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京都府京都市下京区 京都中央卸売市場

Central Wholesale Market,Shimogyoku,Kyoto city,Kyoto

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Nov.23,2016 中山辰夫

京都市下京区朱雀分木町80番地

京都市中央卸市場は1927(昭和2)年に、日本で最初の中央卸売市場として誕生して以来、来年で90年を迎える。

今日まで、京都市民の生鮮食料品の供給センターとして大きな役割を果たしてきた。

    

市場では、毎年11月23日に、栄養バランスに優れ、皆で楽しむことのできる「鍋」をキーワードーに、「鍋まつり」が開催される。今年で14回目。

普段は雑然としている市場内も整理整頓が行き届いている。

  

午前11時の開場に関わらず、4カ所の入口とも、9時半には長蛇の列、老若入り混じってオープンを待つ。出足の早いのにビックリ。

開場と同時にお目当てのブースに殺到する。鍋の種類は20、各々のブースは約4000食分が準備されていた。

 

人気のブースには幾重もの列ができる。食べては並びの繰り返し。旺盛な食欲にまかせた決してお上品とは言えない食べ方。正に恰好より食い気の感じ

            

鍋のブースは早くて12時過ぎに、遅いところも13時頃には完売である。

会場には普段ら見れない大きな魚が並ぶ

    

丹後半島・伊根湾でとれるマグロ・ブリ。伊根は五島列島、氷見と並ぶブリの三大漁場。縁起のいい「出世魚」のブリは、関西の「年取り魚」と重宝される。

  

「マグロの解体」にも人だかり

           

アンコウ吊るし切り

冬場の味覚、アンコウの吊るし切りの実演がありました。10kgを上回る大きなアンコウがさばかれた。

  

鉤で下あごを引っ掛け吊るし、皮をはぎ、身や内蔵を切取る。アンコウは体が大きいこと、全身がゼラチン質で覆われて柔らかく、滑りやすいため、吊るし切りとする。

一見こわおもて−実は愉快な大将が、子ども達とツーショット写真撮影に多くの時間を割いた後で行う。

    

捌き始まりのアナウンスも派手。周りを多くの人たちが取囲む。子ども達も最前列に陣取りしている。

    

アゴと背骨以外は捨てる所が無いといわれるアンコウ、いよいよ解体である。性別はオスと思われる。従い卵巣がない。

アンコウには、「七つ道具」と呼ばれるものがある。即ち、「尾びれ(とも)」「皮」「えら」「肝臓(肝)」「胃(水袋)」「卵巣(ぬの)」「肉(柳身)」である。

実演ではこれらを順番に取り出す。

触覚−棒状の突起 これが擬エサにして獲物をおびき寄せる。 

    

ヒレ落し−左右・前・尾と4ヒレある3

    

皮剥ぎ−強力なアゴ口周りに包丁を入れて皮をそぎ落とす コラーゲンのかたまりである。 大将もこの時が一番気持ちよさそう。

        

丸裸になったアンコウ−包丁を入れて腹を割る

  

肝を取り出す−「海のフォアグラ」と呼ばれる

      

残りの部位を見せる

    

鰓(えら) 希少部位である 赤みがかっている アンコウの鰓は食べられる

    

胃袋 入口には上下4本の歯がある。丸呑みしたエサが戻らない働きをする 胃袋は8m程にものびる。餌と水が抜いてあるため小さく見える

        

目玉ーゼラチン質

    

「ぬの」いわゆる卵巣である。オスの場合とても小さくて食べるほどもないといわれる。今回は見逃した。

肉(柳身) 白みの肉

      

背骨・ほか 鍋料理のダシ取りに使う。

    

仕上げ 子供たちからも大拍手でした。

    

吊るし切り実演コーナーの横には「あんこう鍋」のブースが店を開く。開幕と同時に人が殺到し長蛇の列。

12時過ぎには4000食分を完売。店員さんも大喜び。実演の大将が「俺の分、残しておいてや〜」と叫んでいましたが、はたしてどうなったか。

       

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