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京都府京都市左京区 大寧軒

Daineiken, Sakyo-ku, Kyoto city,Kyoto

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July 20,2015 中山辰夫

南禅寺 大寧軒 通常は非公開 春・夏・秋に特別公開が行われる。

京都市左京区南禅寺福地町

地下鉄東西線蹴上駅から南禅寺に向かって、京都府知事・ 北垣国道によって書かれた「雄觀奇想 (ゆうかんきそう)」の文字が掛かる"ねじりまんぽ“をくぐった直ぐ左側、智水庵のとなりにある。道を挟んだ前には何有荘を囲う巨大な石垣が立つ。

     

かつての南禅寺塔頭・大寧院の跡に、明治末期の作られた池泉回遊式庭園である。2004(平成16)年に個人所有から南禅寺に戻った。

     

明治時代の茶人で、「藪内流」家元であった藪内紹智(やぶうちじょうち 薮内家第十一代)によって作庭された。 「疏水を引き、瀧となし、池となり、渓となり北に下る」の記録が残る。現在その姿が現存している。

南禅寺界隈のほかの庭はその多くを植治こと7代目小川治兵衛が作っている。しかしこの庭は茶人の作った庭らしく、飛石の高さを地面からあまり上げず、小道に同化させ、自然な味わいを持たせている。

庭園図

 

門を入ると流れが身近に迫る。引き込まれるように庭苑内に進む。

東山36峰の一つ・標高150mの大日山を借景にした470坪の庭内は広く、樹木も多い。静寂である。琵琶湖疏水から豊かな水が引き込まれている。

          

滝口の水は、琵琶湖疏水の取水口の一つから導かれ、落差を利用して3mの激しい滝を表現している。ゆるやかな流れとなった水は池に注ぎこむ。

清流の中には石造りの「三柱鳥居」が立てられ、その足元からも水が湧き出ている。

この鳥居は普通の鳥居を三基組み合せた珍しい形で、太秦の古社「蚕ノ社」の鳥居を模したとされ、印象的な眺めを演出している。(京都三珍鳥居の一つ)

         

流れは一旦園池に入り、さらに渓流となって庭園内を巡る。

            

庭内に建つ茶室「環翆庵」は二畳台目の茶室で、待合を備えている。そして主屋

          

飛石の打ち方や苑路等に趣向を凝らした露地風の庭園、優雅な曲線を持つ池、幅広い流れ、鞍馬石の敷石、様々な形の灯篭が並び、自然石を利用した手水鉢等珍しい石造物が散見できる。

           

柱状列石や手水舎、

    

庭石の一つである柱状列石の玄武岩は、兵庫県城崎温泉近くにある玄武洞(天然紀念物)の石を運び込んだ庭石で、現在は搬出不可能な珍しい石。

灯篭

       

春日型・雪見型・織部型など様々な形の灯篭が並び立つ。

大寧軒に注ぐ疏水の水は最終的には隣接する金地院、さらには對龍山荘の園池に流れ込む


Sep.2011 大野木康夫 source movie

所在地 京都府京都市左京区南禅寺福地町

2011.9.11撮影

大寧軒は南禅寺の塔頭大寧院の跡地に明治時代に作庭された池泉回遊式庭園です。

金地院の南側、地下鉄蹴上駅から「ねじりまんぽ」をくぐり、少し行ったところにあります。

普段は非公開ですが、「京の夏の旅」文化財特別公開で公開されていました。

作庭は茶道の藪内家十一代当主、藪内紹智が行い、琵琶湖疏水の水を引いた流れと池を中心とし、茶室「環翠庵」や待合を配しています。

庭石や手水鉢、灯籠にも趣向を凝らしています。

池に流れ込む流れの中ほどに置かれている「三柱鳥居」(右京区の蚕ノ社のものを模したもの)がアクセントになっています。

                                                               

特別公開で、小規模ながら団体客も入っており、まずまず賑わっていました。

案内チラシで説明されていた玄武洞(兵庫県豊岡市)の柱状列石を切り出した庭石は、庭園の西側のあまり人が行かない場所にあり、見つけにくいですが、案内の方が教えてくれました。

落ち着いてじっくり待合に座って眺めていたいような庭園ですが、特別公開では難しいかもしれません。

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