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イスラエル エルサレム(テルアビブ含む)

Jerusalem and Telaviv,Israel

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Apr. 2011 池田謙一

テルアビブとエルサレム

ソウル・インチョン経由で行きました。これが最良で最短です。

イスラエルは、思っていたよりはるかに平穏・安全で、入るときに余計に一度尋問を受け(「ランダム」にぼくに尋問が向いたらしいです)、空港に戻るタクシーで運転手のアラブ人の若者がぼくを差し置いてがんがんチェックされたり(空港の検問所です。

ぼくは控え室で待たされ、そこから見ていると車の中の爆発物捜査を徹底してやっていました)、街角にごく普通にマシンガンを持った連中が警備していて、そのままマックでお昼食べたりバスに乗ったりしている以外は、どうということはなく、みなフレンドリーで、アラブ系もタクシーに至るまでなかなか英語を話すのには、ちょっと驚きでした。

今回はCSES選挙制度の効果の国際比較第4回調査の調査票の最終作成が目的で、十数カ国の代表が50カ国程度の各全国調査のための質問項目の作成を行います。

またこの会議に参加していない国に対しても調査を依頼するのも代表たちの仕事です。

会議の地のテルアビブは、すでに人口百万の都市になっていて、地中海沿いのリゾート地。あまり寝られなかったため、朝6時から海岸線を散歩してました。

なんとそんな時間から泳いでいる人までいます。ジョギング人口も多く、暖かいところで、10月末でも昼間の温度は35度くらいになります。

ただ乾燥しているので、あまりこたえません。

3日間の会議後の4日目は、朝からエルサレムに向かい、まずは国会議事堂で、元の与党のリクードの幹部に会い、お説いただき、その後で最高裁を見学。

裁判の様子が自由に傍聴できるのでした。議事堂も裁判所も高校生の見学だらけです。社会科教育に熱心なのがわかります。

夕方はエルサレムの旧市街に連れていかれ、写真にあるようなダビデ王の墓や聖墳墓教会を見せられました。

後者はキリストの墓があり、しかもさまざまな宗派の小教会が入り乱れていて大変興味深いです。

最後に嘆きのカベの遠景を夜の明かりの下で見せられ、なかなかに素晴らしい光景でした。

これで今日は終わりと思いきや、食事に連れて行かれる途中で乗ったマイクロバスが薄暗い公園の前で止まり全員下ろされ、ここでバーベキューなのか、と冗談を言っていたら、大間違いで、パレスチナ人とユダヤ人をつなぐNPOの連中が出てきて、この地区で何があったか、話を聞いてくれ、というのでした。

たぶん警察や公安に知られないための配慮として、こんな公園で下りたのでした。

その場所は元のヨルダン領で、イスラエルが武力で勝ち取り、いまはエルサレム市内なのですが、そこに住んでいたパレスチナ人の住居を右翼のユダヤ人が強奪している、というのです。

しかもそれはイスラエルの法律では阻止できないのだとか。それで、そういうことがあってよいことなのか、ユダヤ人としてもぜひ現場を見てほしいと思う、と言われて、みんなでそこから5分ほど歩いて、見に行きました。

そこには自宅を奪われたパレスチナ人の家族が待っていて、ここでこう奪われたなどと説明し、しかも、奪われた家にはすでにユダヤ人が入植してしまって、ちょっとした要塞化して、しかもイスラエルの旗なんかをいっぱい立てているのでした。

しかも、横では家を追われた当のパレスチナ人の子どもたちが路上サッカーしてむじゃき?に遊んでいる、という異様な光景でした。

今回のホストのユダヤ人教授たちは、たぶん右にも左にも揺れていない人たちですが、こうした現実はユダヤ人にとっても、正当化できないものだ、とはっきりと訴えたかったようです。

その夜はテルアビブに戻り、最終日は飛行機が夜中出発なので(しかも2日に一度しか飛ばない)、翌日再びエルサレムに戻りました。

しかし、これが御難。空港に一度荷物を預けて、空港からのシャトルにけちって乗ったのです(乗り物はシャトルかタクシーのみ。エルサレムまで行くとタクシーで六千円程度。シャトルは千円)。

それがひどいシャトルで、パレスチナ人ドライバーはお客が満員になるまでてこでも動かない。

延々1時間近く待たされ、隣の席のモントリオール出身のばりばりのユダヤ人が怒りまくってようやく出発。

ところが、エルサレム近郊になって、一人一人別々のところで下りていきます。最初の人はなんと、近郊といっても山の彼方の入植地のようなところでした。

ほんとうに荒れ地の真ん中に住宅街が拡がり、こぎれいだけれども、なんとも人工的でした。

こういうのがとても遠回りで、けっきょく2時間半ほどもかかって(ふつうなら一時間)、旧市街に着いたのでした。

この日の旧市街は一人ですから、ほとんど2キロ四方程度の市街を歩き回りました。

じつは石畳と坂だらけで、しかも、主要な道ですら幅は3メートル程度だったりするところが多く、簡単に迷います。

迷うもう一つの原因は、小さな土産物屋が無数にあり、あらゆるところで客引きしているからです。

どう見ても、ほとんど粗悪品に近い。それがすごい量あります。

そういう店の間に歴史的建造物が無造作にあるのがエルサレム旧市街。しかもそれがキリスト教、イスラム教、ユダヤ教、いろんな分派が重なっています。

立体的に見ると、三千年以上の歴史の中で略奪と放火と戦闘と虐殺を繰り返した上に石の建造物を建てているのです。

10メートル下はローマ時代の遺跡であり、さらに10メートル掘ると紀元前10世紀くらいの遺跡になるのだそうです。

街のパン屋さんは、パン屋の地下にパン屋の竈を構えているのが見えましたが、どうみてもローマ時代の遺跡の上でパンを焼いているとしか見えず。。

町を歩いている人は、地元民か、大半は団体客でした。

驚きましたが、東欧や旧ロシアのさまざまな宗派の巡礼の場だということを再認識しました。

というわけで、混沌と活気の町でした。

テルアビブのマリーナ

テルアビブの海岸:テルアビブは地中海に面した有数のリゾートでもあり、海岸にはホテルが建ち並ぶ

テルアビブの海岸近くのアパート

テルアビブの海岸、夜間に望み見る旧市街ヤッフォ

テルアビブ大学の入り口の1つ。正面は図書館、入り口のゲートが厳格であるのが見える

テルアビブ大学構内

テルアビブ大学構内:右側の建物が社会科学棟

テルアビブ大学社会科学棟とモニュメント

テルアビブ大学構内のネコ:植物に水をやるための導水管が見える

テルアビブ大学構内から南を見る:テルアビブ市内が見える。百万都市である

テルアビブ中央駅

テルアビブよりエルサレムへの道:乾燥した土地のところどころに住宅群が拡がる。どれが入植地のなのかは不明

イスラエル議会クネセット:施設は坂の斜面を利用している。残念ながら中の写真は不可。シャガールのタペストリーが美しい

エルサレム新市街

エルサレム新市街:伝統的ユダヤ教徒のいる街区

エルサレム新市街

エルサレム旧市街:マリア永眠教会

エルサレム旧市街:ダビデ王の墓

エルサレム旧市街:最後の晩餐の部屋

エルサレム旧市街:シオン門

エルサレム旧市街:シオン門近くの通路

エルサレム旧市街:街の一角

エルサレム旧市街:人のいない通路

エルサレム旧市街:典型的な坂道。車輪の付いたハコでものを移動するための道具が階段にペタリ。

エルサレム旧市街:坂道で遊ぶ子どもたち

エルサレム旧市街:発掘されたローマ時代の繁華街通路。3000年ほど前から積み重ねられた都市であることがわかる

エルサレム旧市街:案内するテルアビブ大学教授シャミール(右側の女性)

エルサレム旧市街:聖墳墓教会近くのにぎわい

エルサレム旧市街:聖墳墓教会の壁

エルサレム旧市街:聖墳墓教会内部。いくつもの部分に分かれている。入り口付近

エルサレム旧市街:聖墳墓教会内部。イエスの墓周辺

エルサレム旧市街:聖墳墓教会内部。中央のドーム

エルサレム旧市街:聖墳墓教会内部。祈りの時間

エルサレム旧市街:カルド。世界最古?の現存繁華街

エルサレム旧市街:カルドの一部

エルサレム旧市街:繁華街の中の石畳と土産物屋

エルサレム旧市街:土産物屋のお菓子:ペーストを練り固めたような甘いお菓子にナッツ類が入っていることが多い

エルサレム旧市街:土産物屋の皮革製品とイエス生誕の木彫

エルサレム旧市街:嘆きの壁夜景。左側が男性用、右側1/4が女性用

エルサレム旧市街:嘆きの壁夜景。左奥に岩のドームが見える。つまりイスラム教の聖地が見える

エルサレム旧市街:嘆きの壁夜景

エルサレム旧市街:嘆きの壁昼間の遠望

エルサレム旧市街:嘆きの壁近景。

エルサレム旧市街:嘆きの壁近景。警備兵たち

エルサレム旧市街:嘆きの壁近景。祈りを捧げる

エルサレム旧市街:嘆きの壁近景。

エルサレム旧市街:嘆きの壁近景。白く見えるのは、悲願を書いた紙を挟み込むから

エルサレム旧市街:嘆きの壁横の通路

エルサレム旧市街:歴史博物館となっているダビデの塔

Iエルサレム旧市街:歴史博物館となっているダビデの塔。過去からの積み重ねが見えるように考古学的な配慮がなされている

エルサレム旧市街:ダビデの塔から見た岩のドーム。中にはいスラム教徒しか入れない。後背地に見えるのはゲッセマネの園とオリーブ山

エルサレム旧市街:岩のドーム近景。これ以上は近づけない

エルサレム旧市街:土産物屋だらけ。きっと一万軒以上はある。どうして生活できるのか不明

エルサレム旧市街:これも多い果物屋の店先。柑橘系のものとザクロ。ザクロ・ジュースは高価で美味。4つほどつぶして作る。

エルサレム旧市街:観光客に混じる兵士たち。マシンガンは普通の光景

エルサレム旧市街:街の一角の不思議な門

エルサレム旧市街:ダマスカス門近くの坂道

エルサレム旧市街:ダマスカス門近く。新市街に出るところ

エルサレム旧市街:修理中のダマスカス門

エルサレム旧市街:ダマスカス門。外側から

エルサレム旧市街:ダマスカス門夜景。門の内部が商店街になっているのが見える。外側露店で賑わう

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