岩手県盛岡市 旧盛岡銀行本店本館(岩手銀行中の橋支店)
Former Morioka Bank headquarter (Iwate Bank Nakanohashi branch),Morioka city,Iwate
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盛岡市中ノ橋通1-2-20 岩手銀行(旧盛岡銀行)旧本店本館 重文 近代/商業・業務 明治 明治44(1911) 煉瓦造、建築面積693㎡、二階建、銅板葺 19941227
Sep.2017 酒井英樹
岩手銀行(旧盛岡銀行)旧本店本館
盛岡銀行は明治29年(1896)に開業し、昭和11年(1936)に岩手銀行とともに岩手殖産銀行(昭和35年(1960)に岩手銀行と改称)に統合された。
岩手銀行旧本店本館は、明治44年(1911)に盛岡銀行の本店行舎として落成し、統合も岩手殖産銀行の本店として引き継がれ、昭和58年の新社屋完成に伴い中ノ橋支店、平成24年(2012)に銀行業務を終了し、保存修理後一般公開されている。
設計は辰野金吾と葛西萬司が主宰する辰野・葛西建築事務所で、建築当初の設計図が銀行に保管されている。
煉瓦造、二階建で、盛岡市中ノ橋通の交差点に立地し、西側は中津川にのぞんでいる。
街路よりの東南端に営業室およびロビーを寄せて建ち、北寄りに事務所、支店長室、応接室等を配し、マンサード型の尾根をかける。
その西に、総会室等を含む寄棟屋根の棟が接続する。南東隅にドームを冠した八角形の塔を、南側には矩形の塔を配して出入口とし、東面北壁には切妻屋根が張り出す等、凹凸に富んだ外観とする。
外壁は煉瓦の壁面に、花崗岩の帯を廻し、一階の窓にはまぐさを、二階の窓にはアーチを用い、コンソールやアーチ等の要所にも花崗岩を使う。
屋根は銅板葺で、ドーム部分のみスレート葺とし、ドーマー窓等で飾る。
内部は、営業室およびロビーを吹抜けとし、二階に回廊をめぐらす。
付け柱を用い、天井に石膏モチーフを施すなど豪華な内装が、明治期の銀行建築の姿をよく示している。
岩手銀行旧本店本館は、辰野金吾が設計した建築としては東北地方に残る唯一の作品である。
ドームを用い煉瓦と石材で表現された外観等に辰野の作風がよく表れており、角地という敷地条件を活かした象徴的な構成も優れている。
June 2011瀧山幸伸 source movie
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