兵庫県川西市 加茂遺跡
(Kamo Site, Kawanishi City, Hyogo Pref.)
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December 7, 2019 野崎順次 source movie
国史跡
伊丹段丘の北東端にある旧石器・縄文~平安時代の集落遺跡です。縄文時代後期には、すでに小さな集落が営まれていたことが、遺跡西部で見つかっている土壙・ピット・土器棺などの遺構・遺物からうかがえます。
弥生時代中期には畿内有数の大集落となり、遺跡東部に竪穴住居の並ぶ居住区、西部に方形周溝墓・木棺墓の並ぶ墓地、そして数条の環濠が東部居住区の台地の崖以外の部分を囲む様子がこれまでの調査で明らかになってきています。
また、下加茂・栄根・小戸遺跡などの周辺の集落を統括し、この地域の中心的集落として機能していたと考えられ、1992年の遺跡東部(鴨神社北側)の調査では弥生時代としては大型の掘立柱建物やそれを囲む方形区画が見つかり、集落の首長層の住居か、宗教施設の可能性が推定されています。
しかし、弥生時代後期になると東西二つの集落に分かれて規模も小さくなり、出土する土器も極端に少なくなります。これは畿内の他地域でも多く見られる現象で、弥生社会の大きな変動が考えられています。なお、遺跡東斜面地では明治44年に銅鐸が出土しており(栄根銅鐸)、現在、複製品が川西市文化財資料館に展示されています。
その後の時代では、古墳時代の竪穴住居や奈良・平安時代の掘立柱建物などが見つかっていますが、弥生時代中期のような大規模な集落が現れることはありませんでした。
加茂遺跡は2000年に国の史跡に指定されました。なお、遺跡内には1993年、加茂遺跡をはじめとする市内遺跡の出土遺物を収蔵・展示する川西市文化財資料館がオープンしました。遺跡からみた川西の古代~中世の常設展示をしていますので、ぜひご覧ください。また、鴨神社前を南に250m行くと、昭和11年に開館した宮川石器館があります。宮川雄逸氏が加茂遺跡で採集された土器と石器を展示しています。個人宅のため、見学に際しては事前の予約が必要です。
(大阪大学考古学研究室Web版川西の遺跡より)
現在、加茂遺跡は全て埋め戻されている。ほぼ中心にある鴨神社に石碑と説明板がある。その西300mくらいに川西市文化財資料館がある。また、宮川石器館は、私が若いころに、サイクリングの途中で寄ったことがあるが、現在は平日予約なので、今回は見学できなかった。
加茂遺跡パンフレット、鴨神社にある石碑と説明板
鴨神社について
『延喜式(えんきしき)』と言う、今から1千年以上昔に作られた書物の摂津国川辺郡(せっつこくかわべぐん)の項に記載されていることから、創立年代は相当古いと思われますが、現在神社には古文書などの歴史を探る資料は全く残されていません。
御祭神は京都に鎮座する上賀茂神社と同じく「別雷命(わけいかづちのみこと)」をお祀りしています。
境内社として、天照皇大神社(あまてらすこうたいじんじゃ)・春日神社(かすがじんじゃ)・松尾神社・荒神社(こうじんじゃ)・稲荷神社(いなりじんじゃ)・熊野神社・愛宕神社(あたごじんじゃ)・多賀神社・延寿社(えんじゅしゃ)の10社がお祀(まつ)りされています。
(鴨神社公式ウェブサイトより)
鳥居、参道
参道途中の磐座
参道をさらに進む。
本殿と摂社あたり
参道を戻る。
川西市文化財資料館
パンフレット
展示室
加茂遺跡復元模型
縄文時代
弥生時代 前期・中期
弥生時代 後期
古墳時代
奈良・平安時代
中世(平安―室町時代)
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