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京都府京都市左京区 檀王法林寺

(Dannohorinji Temple, Sakyoku, Kyoto)

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Jun.2020 柚原君子

 

檀王法林寺(だんのうほうりんじ)
所在地:京都府京都市左京区川端通三条上ル法林寺門前町36

三条大橋の東詰にあるお寺。中山道踏破の最終日に三条大橋に踏破の感謝で抱きついた後に訪れました。本堂奥に黒い招き猫があり300円をお支払いすれば,本堂の中に入る事ができて見られたのですが、コロナ渦でかないませんでした。資料で見ると右手を挙げた真っ黒な招き猫が三体あり、日本で最古のもの。大きさは約8センチほどと小さいもののようです。

檀王法林寺を開山した袋中上人は、多くの著作を残した思想家で、日本に伝わっていない経論を学ぶため、中国(明)に渡ることを決意しますが当時の情勢によって渡国は叶わず、近い琉球王国にとどまります。3年間とどまっている間に琉球に桂林寺(けいりんじ)を建立し国王は深く帰依します。

江戸時代の初期である1611(慶長16)年、袋中上人は日本に帰国。三条大橋脇のこの地に開山します。琉球国王より多くの宝物を頂き持ち帰ります。今ではそれが琉球の貴重な工芸品として京都府の重要文化財になっています。

また海を渡って行く決意から海難から守ってくれる海の神様である「主夜神(しゅやじん)」を信仰していたといわれ、自らが建てた檀王法林寺に祀りました。猫は主夜神の御使いとされ主夜神の銘を刻んだ黒色の招福猫が江戸時代から人々の間には受け入れられていたそうです。古より人々は猫を船に乗せていました。積み荷の穀物を鼠がかじってしまわないように猫に見張らせるためです。また航海の慰めとしても愛玩されたようです。

そのような黒い猫が本堂にはあるそうで、見られないのは残念でした。

檀王法林寺の本尊は阿弥陀如来。本堂は京都市指定有形文化財。修復されているとはいえ1738(元文3)年建立。徳川二代将軍秀忠の娘である東福門院の御位牌が祀られているところから、本堂屋根他に皇室の菊御紋、徳川家の三葉葵紋を使うことが許されています。本堂前にある碑「南無阿弥陀佛」は袋中上人の直筆。
檀王法林寺には裏と表の通りに面して二つの門がありますが、表の方の楼門は仁王門です。平安後期や鎌倉時代に創作された立派な四天王立像様が足元を踏みつけてお立ちです。

川端通りと呼ばれる鴨川に面した側の門は薬医門で通称「赤門」または「川端門」といわれて、皇室の菊の瓦があります。有栖川音仁親王様が主夜神への信仰厚く、明治初期の本堂再建の折に寄進された門で、京都指定の重要文化財となっています。

                             


Jan.2011 野崎順次

京都府京都市左京区川端三条上る法林寺門前町36

浄土宗 朝陽山 檀王法林寺

撮影日: 2011年1月3・7日

知恩院にほど近い京阪三条駅の北側、にぎわう三条通りに面して「浄土宗だん王」と刻まれた石柱の立つ山門がある。ここが檀王法林寺(信ヶ原雅文住職)の入口だ。

境内でまず目につくのは重厚な造りの四天王楼門と、「派祖望西楼」の石碑、そして本堂右手にある袋中(たいちゅう)と記された大きな「南无(無)阿弥陀仏」の碑だ。

寺は720年ほど前の文永9年(1272)に、望西楼了慧(ぼうせいろうりょうえ)上人により「悟真寺」として創建。

その後一時、応仁の乱などで廃寺となったが、慶長16年(1611)、袋中上人が「檀王法林寺」として復興、その弟子である團王(だんのう)上人により基礎がきずかれ、更に念佛信仰の充実発展に努められた。

詳しい寺名は「朝陽山栴檀王院無上法林寺」というが、地元では親しみをこめて「だんのうさん」と呼んでいる。

了慧上人を「派祖」というのは、三祖良忠上人の門下から分かれた六派の一つである「三条派」の祖であることを指す。

その教えは法然上人の教えを忠実に守るもので、特にその書、『漢語燈録(かんごとうろく)』『和語(わご)燈録』は、法然上人のお言葉を集めたもので、貴重な史料となっている。

一方、袋中上人は諸国を巡り念仏の教えを極め、後に中国に渡ろうとしたが叶わずに琉球(沖縄)へたどり着かれ、そこに浄土宗を伝えている。

そして帰国後、京都に上り念仏道場としたのが檀王法林寺であった。

境内奥には上人を偲ぶ御廟(ごびょう)もある。

歴史のある寺だが、現在は子どもたちの声であふれている。

前住職の信ヶ原良文夫妻が戦後の混乱期に、労働条件の厳しい家庭の母親を助けようと境内に保育園を開園、続いて日本で初めての夜間保育園を創設し、また地域児童のために「だん王児童館・子ども図書館」を設け、仏教福祉教育の拠点ともなっている。

本堂、西門(川端門)、霊屋(たまや)が京都市指定有形文化財(市文)である。

パンフレット

    

三条通りから山門をくぐると奥に四天王楼門が見える。

               

四天王楼門

                  

庫裡

     

市文 本堂

                      

境内

       

市文 西門(川端門)

                       

市文 霊屋(たまや)

                      

参考資料

現地説明板

浄土宗HP

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