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京都府京都市上京区 引接寺(千本ゑんま堂)

Injoji, Kamigyoku, Kyoto city,Kyoto

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京都市上京区千本通廬山寺上る閻魔前町34 引接寺塔婆 重文 近世以前/その他 室町前期 至徳3(1386) 石造十重塔 至徳三年丙寅八月二十二日の刻銘がある 19521122



May 3,2022 大野木康夫 source movie


千本ゑんま堂大念仏狂言

千本ゑんま堂大念仏狂言は、昨年の本公演、今年の節分公演とも、新型コロナウイルス感染症の影響で無観客のライブ配信でしたが、今年の本公演は5月1日から4日までの間、有観客で行われました。
前回は夜の部を観たので、今回は3日の昼の部に行きました。
  


開演30分前に千本ゑんま堂に到着しました。
まだ席はありました。
  

顧問(前会長)のあいさつの後、お囃子が始まり、最初の演目「えんま庁」が始まります。
    


【えんま庁】

昼の部の最初の演目は全日えんま庁になっています。
セリフのあるゑんま堂大念仏狂言には珍しく無言劇です。


   


帳付(閻魔の書記、小野篁を意識しているかも)
 

閻魔法王
 


配置に付く3人
    


亡者が引っ立てられてくる
    


鬼が亡者を責める
  


亡者が巻物を取り出すと鬼は手を出せない
     


鬼は亡者から巻物を取り上げ、帳付に渡す
        


亡者は縛られる
 


帳付が巻物を確認すると、亡者は善人で手違いで地獄に来たと判明
   


帳付は閻魔帳(杓)にそのことを記録して閻魔法王に報告する
   


帳付は亡者を解放
       


鬼を縛り上げ、懲らしめる
          


懲らしめられた鬼がうめき声をあげる
     


帳付は縛り上げた鬼の番を亡者にまかせて閻魔法王と退場
      


上役がいなくなって鬼が亡者を責めようとするが巻物の力にはかなわない
         


最後は巻物を預かり、亡者を背負って極楽へ送っていく
     


2番目からはセリフがある演目で、4番が滑稽なもの、最後は能からくる少しまじめなものです。


【靭猿】

大名
  


太郎冠者を連れて狩りに出かけるが、全く獲物がいない
      


猿を連れた猿引きが登場
   


休憩中の大名に猿が飛び掛かって引っ搔いてしまう
     


大名は、靭(矢のケース)が古くなったので、猿を猿引きから召し上げて皮をはいで新しい靭を作ろうとする
猿引きは隙を見て猿を連れて逃げようとする
    


大名が雁又の矢をつがえて猿引きを射殺そうとしたので、猿引きは戻って猿に因果を含めて大名に渡そうとする
     


猿は猿引きに習った櫓漕ぎの芸を懸命に披露し、猿引きは自分はどうなってもいいので猿を助けてほしいと願う
         


大名は猿引きと猿の強い絆に免じて両者を許す
       


代わりに、扇を与えて猿に舞を所望する
           


大名も猿と一緒に踊りだす
   


舞い終わって猿が四つん這いになったので、大名も四つん這いになる
     


今度は猿は御幣を、大名は靭を持って踊る
太郎冠者は猿引き、大名は猿のように見える
                    


隙を見て猿引きと猿はその場を去る
  


【悪太郎】

酔っぱらった悪太郎が長刀を持って登場し、ひとしきり暴れた後に道端で寝込んでしまう
     


悪太郎の伯父が登場し、寝ている悪太郎を見て長刀を取り上げる
      


伯父は剃刀(扇子)を取り出して悪太郎の頭を剃ってしまう
         


悪太郎に法衣を着せて出家にし、家に帰る
    


目覚めた悪太郎は自分が出家姿になっているのに気付き、伯父の仕業ではないかと疑って伯父の家に向かう
        


伯父を問いただすが、うまくごまかされ、法名を考えることとなる
最後は伯父から「南無阿弥陀仏」と名付けられる
            


御坊が登場し、「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えると、居合わせた悪太郎は自分が呼ばれていると思って返事をする
御坊は悪太郎が自分をからかっていると思ったが、悪太郎の名が「南無阿弥陀仏」なので返事をしていることがわかる
              


御坊はにわか出家の悪太郎をからかおうと、相撲取り節で踊らせる
      


今度は悪太郎が御坊を流行り歌でからかう
         


御坊は木遣り念仏でからかい返す
           


悪太郎は「飛び団子」(流行り歌)でからかい返す
                                


もう日も暮れてきたころ合い、最後に御坊が責め念仏でからかうといって、念仏を唱えながら退場、悪太郎も返事をしながら退場
    


ここで休憩が入ります
休憩中は年少の会員が囃子の稽古をします
 


【舌切雀】

爺と婆は雀と一緒に暮らしている
    


ある日、爺は柴刈りに出る
婆には留守中、かわいがっている雀の世話をするよう頼む
         


婆も川に洗濯に行く
雀に糊の番を言いつける
    


雀は仲間を呼んで、糊を全部食べてしまう
    


婆が洗濯から帰ってきて、糊を使おうとすると、糊はなくなっており、雀のくちばしの跡が残っている
      


腹を立てた婆は、ハサミで雀の舌を切り、雀はどこかに飛んで行ってしまう
          

爺が柴刈りから帰ると、雀の姿が見えない
婆に聞いたら、糊を食べたので舌を切ったらどこかに飛んで行ったということだったので、婆を叱って雀を探しに行く
              


百姓が登場、野良仕事をしている
         

雀を探す爺が来て、雀の居場所を尋ねると、百姓は、少し先の森の中にある雀のお宿にいると教える
爺は何回か道を間違えるので、百姓はその都度大声で教える
                 


雀たちの歓待を受けた爺は、土産に小さいつづらと大きいつづらのどちらかを持って帰るように言われ、腰が痛いといって小さい方のつづらをもらって帰る
      


爺と婆がつづらを開けると、婆に似合いそうな着物や帯が出てくるが、雀の件でまだ怒っている爺は婆にはやらない
                 


宝物が欲しくなった婆は、雀のお宿に行って大きい方のつづらをもらって帰る
   


爺と婆がつづらを開けると、蛇や蛙など、気持ち悪いものばかり出てくる
婆はいらないというが、爺は婆に投げつけていやがらせをする
                   


おとぎ話のおじいさんはもう少し人柄がよかったと思うのですが、狂言の爺は婆に対して冷たい態度で通すのが印象的です

【福釣り】

庄屋の家で宝の虫干しが行われる
      


参詣人が虫干しされている宝を見せてもらいに来る
    


不老長寿の御利益がある閻魔の笏、かぶると姿が見えなくなる雪帽子、何でも欲しいものが釣れる恵比寿様の釣り竿を見せてもらう
                


参詣人は庄屋から恵比寿様の釣り竿を借りて酒樽を釣る
気前の良い庄屋は釣った酒樽を参詣人に譲る
            


参詣人は太刀を釣る
庄屋は太刀も譲る
                 


今度は参詣人は嫁を釣ろうとする
十七、八の娘と願って釣り竿を振ると、釣ることができた
                 


参詣人は喜んで、祝言をあげようとする
酒は先ほど釣ったが、盃がないと探したら嫁が持っていたので庄屋の媒酌で盃を交わす
           


庄屋は仲人を探しに出ていき、二人っきりになった参詣人と嫁は酒を飲もうとするが、嫁は大酒のみで酒樽の酒を全部飲んでしまう
                  


参詣人は嫁の顔を見ようとするがなかなか見ることができない
      


強引に被衣を取るとおかめ顔だったので、参詣人はびっくりして逃げようとするが、嫁は追いかけていく
             



【船弁慶】

弁慶と義経は摂津大物浦から船で九州に逃れようとする
           


静御前とは船に乗る前に分かれて都に返そうとする
        


義経と静御前は別れの盃を交わす
                 


義経は最後に舞を所望し、静御前は一指し舞って都に帰っていく
                                


弁慶が船守に出航するよう言い付け、船守は二人を船に乗せて船を出す
                   


雲行きが怪しくなり、船が進まなくなったので船守がいぶかると、弁慶が知盛の亡霊が船の邪魔をしていることに気付く
      


弁慶と義経は知盛の亡霊と激しく戦う
優勢に戦うが、完全に追い払うことができない
                    

弁慶が数珠を取り出して亡霊を調伏しようとし、最後は亡霊は退散する
           


昼の部が終わった引接寺境内
                 


商店街に貼ってあったポスター
 


観客の大半は地元の方ですが、遠くから来られた方も少数ながらおられました。
昼の部は天気が良いと西日で逆光になるのが難点ですが、夜の部よりも撮影しやすかったと思います。


June 2011 大野木康夫 source movie

所在地 京都府京都市上京区千本通盧山寺上る閻魔前町34

2011.5.3及び2011.5.4撮影

引接寺は、小野篁が蓮台野の入り口に当たる場所に閻魔法王を祀った祠が起源であると伝えられています。

その後、寛仁元(1017)年に定覚上人が「光明山歓喜院引接寺」として開山し、現在に至っていますが、今なお「千本ゑんま堂」と呼ばれ、精霊迎えの場として信仰を集めています。

また、境内で行われる「ゑんま堂狂言」(京都市指定無形民俗文化財)は、京都三大念仏狂言の一つで、ほとんどの演目にセリフがあるのが特徴です。

     

早朝の境内を撮影しました。

本堂

  

仮設舞台

   

本堂裏の塔婆流しをする場所

  

迎え鐘

  

塔婆(紫式部供養塔、重要文化財)

至徳3(1386)年の建立

石造十重塔、至徳三年丙寅八月二十二日の刻銘がある

          

普賢象桜

サトザクラの一種で、室町時代から境内に咲いていたもので、近年絶えていたものを佐野藤右衛門氏が寄贈されたそうです。

八重の桜の花の中心に緑の葉が2枚、象の牙のように生えていることから名付けられました。

       

ゑんま堂狂言の夜の部に行きました。

境内は多くの見物人で賑わっています。

              

「靱猿」

猿を演じる子役がかわいかったです。

          

「寺讓り」

道化役の「沙弥」(さんみ)が活躍する、たいへんこっけいな演目です。

              

「ほうらく割り」

他の念仏狂言でも花形の演目になっています。

最後に鞨鼓売りが大量のほうらくを割るところが見せ場です。

                            

ゑんま堂狂言はセリフがあり、大変わかりやすいので、子どもでも楽しめます。

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