京都府京都市東山区 長楽館
Chorakukan,Higashiyamaku,Kyoto city,Kyoto
Category |
Rating 凡例 |
Comment |
General |
||
Nature |
||
Water | ||
Sound/Noise | ||
Atmosphere | ||
Flower | ||
Culture | ||
Facility |
|
|
Food |
Feb.20,2020 瀧山幸伸 source movie
京都府京都市東山区八坂鳥居前東入円山町604
「明治のタバコ王」と称された実業家・村井吉兵衛が1909(明治42)年に建築した長楽館は、各部屋にヨーロッパ建築様式を採用している。
最上階の「御成の間」はバカラ社製のシャンデリアや折上格天井、金箔の襖絵などを有し、和洋折衷の空間となっている。
イタリア式門柱 村井家家紋 三つ柏
案内と部屋配置図
京の夏の旅で特別公開中の「御成の間」を見学した。
長楽館の1〜2階は洋風でしたが、3階は和洋折衷様式となっている。3階御成りの間は「貴賓室」として建築されたものである。
「御成の間」(おなりのま)
部屋図
中3階にある長楽庵、3階は「御成り間」と他に2〜3室ある。
2階でクツを脱ぎ、3階へ。長楽館独特の階段をのぼって中3階、左側に「長楽庵」がある。
長楽庵
表千家にある書院造の「残月亭」を模してつくられた茶室
床の間
中央に半円の窓、その左右に桜ともみじ柄のステンドグラス、欄間や天井の装飾
3階へのぼる—正面が「御成の間」
村井家家紋の三つ柏をあしらった折上格天井に、床の間・違い棚・付書院・花頭窓を配した格式高い「書院造」の和室
バカラ社製のシャンデリアや金粉をふんだんに用いた襖絵など東洋と西洋の文化の融合が実現されている。
中2階の茶室「残月亭」入り口前の扁額は橋本関雪画伯の書「和楽」
3F和室A
3F和室B
1階、2階の配置図と画像
2F〜1F
Aug.08.2015 中山辰夫
長楽館 (旧村井吉兵衛京都別館)
京都市東山区八坂鳥居前東入円山町604
京都指定有形文化財
竣工:1909(明治42) 設計:J.M.ガ−デイナ− 構造:鉄骨石造 3階建(一部地下1階) 施工:清水満之助 京都市指定文化財(含む調度品)
村井吉兵衛が1904(明治37)年から6年かけて建てた別荘で、京都における村井の迎賓館であった。(村井吉兵衛氏については参考を参照)
枝垂れ桜で有名な円山公園の入口にあって、門前が円山公園庭園である。外観は室内に比べておとなしい出来に感じる。
当時、「迎賓館」として使われ、国内外の要人が訪れた社交場だけに、贅を極めた意匠やインテリアが見事で見応えがある。
館内は見学できるが、使用している部屋は不可である。高価な家具や調度品も当時のまま多く残され、家具30点も京都市文化財の指定を受けている。
内部の豪華絢爛さに驚きである。
コーヒー一杯で贅沢な時間を過ごせる場所である。写真の羅列のみとする。
外観遠景様々 1階は石積み 2階・3階はタイル貼りの外壁
外観〜門周辺
玄関〜本館一階サンルーム
ドアーの上部には柏の家紋
本館1階フロアーとロビー
1階 迎賓の間 マントルピース上に置かれた豪華な時計 暖炉の上は大きな鏡
球技の間 ステンドグラスは同じ図柄が対。小さな水洗手洗コーナー 天井一面に装飾
書斎
ル シエ—ヌ 宮殿の感じ
1階から2階の階段周辺
喫煙の間 男性の社交場 螺鈿のチエア橋指定文化財 置かれている調度品は高価なアンテイクばかり。
美術の間
鳳凰の間 (西南客室)
貴婦人の間
接遇の間
サンルーム
2階〜3階階段周辺
3階
和室 長楽庵と御成り間 非公開 (写真はHPより引用)
≪参考≫
明治になって、江戸時代以来の刻みタバコに代わって紙巻タバコが輸入され、その需要は年々増加して行った。
この新しい需要に目を付けたのが村井吉兵衛で、京都で紙タバコの製造を始めた。
「村井兄弟商会」を立ち上げ、輸入タバコを原料に、欧米の最新技術を導入して、両切りタバコを主力に売り出した。
商品名はサンライス、ヒーロー、ピーコックなど横文字とし、包装も洋装とした。
需要の伸びを背景に明治33年に馬町工場を建てた。「関西テーラー2009年解体」
京都の村井に対して東京銀座には「天狗煙草」で知られる岩谷商会の岩谷松平が居た。
岩谷は村井の舶来に対し、国産の葉タバコを原料にした口付けタバコを主力商品とした。
村井商会はハイカラ層に、岩谷は自らを「東洋煙草大王」と称し、赤天狗、黒天狗、金天狗、青天狗など7種類の口付けタバコを売出し、店は何から何まで赤ずくめ、自らも赤い着物に赤い帯を締め、赤塗りの馬車で銀座の街を走り回るという型破りの宣伝で道行く人のど胆を抜いたとか。両社独特の宣伝合戦を展開したとある。
タバコ製造で信じがたいほどの利潤を上げた村井吉兵衛の財力の象徴が長楽館である。
この建物が完成したのは、タバコ産業が民営から官営に移ったときで、政府から莫大な保障金が支払われ、笑いも止まらなかった時である。「西洋館・中村哲夫著より抜粋」
June 2010 撮影/文 柴田 由紀江
旧村井吉兵衛京都別邸(長楽館) 京都市指定有形文化財
京都市東山区八坂鳥居前東入円山町
竣工:明治42年(1909年)
設計:J.M.ガーディナー
施工:清水満之助
構造:煉瓦造3階建(一部地下1階)
長楽館は、明治の煙草王、村井吉兵衛の別邸跡で、設計者は立教大学学長で宣教師のアメリカ人ガーディナー。
建築家でもあった彼の監督下、五年もの歳月を費やし1909年に完成しました。
一歩足を踏み入れるとルイ15・16世時代の重厚なインテリアが、ひときわ豪奢な雰囲気を醸し出しています。
当時、日・英・米の著名なVIPも数多く滞在、京都の迎賓館として華やかな集いの場となっていました。
命名は墓参に訪れた伊東博文公が、窓からの見事な眺望を七言絶句の漢詩に読まれ、扁額に「長楽館」と揮毫されたものです。
明治は遠く過ぎゆきても『長楽館』は当時の華やかさを今もたたえ、昭和61年(1986年)に京都市有形文化財に指定されました。
(長楽館リーフレットより)
煙草の専売制がひかれる前に製造・販売で巨利を得たとされる村井吉兵衛は、残念ながら現存しない自邸の方も、ガーディナー設計による豪邸だったとされていますが、100年の月日を経てなお、こんなにも豪奢で美しい建築物を、当時の日本人はどんな思いで眺めたのだろうと思いを巡らせてしまいます。
さて、その長楽館は八坂神社並び円山公園の横に位置し、歴史的な和建築と日本庭園を見下ろせる絶好のロケーションに位置しています。
ホテル、レストランともに一流ホテル並みの行き届いた接客で心地よく迎えられ、21世紀の今も時間を忘れて寛げる空間が待っていてくれるのでした。
ロビーから小さなフロント、サンルームだった場所がティーサロンとなって営業されていますが、この廊下から階段周りの装飾の見事なことといったら、何度訪れても見飽きない繊細さです。
ピカピカに磨きこまれた美しい曲線の階段手すり、つい何度も上り下りしてしまいます。
ため息交じりに見上げてしまう照明器具の繊細さと、部屋のコンセプト毎に趣向を変えたユニークさが見てとれて、本当にここは旧竹田宮邸に匹敵する装飾の豊かさを持ち、そして旧前田侯爵邸にも引けを取らない硝子照明の高級感が大きな魅力だと感じます。
こちらは1階の、ウエディングの際には控室になるお部屋です。天井も柱も壁も鏡も窓もカーテンも床も、完璧なまでのルイ王朝です。
こんな部屋で寛いでお待ち下さいと言われてしまったら、かえって緊張してしまいそうな豪華絢爛な家財・調度の数々です。
目に入る物全てが美しく、精密で細やかで、一つのミスも無く100年もの間ずっと此処にこうして存在しているのだ…そう思うと、当時の職人の技の高さと権力・財力の強大さ、そして美しいものへの探求心の高さに心打たれるのでした。
書斎として造られたこの部屋が、煙草王の屋敷だけにどれだけ煙い空間だったろうとつい想像してしまいましたが、今は館内全体が非常にクリーンで不快感は全くありません。
そして、ここでも発見しました。男尊女卑だった時代に横並びで腰掛けるのを禁じられたゆえに、若い男女が互い違いに座って耳元で囁き合う為のS字型のソファでした。気をつけてみて歩くといろんな場所で遭遇するものですね。
それにしてもこの書斎の暖炉は威厳のある姿をしていて、じっと座り込んで見入ってしまいました。
2階には、貴婦人の部屋だったり寝室だったり、壁やカーテンの雰囲気がガラリと違う部屋が並びますが、今はそれぞれがカフェの予約席や少人数の会合用に仕切られたスペースとして有効に活用されています。
それぞれのカーテンの、生地もドレープ幅もバランスの襞数も、実に贅沢でゴージャスな窓辺を演出しています。
そして此処でもまた、素晴らしく贅沢なマントルピースに出会うことが出来ます。アイアンワークの緻密さ、荒削りな細工は全く無く、見えない影の部分まで精巧に作り込まれています。
そして再び1階の廊下へ。この廊下の彫刻の施されたベンチに座っていると、時が止まったかのように周囲の高価な調度品が視界に飛び込んできます。石材も木材も一切の妥協をしないという建築は、本当に迫力満点です。
一風変わったスタイルのこの部屋はその昔「喫煙室」だったお部屋です。小笠原伯爵邸にも大理石に囲まれたシガールームがございますが、こちらもタイル張りの床から壁のユニークなパターン装飾、そしてバルコニーへの欄間にはステンドグラスが配されています。
そして最後は夢の空間、高級フレンチを頂く為の贅沢なダイニングです。開店前のお忙しい時間帯に無理申し上げて撮影させて頂きました。
これがテーマパークでもなくクラシックホテルの資料館でもなく、京都でも有名な日本庭園の隣に現役で建っているレストランだということに驚く外国人客は多いようです。
部屋のどの部分を切り取っても絵に成るような、余白の無い、隙の無い贅沢極まりない室内でした。それでいて目立たぬよう最大限の努力をされて冷暖房と換気の配慮は万全です。
光り輝く食器に、磨きこまれた銀のカトラリー、天井の装飾を見上げてはため息がもれ、口に運んだ繊細なお料理を味わいつつ、食事はいつしか壁を愛でて頂くワイン、鏡の反射をうっとり見つめて頂くデザートになりました。
「美しい建物を観たい」という思いを、120%満たしてくれる長楽館さんでした。
Dec.1992 撮影:高橋久美子
All rights reserved 無断転用禁止 登録ユーザ募集中