層構成とし、様々な意匠を破綻なくまとめている。
             

参考資料
文化遺産オンライン
芦屋市公式ウェブサイト

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