兵庫県神戸市須磨区旧室谷藤七郎邸　（現存せず）

Former Toshitiro Murotani Residence, Suma, Kobe

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Fevb.2010 撮影/文　野崎順次

兵庫県神戸市須磨区離宮前町2

国登録有形文化財

写真撮影：　2007年1月18日　（解体工事の始まる日）

設計：　Ｗ．Ｍ．ヴォーリス（ヴォーリス建築事務所）

竣工：　昭和６年（1931年）

ヴォーリスの数多くの住宅作品の中でも特に優れていたといわれ、英国中世のチューダーゴシック様式に基づく、煉瓦および木造３階建てである。　

急勾配の切妻屋根で、天然スレート葺き。木骨が露出するハーフティンバーが印象的であった。

姫路市の不動産会社「ハウジングタイホー」が2005年夏、室谷氏の長女から土地とともに購入。

「建物の現状保存」が売却条件だったが、同社は06年12月に「老朽化で倒壊の危険性がある」として、文化庁に解体計画を提出した。

長女や地元住民らは同市や県に現状保存を訴えたが、修理、移築には数億円に上る費用が必要なことや、解体はあくまで所有者の意思に基づくという制度の壁に阻まれ、2007年３月末に完全に取り壊された。

（神戸新聞より）