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兵庫県淡路市 長泉寺

(Chosenji Temple, Awaji City, Hyogo Pref.)

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県文庭園。枯滝、三尊風岩島、石橋が力強い
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August 6、2020  野崎順次 source movie

兵庫県淡路市尾崎963
高野山真言宗
平松山 長泉寺

尾崎小学校6年「尾崎の歴史的な遺産パンフレット、2013」とアプローチ
         


長泉寺の歴史と概要
尾崎八幡神社前から、山の方へ少し登った海の見える丘陵に建つ長泉寺は、寺伝によると東山寺(真言宗大覚寺派)の末寺で、当寺に残る天和三年(1683)銘の梵鐘に、東山寺の末寺十七力寺中の一寺院として、その名が刻まれている。淡路四草の一つ『淡路常磐草』(享保十五年)には「長泉寺、尾崎にあり真言宗長沢東山寺末」とあり、伝わるところによると、寛文年間(1661-73)に現在地に移ってきたといわれ、天明七年(1787)高野山真言宗に属するようになった。
平成七年の大震災で建物に被害を受け、平成十四年に建造物は一新された。以前の本堂は天明四年(1784)に、庫裡も同五年に再建されたものという。当寺はまた、「淡路四国八十八カ所霊場めぐり」の五十番霊場ともなっている。
(西桂「兵庫県の日本庭園 - 歴史と美を訪ねて」神戸新聞総合出版センター)
         


県文 長泉寺庭園 江戸初期-中期 池泉鑑賞式
作庭に関しては不明であるが、寺が現在地に移り、現在のような伽藍として整備されるのが天明時代(1781-1789)である。安政四年(1857)に書かれた『味地草』に庭の描写があることから、天明五年には伽藍が整い、宗派も高野山に属するようになったことなどから、作庭もこの頃ではないだろうか。
   

庭園構成と特徴
庭園は、山門を入ると正面に本堂、左手に庭園が開けているので、自由に拝観できる。
本堂の西側に作庭された庭園は、長めの池泉に枯滝を組んだ池泉観賞式庭園である。
池は東西に細長く穿ち、滝は枯滝として石組の中心に据え、石橋を架けて築山を設けるという構成である。石橋は二ヵ所に架かる。一つは二石で、もう一つは220cmもある大きいものである。
枯滝は、滝添石を力強く組み、添石が本庭の守護石も兼ねて、もっとも見どころ部分といえる。また池中に岩島を三尊石風に組むという池泉庭圃の特徴を出している。
樹木はソテツを中心木に、モチノキ、サクラ、ツバキ、ウバメガシ、ツツジなどを配しで四季の花を梁しむことができる配植をしている。
ソテツが庭園植栽に用いられだしたのは室町時代で、『蔭涼軒日録』に足利義政の室町殿に植栽されたことが記されている。桃山時代になると庭園植栽としていっそう好まれるようになり、豊臣秀吉の伏見城内にソテツだけの庭園を造ったことが『宗湛日記』に見える。
(西桂「兵庫県の日本庭園 - 歴史と美を訪ねて」神戸新聞総合出版センター)
                             


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