兵庫県丹波篠山市 正覚寺
(Shokakuji Temple, Tambasasayama City, Hyogo Pref.)
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重森三玲「「龍珠の庭」 |
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August 3, 2019 野崎順次
兵庫県丹波篠山市般若寺482
浄土宗
蓮法山 正覚寺
ここはもと、波多野氏が八上城の鬼門除けの祈願所とするため、奈良の般若寺から僧を招いて建てた、「大松山般若寺」(天台宗)があったところで、地名はその名残である。 天正7年(1579)、明智光秀の丹波攻めにより焼失し、その跡に、江戸時代初期に「正覚寺」が創建された。ご本尊は、阿弥陀如来立像である。その後、度々火災にあい、昔の面影はないが、平安初期の絵師巨勢金岡の真筆という「十六善神画像」(町・文)がある。
寺内には、昭和45年に重森三玲氏が造った池泉観賞式庭園がある。中心には、天龍寺や金閣寺などの庭園と同じ竜門瀑形式の滝石組を使っている。黄河上流にあり、登竜門という言葉が生まれた竜門の滝になぞらえたものであり、「龍珠庭」と名付けている。背景に多くのサツキが雲形に大刈り込みされて、趣を添えており、現在の名庭園の評価が高い。
その一角に、昭和57年、中村昌生氏の設計監督による茶室が新築され、表千家の家元・而妙斎宗匠が揮毫し「蓮珠庵」と名付け、一層のやすらぎを漂わせている。
「丹波篠山五十三次ガイド(改定版)」(平成7年8月発行)より
アプローチ、JR篠山口から神姫グリーンバスを利用する。篠山営業所で乗り継いで、八上本町で降りる。周囲は水田、南側は史跡八上城跡のある高城山である。北に歩いて、篠山川の橋を渡ると、般若寺の集落である。
正覚寺の参道を進む。
現地説明板、山門、本堂
電話予約していたので、ご住職と奥様に温かく迎えていただき、重森三玲「「龍珠の庭」を拝観した。また、ご説明を聞きながら、写真と動画の撮影をした。ただし、ネットなどでの一般公開は許可していないとのことだった。作庭者重森三玲自身の解説を引用する。
正覚寺庭園 現代 池泉鑑賞式
本庭の面積は約七十坪ほどで、山畔を利用した蓬莱式の池庭である。したがって池庭には鶴亀二島を配し、これに石橋三橋を架けて景と実用に便した。
山畔右手には竜門式の滝を作り、豪健な石組によって布落の滝が見られる。これらの竜門式の滝の石組や、全庭の石組または石橋は、いずれも豪快な手法によって古庭園を思わせるものがある。
そして本庭の石組は北宗連山式であり、これに楓や老松もあって、この新しい庭が古庭園かと思われるものがあり、年中拝観者が絶えない。滝の上部には空地があって、ここから逆に本庭を俯瞰するのもよい。そしてここで野点の茶会も催せる。本庭に竜珠の庭と命名されたのは、竜門滝によってである。
(重森三玲「日本庭園歴覧辞典、昭和49年」正覚寺庭園より)
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