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兵庫県西脇市 コヤノ美術館西脇館

Koyano Museum Nishiwaki,Nishiwaki City,Hyogo

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August 10, 2025 野崎順次 source movie

 

兵庫県西脇市市原町139番地
コヤノ美術館西脇館
(Koyano Museum Nishiwaki, Nishiwaki City, Hyogo Pref,)


旧国鉄鍛冶屋線建設に私財を投じた豪農の藤井慈吉邸を再生し、現オーナーの小谷野達雄の所蔵品を展示している。9棟の建物すべてが登録有形文化財である。

  

国登文 主屋南脇門及び塀 治/1898~1912
南脇門 木造、瓦葺、間口4.6m 塀 木造、瓦葺、延長39m
主屋南にあり、東面する南脇門は簡明な腕木付の塀中門で、一軒疎垂木の切妻造桟瓦葺。中央を門口、両脇を漆喰塗腰板張とする。塀は高さ約四メートルの木造桟瓦葺、門南端から西に延び、外側竪板覆、内側は土塀風に仕上げる。豪壮な屋敷南辺の景観を形成する。

    

主屋と米蔵の南面

   

国登文 表門及び塀 明治/1898~1912
表門 木造、瓦葺、間口2.5m、左右袖塀付 塀 木造、瓦葺、総延長50m
敷地東面に構える間口二・五メートルの棟門。一軒疎垂木の切妻造で、両側に潜戸付袖塀を付け、背面に控柱を立てる。木造で腰板張の高塀は、折曲り長さが、南八・八メートル、北四一メートルを測る。桟瓦葺屋根を廻らし、調和のとれた屋敷正面の景観を演出する。

       

国登文 米蔵 明治/1898~1912
土蔵造平屋建、瓦葺、建築面積48㎡
平屋建の土蔵造、東西棟の切妻造桟瓦葺とし、扉口のある北面には庇をかける。北面と東西両妻面は腰を人造石洗出し、上部を漆喰塗とするが、南面は上部まで竪板覆で、内部の壁は丁寧な羽目板張である。敷地東面の南にあって、屋敷の正面景観をかたちづくる。

            

国登文 庭門及び塀 明治/1898~1912
庭門 木造、瓦葺、間口1.6m 塀 木造、瓦葺、総延長15m
庭門は簡明な一間薬医門で、一軒疎垂木の切妻造桟瓦葺、両側に木造で腰板張の塀を延ばし、庭側には石製控柱を付ける。基礎は丁寧な切石積。主屋中央と表門北を結び、座敷前庭と玄関までの空間を区切る門塀で、雄大な屋敷に相応しい前面空間を構成している。

  

池泉回遊式庭園、作庭は小谷野館長による。

          

敷地内南側から主要建物を見る。左から、離れ、浴室及び便所棟、洋館、主屋。

   


国登文 主屋 明治/1890
木造平屋一部2階建、瓦葺、建築面積351㎡
敷地の中央に東面して建つ。緩く起らせた入母屋造桟瓦葺で下屋を廻す。南寄りを土間とし、床上部は九間取で三方を縁とする。座敷の欄間には、鉄橋である天神橋をはじめとする大阪の情景を透彫とするなど、近代的な趣向を凝らす、上質で開放的な近代和風建築。

主屋外観

         

主屋土間

                           

おくどさん(台所)

         

主屋の座敷など

                                                             

中庭の枯山水、やはり小谷野館長による作庭。

          

国登文 洋館 大正/1919~1926
木造平屋建、瓦葺、建築面積49㎡
主屋西側、離れに続く廊下東半の南に位置する。東の水屋付応接間と書斎からなる平屋建で、屋根は東西棟の寄棟造、桟瓦葺である。ドイツ壁風仕上げの外壁、縦長の上下窓、独特な幾何紋様の格縁天井の応接間、丁寧な漆喰塗の書斎など、質の高い洋風意匠である。

洋館外観

        

廊下と室内展示

                          

国登文 浴室及び便所棟 大正/1919~1926
木造平屋建、瓦葺、建築面積47㎡
主屋西側、離れに続く廊下西半の南にある。木造平屋建、出入りのある平面で、西に外便所を突出し、桟瓦葺屋根も変化に富む。鏡付ガラス戸のある洗面所、気抜付で装飾タイル張の浴室及び脱衣室、火灯窓付の便所などからなる。上質で類例の少ない生活施設。

                      

国登文 衣装蔵 明治/1898~1912
土蔵造2階建、瓦葺、建築面積79㎡
衣装類を収蔵した、漆喰塗の土蔵造二階建。東西棟の桟瓦葺で、南面に下屋を設けて扉口二箇所を配する。上下階とも厚い壁で東西に二分され、東が登梁形式、西が弓状の梁を用いた和小屋になる。主屋の北西で中庭を囲って建ち、屋敷北辺の景観をかたちづくる。

衣装蔵外観

      

室内と展示

                              

国登文 離れ 大正/1922
木造2階建、瓦葺、建築面積82㎡
主屋西方に廊下で接続する。二階建、南北棟の入母屋造桟瓦葺で屋根に起りを付け、庇を銅板葺とする。各階は中庭側の東を八畳二室、西を六畳と階段室とした平面で、吟味した多彩な銘木を用い異なる座敷飾にまとめるなど、内外とも当時の造形の指向をよく示す。

離れ外観

       

離れ1階

              

階段

      

離れ2階

              

離れ2階からの眺望

       

 

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