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石川県金沢市 心蓮舎

Kanazawa Shinrensha

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June 2010 撮影:中山辰夫 

金沢市山ノ上町4−11

浄土宗

金沢市内を流れる浅野川と卯辰山に近い山の麓にあるお寺。国道159号線(山ノ上バス停)を左に入った所にある。

重文指定の来迎図と市指定である遠州流“めでた造り”の名庭園で有名。鎌倉時代の仏像45体を安置している。

寺号を見てオヤと思ったが、由来記に詳しく説明がある。

国道159号線に面する卯辰山山麓寺院群の中にあって、坂をのぼれば12年前に改修の土壁の山門が目に入る。

開山は加賀藩重臣の家柄である加賀八家の1つ長家の一族であった休誉露月上人で、慶長17年(1612)に創建された。

寛永14年(1637)、三代藩主・利常公より現在地に2千坪ほどの替地を賜り、移転・移築したが、文化12年(1815)の大火で類焼し、堂宇は悉く灰燼に帰した。本堂は再建されたが、庭園は江戸時代のまま残っている。

寺には後水尾帝より下賜の来迎図がある。この仏画、平安後期の作で阿弥陀三尊像、美術的にも高いとされている。

境内の築山池泉式庭園「めでた造り」は江戸寛永期の面影を今に残し、金沢市内寺院中の古庭園の1つに数えられる。

低木442本、樹冠面積1050㎡、緑被率45%、昭和59年(1984)には樹木の保存指定もされ、景観・雅趣に富んでいる。

庭園には墓地への登り道、左側より入る。

山側に延びた墓地には、芭蕉十哲の一人、立花北枝、藩政改革の先駆者・寺島蔵人の墓がある。

山門

昭和59年(1984)宗祖生誕850年記念事業として再建

鐘堂

昭和59年(1984)梵鐘再鋳

平和祈念塔

昭和64年建立

向拝・開山堂

昭和51年(1976)改築

本堂

大正8年(1919)二十九代西譽専明上人代に改築 平成15年(2003)内部大改修

書院

昭和41年(1966)改築

納骨堂

昭和36年(1961)宗祖750年遠忌記念事業として新築

庫裏

昭和30年(1955)改築及び新築

平和祈念塔

昭和64年建立

庭園は庫裏の書院に面して卯辰山の斜面を借景した池泉式庭園で、寺がこの地に移った江戸時代初期の作庭とされる。

休譽露月上人は京都清浄華院で修行を行なっており、その際に京都の庭園を通して、庭園に関心を持っておられたと思われる。

庭園は中央に湧水を堪えた池を配し、背後に二段の築山を築き、さらにその奥に卯辰山斜面のタブ・ヤブツバキ・ツクバネカシ等の自然樹林が広がる。

向かって右手の築山には三尊石を中心とした枯滝石組があり、左手の築山には宝篋印塔を模した燈籠を置いている。また、池畔には雪見燈籠を置いている。

心蓮舎庭園は、遠州流の流れを組んだ古庭園の趣があり、歴史を感じさせるしっとりとした庭園である。

金沢で作庭当時の面影を残す江戸時代初期の庭園として貴重とされる。

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