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岩手県盛岡市 旧第九十銀行(もりおか啄木・賢治青春館)

Kyu Daikyuju bank( Morioka Takuboku Kenji Seishunkan),Morioka city,Iwate

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盛岡市中ノ橋通1-1-25 旧第九十銀行本店本館 重文 近代/商業・業務 明治 明治43(1910) 煉瓦造、建築面積264.61㎡、2階建、一部地下1階、スレート及び銅板葺、煉瓦塀附属 20040706


Sep.2017 酒井英樹

旧第九十銀行本店本館

 旧第九十銀行本店本館は、盛岡市の中心を貫流する中津川の南、旧奥州街道に面した北東角地に位置する。
 同行は明治11年(1878)に第九十国立銀行として創立、明治30年(1897)に株式会社に改組、第九十銀行と改称した。
 本店本館は明治41年(1908)3月15日に起工、2年後の明治43年(1910)12月11日に落成式を行った。

 設計者は盛岡出身の横浜勉、工事監督は久田喜一。
 昭和41年(1966)までは銀行店舗、のち銀行関連会社の事務所として使用され、平成13年(2001)に盛岡市所有となり、「もりおか啄木・賢治青春館」として公開されている。

 建物は煉瓦造二階建、一部地下一階で、正面の南棟が桁行14.7m、梁間11.3m、その北面西寄りに桁行9.1m、梁間10.9mのやや軒高の低い北棟が鉤形に接続する。
 正面西側には石積みで囲った植え込みを設ける。
 室構成は、南棟一階を営業室と客溜、二階を一室の総会室、北棟は一階南半を西から通用口兼階段室と金庫室、北半を西から応接室と頭取室とし、二階は南半を階段室、北半を西から重役室と控室とする。

 外観は「ネオロマネスク様式」の意匠を持つ。
 正面入口を僅に西寄りに構え、非対称にする。
 外壁は黄褐色の化粧煉瓦積、花崗岩切石の軒蛇腹と胴蛇腹を巡らせ、やや濃色の化粧煉瓦積とした腰壁上端にも花崗岩を廻す。
 正面入口上には一対の小塔飾りが軒蛇腹を中断して、切妻壁を立ち上げる。隅石は花崗岩の荒々しいルスティカで、南西角には丸みをつけ、軒蛇腹下で滑面に仕上げて拳状の突起で飾る。
 正面入口前の階段は中途に踊り場を設け、さらに隅丸三方登りの石造階段で、欄間付の両開き木製ガラス戸に至る。
 入口にはルスティカの半円アーチを双子柱で支え、大理石張でファンライトを表す。
 窓は上げ下げ窓で、二連、三連と組み合わせ、木製建具は桟割なしの一枚ガラスとする。一階および入口上部の二連は欄間付で花崗岩切石のまぐさ石を入れ、他は欄間無しでルスティカのアーチを飾る。
 北棟は軒蛇腹と胴蛇腹を簡素にしている。
 西面の通用口には石造階段がつき、両開きガラス戸を開く。
 開口部には全て双折の防火鉄扉がつく。

第九十銀行本店本館は、外観はネオロマネスク建築様式の重厚な銀行建築と内装は簡潔な意匠を持つ。
 全体として装飾要素は抑制され、19世紀末欧州の建築運動をいち早く反映させた遺構として、我が国近代建築史上において貴重であり、重要文化財に指定されている。

 ネオロマネスク建築様式:19世紀後半、ロマネスク様式を復興した様式。半丸いアーチ、窓の上の半円アーチ、蛇腹層(壁面の帯状の層)が特徴。
 ルスティカ:石造建築で壁の表面を滑らかにせず、目地(継目)を際だたせたり、石材面を突出させたりして、凹凸を目だたせて荒々しく力強い表情をもたせる技法
                        
             


June 2011瀧山幸伸 source movie

    

                                                                

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