JAPAN GEOGRAPHIC

兵庫県神戸市中央区 布引

(Nunobiki,Chuoku, Kobe City, Hyogo)

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神戸市中央区葺合町山郡 布引水源地水道施設 分水堰堤 重文 近代/産業・交通・土木 明治 明治40(1907) アーチ式コンクリート造堰堤、堤長14.0m、堤高4.3m、取水井附属 20060705

神戸市中央区葺合町山郡 布引水源地水道施設 分水堰堤附属橋 重文 近代/産業・交通・土木 明治 明治40(1907) 鉄筋コンクリート造単アーチ橋、橋長11.5m、幅員1.2m、高欄付 20060705

神戸市中央区葺合町山郡 布引水源地水道施設 分水隧道 重文 近代/産業・交通・土木 明治 明治40(1907) 石造及びコンクリート造隧道、延長24.9m 20060705

神戸市中央区葺合町山郡 布引水源地水道施設 締切堰堤 重文 近代/産業・交通・土木 明治 明治41(1908) アーチ式コンクリート造堰堤、堤長31.9m、堤高7.6m 20060705

神戸市中央区葺合町山郡 布引水源地水道施設 放水路隧道 重文 近代/産業・交通・土木 明治 明治41(1908) 石造及びコンクリート造隧道、延長264.3m、坑門左右翼壁及び放水路開渠附属 20060705

神戸市中央区葺合町山郡 布引水源地水道施設 五本松堰堤 重文 近代/産業・交通・土木 明治 明治33(1900) 重力式コンクリート造堰堤、堤長110.3m、堤高33.3m、高欄付 20060705

神戸市中央区葺合町山郡 布引水源地水道施設 谷川橋 重文 近代/産業・交通・土木 大正 大正初期 鉄筋コンクリート造単アーチ橋、橋長6.1m、幅員2.0m 20060705

神戸市中央区葺合町1地先 布引水源地水道施設 雌滝取水堰堤 重文 近代/産業・交通・土木 明治 明治33(1900) アーチ式コンクリート造堰堤、堤長19.3m、堤高7.7m、保護堰堤・取水井及び階段附属 20060705

神戸市中央区葺合町1 布引水源地水道施設 布引水路橋(砂子橋) 重文 近代/産業・交通・土木 明治 明治33(1900) 煉瓦造三連アーチ橋、橋長19.2m、幅員3.3m、高欄付、袖壁附属 20060705


November 13,2021 大野木康夫  source movie

【布引水源地水道施設】

国指定文化財等データベースから引用
 布引水源地水道施設は、六甲山地を水源とし、神戸港に注ぐ生田川の中流域に位置する上水道施設である。
 布引水源地水道施設は、市街地及び船舶に供給する飲料水の確保と、公衆衛生の向上を主な目的として、内務省雇バルトンの基本計画に基づき、神戸水道事務所工事部吉村長策及び佐野藤次郎を中心として建設が進められた。明治33年に、貯水、取水及び送水に係る五本松堰堤、雌滝取水堰堤及び布引水路橋が竣工して通水が開始され、その後貯水池への土砂流入を防ぐために、同40年に分水施設、その翌年に締切堰堤及び放水路隧道が増設された。建設後、主に漏水防止を目的とした堰堤の補修が数度行われ、平成13年から17年にかけて五本松堰堤の耐震補強工事が実施されているが、全体として保存状況は良好である。
 布引水源地水道施設は、上流から分水施設、締切堰堤、五本松堰堤、谷川橋、雌滝取水堰堤、布引水路橋の順に配され、五本松堰堤の北側には貯水池とほぼ平行して放水路隧道が穿たれる。堰堤の基礎地盤はいずれも布引花崗閃緑岩で、コンクリート構造物には大阪セメント会社、中央セメント会社、又は日本セメント会社の製品を用いる。
 分水施設は、施設の最上流で川を横断する分水堰堤、分水堰堤の約6メートル下流に架かる分水堰堤附属橋、分水堰堤から締切堰堤の間を短絡して結ぶ分水隧道からなる。
 分水堰堤は、越流式のアーチ式コンクリート造堰堤で、堤長14.0m、堤高4.3mとし、表面を花崗岩布積とする。右岸には、壁面及び天端隅を石張とした取水井を設ける。半径18.6mの単心円アーチで、壁面は直立、水通部の長さは12.1mとする。
 分水堰堤附属橋は、開腹式の鉄筋コンクリート造単アーチ橋で、橋長11.5m、幅員1.2mとする。アーチスラブと鉛直材が床版を支え、外装をモルタル塗仕上げとする。アーチスラブ及び床版に、網状の鉄筋を上下に二層配する。高欄欠損部分から露出する鉄筋は、四角形断面である。
 分水隧道は、取水井より川と直交して穿たれた、延長24.9mの直線状の構造物で、南西端には石造坑門を構える。取水井より2.3m及び西端より6.6mの部分を総切石張とし、それ以外を素掘とする。
 締切堰堤は、分水施設より導かれた水の逆流と、川から水路への土砂流入防止を目的として築かれた、越流式のアーチ式コンクリート造堰堤で、堤長31.9m、堤高七7.6m、表面花崗岩谷積とし、両袖部は直線状に築く。半径12.1mの単心円アーチで、壁面は直立、水通部の長さは20.1mとする。
 五本松堰堤は、貯水池の東端に位置する重力式コンクリート造堰堤で、堤長110.3m、堤高33.3m、表面花崗岩布積とし、上流側のほぼ中央に半円形平面の取水塔を設け、堤体下流面に石造坑門を現す煉瓦造取水隧道を堤体軸と直交して穿つ。堤体は上流側でほぼ直立、下流側は上部で直立、下部で法勾配六・七分とし、堤体の屈曲する箇所に歯飾を施す。止水性と経済性を考慮して、配合の異なるコンクリートを使い分け、浸透圧を緩和するために小孔の穿たれた鉄管を縦横3.0m間隔で堤体に差し込む。越流式余水吐の堤頂には、古レールを構造材に用いた鋼製五連トラス橋を架ける。橋長51.0m、幅員1.2m、ワーレントラス形式で、当初は鋼製七連トラス橋だったが、昭和13年の水害の後に、左岸側二連が撤去され、平成の工事で主構の外側に張り出す対傾構等を付加している。
 放水路隧道は、貯水池への土砂流入を回避するために、分水堰堤より約80m下流の地点と五本松堰堤余水路の間に直線状に穿たれた構造物で、延長264.3mとする。両端に切石積のアーチ形石造坑門を構え、上流側端部には四角形断面の開口部を有する石造の水門を隧道坑門と連続して築く。
 谷川橋は、五本松堰堤より約250m下流に架かる、開腹式の鉄筋コンクリート造単アーチ橋で、橋長6.1m、幅員2.0mとする。二本のアーチリヴとこれと直交するアーチ形の鉛直材で床版を支え、外装はモルタル塗仕上げとする。
 雌滝取水堰堤は、古代より景勝地として知られる布引の滝の風景に配慮して、貯水池より一旦川に戻された水を、五本松堰堤より約700m下流の雌滝の滝壺より取水するために築かれた、越流式のアーチ式コンクリート造堰堤で、堤長10.3m、堤高7.7mとする。表面は花崗岩布積とし、下流に同形式の保護堰堤、左岸にはドーム形屋根を戴く石造上屋付の取水井を配す。布引の滝は、雄滝、夫婦滝、鼓ヶ滝、雌滝を総称したもので、古くは万葉集にうたわれる。堰堤は、半径22.1mの単心円アーチで、壁面は直立、水通部の長さは16.6mとし、堤体左岸寄りに維持流量の調節を行う円形水抜穴を三箇所穿ち、堤体最下部には排砂門を設ける。
 布引水路橋は、雌滝取水堰堤の約150m下流に位置し、生田川に架かる三連アーチ橋で、橋長19.2m、幅員3.3mとする。端部を石積とした煉瓦積アーチの上部に送水管を収め、側面は石積の柱形を除き煉瓦で築く。
 布引水源地水道施設は、近代神戸の創設水道施設であるばかりでなく、建設当時、最大規模を誇った明治期を代表する水源地水道施設の一つとして重要である。中でも、五本松堰堤は、わが国における重力式コンクリート造堰堤の嚆矢で、堰堤建設の技術的発展に大きく貢献した吉村長策及び佐野藤次郎の精到な設計に基づき建設された、近代堰堤の一つの規範を示す構造物として、土木技術史上、価値が高い。土砂流入防止を意図して貯水、取水機能に分水、放水機能を付加した全体計画や施設配置も優れており、水源涵養と治山を目的として植林された貯水池周辺の土地と併せて保存を図る。

神戸市の人孔鉄蓋
    


新神戸駅付近
  


神戸布引ロープウエイ
 


ロープウエイから見た五本松堰堤
       


風の丘中間駅で降りて水道施設へ
   


水道施設の案内板(五本松堰堤付近にある)
 


紅葉
 


分水堰堤(重要文化財)

明治40(1907)年の築造
アーチ式コンクリート造堰堤、堤長14.0m、堤高4.3m、取水井附属
         


分水堰堤付属橋(重要文化財)

明治40(1907)年の建造
鉄筋コンクリート造単アーチ橋、橋長11.5m、幅員1.2m、高欄付
         


放水路隧道(重要文化財)

明治41(1908)年の築造
造及びコンクリート造隧道、延長264.3m、坑門左右翼壁及び放水路開渠附属

上流側
     


下流側
      


締切堰堤(重要文化財)

明治41(1908)年の築造
アーチ式コンクリート造堰堤、堤長31.9m、堤高7.6m
          


分水隧道(重要文化財)

明治40(1907)年の築造
石造及びコンクリート造隧道、延長24.9m

上流側は分水堰堤付属橋の右岸側に隠れています。
下流側は締切堰堤のすぐ下流ですが、隠れてよく見えません。
 


五本松堰堤へ
     


五本松堰堤(重要文化財)

明治33(1900)年の築造
重力式コンクリート造堰堤、堤長110.3m、堤高33.3m、高欄付
                                                    


布引断層
    


谷川橋(重要文化財)

大正初期の築造
鉄筋コンクリート造単アーチ橋、橋長6.1m、幅員2.0m
         


猿のかづら橋
 


神戸市街の眺望
  


布引の滝(雄滝)
                      


鼓ヶ滝堰堤
  


雌滝取水堰堤(重要文化財)

明治33(1900)年の築造
アーチ式コンクリート造堰堤、堤長19.3m、堤高7.7m、保護堰堤・取水井及び階段附属
                     


布引水路橋(砂子橋)(重要文化財)

明治33(1900)年の築造
煉瓦造三連アーチ橋、橋長19.2m、幅員3.3m、高欄付、袖壁附属
                  


Mar.2021 酒井英樹

 布引水源地水道施設は、六甲山系を水源とし、神戸港にそそぐ生田川水系本川生田川の中流域に位置する上水道施設である。
 内務省雇バルトンの基本計画に基づき、神戸水道事務所工事部吉村長策と佐野藤次郎を中心として建設が進められた。


<五本松堰堤>
 重力式コンクリート造堰堤、明治33年(1900)竣工
          


<谷川橋>
 開腹式鉄筋コンクリート造単アーチ橋 
    

<雌滝取水堰堤>
 越流式のアーチ式コンクリート造堰堤
   


<水路橋(砂子橋)>
 3連煉瓦積アーチ橋
        


<分水堰堤>
 越流式のアーチ式コンクリート造堰堤
    


<分水堰堤附属橋>
 開腹式鉄筋コンクリート造単アーチ橋
      


<放水路隧道>
 貯水池への土砂流入を回避する目的で築造

《上流流入口》
    

<締切堰堤>
 分水施設より導かれた水の逆流と川から水路への土砂流入防止を目的で築造。
 越流式のアーチ式コンクリート造堰堤
   



Aug.20,2017  中山辰夫

布引の滝

神戸市中央区葺合町

布引の滝は神戸市中央区を流れる生田川の中流・布引渓流(名水百選)にある4つの滝(雌滝・鼓ケ滝・夫婦滝・雄滝)の総称で日本滝百選にも選ばれている。

日本三大神滝(華厳の滝・那智の滝)の一つで、名瀑として知られる古来より景勝の地である。

またかつて役小角が開いた滝勝寺の修験道行場として下界とは一線を画する地でもあった。

滝の水源は六甲山系の獺(かわうそ)池で、摩耶山、再度山の水を集めて落下している。

滝を落ちる水がまるで布を垂れているように見えることから、この名がついたといわれる。

現在は渓流沿いおよび布引山一帯から滝を経て布引ハーブ園へと至る遊歩道が整備され、JR新神戸駅から気軽に立ち寄ることができるようになっている。

  

地図

 

新神戸駅から川沿いに進む。早朝から人出が多い

  

「いさこばし」駅から数分歩くと着く 

    

布引谷から北野・奥平野浄水場への導水管を渡すために明治30年頃建設された石造アーチ橋である

平安時代から江戸時代にかけて詠まれた名歌の碑が36基道沿いに点在している

雌滝(めんたき)−新神戸駅から5分強で着く 高さ:19m

      

しなやかで上品な流れといわれる

雌滝取水堰堤−国重要文化財 1900(明治33)年築造

    

雌滝の右側にある円筒形の建物で、浄水場に水を送る施設

鼓ケ滝(つづみがたき) 高さ:9m

  

滝の音が鼓の音のように聞こえる処から名前がついた。滝は見えにくい

狭ご路も橋〜夫婦滝 橋を越えるとすぐである。高さ:8m

    

雄滝の滝壺の直ぐ下。二筋から一筋になって落下する。

雄滝(おんたき) 高さ43m 布引の滝の中で最長である 新神戸駅から徒歩で約15分

    

岩頭から5段に折れて落下する それぞれの段に大甌穴が出来ている 滝壺は430㎡ 深さ6.6m

            

岩窟には守護神が祀られている

  

見かけた「蛾」の幼虫の山 ? 登り 苦手な人はパスして下さい!

                         

布引五本松ダム 

布引五本松堰堤ともいう 布引ダムは通称

兵庫県神戸市中央区葺合町山郡

日本最初の重力式コンクリートダム。2006(平成18)年に近代化遺産「布引水源地水道施設」の一部として国の重要文化財に指定された。

厚生労働省の「近代水道百選」に選ばれている。

布引ダムへは、布引ハイキングコースを辿る。雄滝(おんたき)から山道をのぼる

おんたき茶屋

    

創業:1915(大正4)年、平成26年で創業100年を迎えた。

みはらし展望台

    

ダムへの入口と地図

  

猿のかずら橋

    

六甲山の茂りすぎたサルナシのツルを使って「祖谷のかずら橋」をモデルに装飾を施した。1936架橋、2006年完成

五本松かくれ滝

      

五本松ダムの放水路として出来た滝。愛称を募集し平成19年に「五本松かくれ滝」に決定した。

ダムがオーバーフローした時だけ 迫力のある滝が出現する。

花崗岩

    

ダムが見えだす

 

布引五本松ダム

1900(明治33)年に完成した日本初の重力式粗石コンクリートダム。登録有形文化財であり、ダム湖百選にも選ばれている。

当初の姿を留める堰堤や橋など9カ所がまとめて国重要文化財に指定されている。

ウイリアム・バルトン(英国)が基本構想を練り、佐藤藤次郎が主任設計者となる。百年経過するも補修工事を経て今も現役である。

    

三ノ宮から約2キロ強、周辺は緑濃い奥山の風景。市街地の近くにこれだけの規模のダムが造られていることに驚き。

      

石手基礎を組みその上をコンクリートで固めて表面には石を貼っている。竣工に際しては兵庫県の大プロジェクトで難工事、ダイナミックな構造美である。

        

貯水池

      

神戸市の水道は1900(明治33)年に給水が始まった。この時、神戸市内に給水されたのが布引ダムの水だった。

水道局管理棟

    

旧施設跡

  


May.2012 野崎順次 source movie

兵庫県神戸市中央区

布引渓流の土木遺産など

(Civil Engineering Heritage, etc. in Nunobiki Valley, Chuoku, Kobe City, Hyogo Pref.)

撮影日: 2012年5月16日

布引水源地水道施設は、神戸港に注ぐ生田川の中流域に位置する上水道施設である。全体計画や施設配置には、土砂流入防止を意図した貯水・取水機能に分水・放水機能を付加するなど特色がある。神戸の創設水道施設で、建設当時全国でも最大規模を誇り、また当時の世界のレベルと遜色ない最新の土木技術が用いられている。

日本最初の近代水道施設である横浜の水道を設計したイギリス人、H.S.パーマー、内務省雇技師のイギリス人W.K.バルトンによる提案・原案を経た後、人口急増に合わせて大幅に変更。最終的には神戸水道事務所の吉村長策及び佐野藤次郎が設計に当たった。

中でも、五本松堰堤は、我が国における重力式コンクリート造堰堤の嚆矢で、近代堰堤の一つの規範を示す構造物として、土木技術史上、高い価値がある。堰堤以外の関連諸施設も土木技術史上極めて評価の高い施設群で、明治期を代表する水源地水道施設の一つとして重要である。その水道水は「赤道を越えても腐らない水」として世界の船舶関係者から称賛されるなど、「kobe water」の名で親しまれていた。

国重文指定を受けた布引水源地水道施設

(1)分水堰堤

(2)分水堰堤附属橋

(3)分水堰堤隧道

(4)締切堰堤

(5)放水路隧道

(6)五本松堰堤

(附)管理橋1基

(7)谷川橋

(8)雌滝取水堰堤

(9)布引水路橋(砂子橋)

神戸布引ハーブ園のロープウェーで中間の風の丘駅まで行く。ロープウェーから神戸の街の展望が良いだけでなく、雄滝の甌穴群や五本松堰堤(布引ダム)が空中から見える。

                                    

ここから少し下る。

          

五本松堰堤(布引ダム)のダム湖畔に出る。ダム湖百選布引貯水池の指定がある。

              

国重文附 管理橋 明治33年(1900)

5径間(建設当時7径間)鋼製トラス橋、橋長:51.0メートル(建設当時:71.0メートル)、通路幅:1.2メートル

    

東崖に垂直の断層(岩の色が違う)が走り、それが対岸の谷に繋がっているそうだ。

       

国重文 五本松堰堤 明治33年(1900)

布引ダムとして知られる。重力式コンクリート造堰堤、堤長110.3m、堤高33.3m、高欄付。堰堤の表面は型枠がわりに使用された石積みで覆われ、巨大な城壁を思わせる。堤体の上部にはデンテル(歯飾り)が施されており、ヨーロッパ古典様式の風格ある外観である。

                 

五本松かくれ滝

落差20m。布引貯水池が満水になったときにしか現れない人工の滝「五本松かくれ滝」である。

  

渓谷沿いの道を下る。

     

国重文 谷川橋 大正初期(1912 - 1925)

鉄筋コンクリート造単アーチ橋、橋長6.1m、幅員2.0m

      

猿のかずら橋、六甲山の瀬戸内海国立公園編入50周年記念の一環として2006年に製作された。

         

歌碑など見ながらずんずん下った。

            

布引の滝 雄滝

布引の滝の中では一番大きな雄滝は落差43メートル。巌頭から5段に折れて落下しており、それぞれに甌穴がある。下からは見えないが、ロープウェーからはよく見えた。

                   

夫婦の滝と展望所

  

国重文 布引水路橋(砂子橋) 明治33年(1900)

煉瓦造三連アーチ橋、橋長19.2m、幅員3.3m、高欄付、袖壁附属。

国文化財指定では「すなごばし」と読ませているが、本当は「いさごばし」。

       

断層に沿って流れる川。断層では岩がつぶされて柔らかくなるので、水に削り取られやすく、岩盤に溝がほられたようになっている。

      

参考資料

国指定文化財等データベース

日本の土木遺産HP

神戸市HP


June.2010 撮影/文 野崎順次

撮影日: 2010年6月27日

布引の滝

Nunobikinotaki

布引の滝は生田川の源流・布引渓流にある4つの滝の総称で、上流から雄滝、夫婦滝、鼓ケ滝、雌滝で形成される。

布引の滝は日本の滝百選に選ばれ、また日光華厳の滝、紀州那智の滝とともに日本三大神滝(にほんさんだいしんたき)の一つとして有名である。

布引の滝がある布引渓流は、新神戸駅から徒歩15分ほどの散策コース。最初の滝、雌滝まで約10分、一番上流にある雄滝でも20分位で到着する。

大雨の後で布引の滝に行った。阪急電車から生田川とその突き当りに新神戸駅が見える。新神戸駅の下をくぐって砂子橋を渡るともう深い渓谷である。

              

雌滝(めんたき)は高さ19メートル。水がサラサラと落ちる様子がしなやかで上品な感じのする滝である。布引の地名はこの雌滝の滝水が布をたらしたように優雅に流れ落ちる様子から生まれたというが、今日は水が怒っているようなすごい水量で吸い込まれそう。

           

重要文化財 雌滝取水堰堤

    

路傍に歌碑が多い。古代から布引の滝は知られていた。

          

鼓ケ滝(つつみがだき)は高さ8メートル。阪神淡路大震災以来、崩落の恐れがあるという理由で、渓谷側のルートは通行止めになり、山側のルートを行くことになった。鼓ケ滝は、残念ながら山側のルートからはよく見えない位置にある。

     

更に登る。

         

突然、雨かと思うような激しい水煙が吹き付けてきたら、目の前に夫婦滝と雄滝があった。夫婦滝(めおとだき)は高さ9メートル。普段は、二筋に分かれて落ちる滝水が特徴的。

 

雄滝(おんたき)は高さ43メートル。布引の滝を代表する滝。雄滝の両側の山を見ると、滝の上流側の山が下流側に比べて大きく上昇しているのがわかる。この六甲山の隆起に生田川がかかってできたのが雄滝である。

                     

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重要文化財 布引水路橋(砂子橋)

       

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