JAPAN GEOGRAPHIC

香川県高松市 香川県庁舎東館

(Kagawa Prefectural Government Office East Building, Takamatsu City, Kagawa Pref.)

Category
Rating
Comment
 General
 
モダニズム建築秀作、丹下健三代表作
 Nature
 
 
 Water
 
 
 Flower
 
 
 Culture
 
 
 Facility
 
 Food
 


August  21, 2016 野崎順次 source movie

設計:丹下健三

構造設計:坪井善勝研究室

施工:大林組

構造形式:鉄筋コンクリート構造

延床面積:12,772.04m2

階数:地上8階

高さ:(展望台)43m、(軒高)31m

着工:1955年(昭和30年)12月

竣工:1958年(昭和33年)5月

設計は、当時の金子正則知事が香川県丸亀市出身の洋画家・猪熊弦一郎から紹介されて丹下健三に会い、彼の温厚な人柄と柔軟な思考力、鋭敏な美意識と創造にかける強烈な意欲に共鳴して、「民主主義時代に相応しい庁舎を設計してほしい」と依頼したことから始まる。 金子知事の要望に応えて丹下が設計した案は、彼が旧制高校時代から尊敬し続けてきた建築家ル・コルビュジエによる近代建築の5原則に基づくものであった。その原則とは、(1)ピロティ、(2)屋上庭園、(3)自由な平面、(4)水平連続窓、(5)自由なファサードなどであり、丹下はその原則の総てを織り込んで設計案を作成した。

竣工式のあいさつの中で丹下は、県庁舎が県民に開かれた空間であることを強調した。

1階部分の壁画「和敬清寂」は猪熊弦一郎によるものである。猪熊は、日本のあるべき民主主義は茶の精神であり、茶の精神は和敬清寂にあり、とこの壁画で表している。

壁画の制作時、猪熊はニューヨークにいたが、現場を一度も見ないまま送られてきた作品は、寸分たがわず設置場所に収まった。実は精密な模型を作り、作品を作り上げていた。

(ウィキペディア「香川県庁舎」より)

美しきもののみ機能的である…丹下健三の言葉

西洋建築との融合 世界へ

(中略)

1958年に完成した香川県庁舎(現・東館)は、建築家・丹下健三の代表作の一つ。西洋に学んだ鉄筋コンクリート建築と、柱と梁を組み上げる日本の伝統との融合を、高層ビルで初めて実現したとされる。「美しきもののみ機能的である」という言葉は、その3年前に発表した文章に書かれた。広島市の平和記念資料館の設計で、丹下は廃虚から立ち上がる人々に共感し、機能の追求を至上とする近代主義の建築観を揺さぶられる。そこから、美しさと機能が一体化した傑作が生まれた。

打ち放しコンクリートによる柱梁(ちゅうりょう)の構造美などのデザインは、世界に高く評価された。「日本の現代建築が外国に影響を与えたのは初めて。真の独創性を実現した丹下さんは、そこから一人、世界の舞台に出て行った」。建築史家の藤森照信・東大名誉教授は指摘する。東京五輪の国立屋内総合競技場(代々木体育館)が、ダイナミックで美しい吊り屋根によって世界の称賛を浴びるのは、6年後のことだ。

戦前の県庁舎は、どこも威厳にあふれていた。しかし香川県庁舎は、ピロティや庭、広いロビーが人々を迎え入れる。「丹下さんはその後の官公庁や文化施設のビルディング・タイプ(典型)を作った。今では当たり前になり、初めてやったと思われていない」と藤森さん。 (後略)(文・高野清見)

(YOMIURI ONLINE 2014年10月20日 09時30分より)

東側の県庁前通りから見る。南から北へ。

        

低層棟を北から南へ

                      

高層棟、南から

           

高層棟、北から

              

高層棟内部1階

瀬戸内国際芸術祭作品No. 205 猪熊弦一郎 壁画「和敬清寂」

                          

南庭

         

   All rights reserved 無断転用禁止 登録ユーザ募集中