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京都府京都市西京区 桂離宮

Katsura Rikyu(Imperial Villa), Nishikyoku, Kyoto city


Feb.11 and 15 2020 野崎順次 

source movie(Feb.11)

source movie(Feb.15)

 

京都府京都市西京区桂御園
桂離宮


桂離宮(かつらりきゅう)は、京都市西京区桂にある皇室関連施設。江戸時代の17世紀に皇族の八条宮の別邸として創設された建築群と庭園からなる。総面積は付属地を含め約6万9千平方メートルで、うち庭園部分は約5万8千平方メートルである。離宮とは皇居とは別に設けた宮殿の意であるが、「桂離宮」と称するのは明治16年(1883年)に宮内省所管となってからで、それ以前は「桂別業」などと呼ばれていた。江戸時代初期の造営当初の庭園と建築物を遺しており、当時の朝廷文化の粋を今に伝えている。回遊式の庭園は日本庭園の傑作とされる。また、建築物のうち書院は書院造を基調に数寄屋風を採り入れている。庭園には茶屋が配されている。現在は宮内庁京都事務所により管理されている。創建以来火災に遭うこともなく、ほぼ完全に創建当時の姿を今日に伝えている。
(ウィキペディア「桂離宮」より)

桂離宮庭園 桃山時代末期 池泉回遊式
拝観の順序を略述すると、まず桂川を渡って離宮入り口に達する。そこには竹藪の竹をそのまま曲げた古式の竹籬がある。これは古く川端の笹垣といっていた。そこを西北に進むと、そこに桂垣という竹の穂垣がある。上品で珍しい垣である。そこの元の御成門を見て、通用門を入って案内を乞うのである。
まず北部の御成門から昔は入っていた。この御成門を入ると広場があって御幸門がある。茅葺切妻のくぬぎ柱の門である。内に入ると、赤黒い小石敷が美しく御幸道に敷きつめてある。中門に達した左手にも浜の方へ長く敷き詰められてみごとである。その先端には住吉の松が一本ある。
中門を入ると、有名な四ツ目形の敷石に続いて真の飛石がある。付近の飛石を含めて真行草の技法が示され、南北を指しているのでこれを真の飛石というのである。まことに立派な創作である。四段の段石を登ると六つの沓脱という沓石がある。六人分(亭主を入れて)の草履をぬぐ敷石である。上がったところが古書院の玄関である。建築は単層入母屋の柿葺で、雁行に平面を作ってある。南の中書院から新書院に至るほど床が高い。
古書院は一ノ間二ノ間が並び、一ノ間から池庭全景が見られて美しい。東側に広縁と月見台(竹の簀子張)とがある。この辺の建築は一種の数寄屋造りであり、消夏と月見が設計されているようである。その隣に囲炉裏の間がある。狩野永敬筆の諌鼓の図がある。これは平和の意味である。
その隣が中書院で二ノ間と奥の一ノ間とがある。二ノ間は竹林七賢図、一ノ間は親王の御座の間で探幽筆の山水図、その南に楽器の間があり、外側の縁腰掛が蹴鞠や弓や駒競べの見物席とされる。
ここを南に続けて新御殿がある。これは後水尾院の御幸のために新設されたもので外縁が逆遠近法を用いた榑板張りである。一ノ間には上段の間があって、有名な桂棚がある。紫檀、黒檀、紅花櫚、鉄刀木、紅柞、檳榔,唐桑、欅、唐桐、島柿、伽羅等の名木で創作の棚が作られている。この付近には杉戸の四季花手桶形の引手があって、特に美しい。
奥には御寝の間、配膳の間、御化粧の間、御手水の間、御湯殿があって、それぞれ美構を尽くしている。
もとに戻って玄関を出て右に入ると、そこの茶亭を月波楼という。奥に長四畳の茶席がある。古式で美しい。軒内の花月の扁額は霊元上皇の宸筆で、その辺が化粧屋根裏と見せていて特に美しい。外に出ると鎌形の手水鉢がある。
もう一度奥の小石敷の道に出て、今度は蘇鉄山の方へ行くと、外腰掛の待合がある。そこに二重桝形手水鉢があり、くの字形の前石が抱くように据えてある。そこの石灯篭と手水鉢との有機的な線を引くと、腰掛と砂雪隠との間の柱にあたる。この辺の設計は遠州特有なものであり、「桂宮日記」の享保十八年十二月八日の条に
「先頃依朝賜桂別業手洗鉢(外腰掛有之先祖遠州作)之木形仍感謝申之也」
とそのことを語っている。そしてまた腰掛の正客石の扱い方も遠州的であるから、二期造営の時には、何らかの意味で小絵遠州が設計したのかもしれない。
腰掛前の直線的な敷石を東に出ると、左に回って石橋を渡る。その辺から流れが始まり、池庭に出る。そこには洲浜の小石畳が見られ、先端に毬型の小さい石燈籠がある。その前に二つの中島があり、切石橋が架けられている。この付近の景を天の橋立といっている。中島付近の設計は、古書院前の池庭の大きい中島二島と、まったく同一地割の設計である。左にとって山に入ると、卍亭(四つの腰掛)がある。正客以下の腰掛のデザインは傑作である。
もとの道に帰って南の松琴亭に出る。単層入母屋藁葺で書院と草庵三畳台目の席を並設してある。ここへ渡るところに石橋があり、面の粗密たたきによって二橋を見せ池水の流れの手水の沢渡で三橋を意図したようである。茶亭は台目床に歪の中柱を用い、床前天井が菰天井、点前座は掛込天井、茶道口には方立、給仕口には袴腰とされている。表に出ると六畳の書院、棚下に風炉先窓が出てくる。隣の鉤の手に十一畳で、床と襖は白と群青の大市松模様とされる。軒の下に大形の飛石を打ち、池畔に立手水鉢がある。ここから浜の船着を右に見て東へ長く飛石を渡り、蛍谷の景を左に見て、中島を上に登ると、蛍燈籠がある。左に上ると、賞花亭の前に出る。一種の花見茶屋で風流である。これは智仁親王の今出川の邸にあったものを智忠親王の時に移したもので、龍田屋の暖簾が掛けられる。その前には五輪塔水輪の鉄鉢形手水鉢がある。
ここを下って左に出ると園林堂から笑意軒前方の池畔に出る。左に三角雪見を見て向こう側の笑意軒下方には三光燈籠がある。火袋だけの燈籠である。笑意軒は単層入母屋茅葺で軒は柿葺とされる。外側には六つの円窓忘れ窓がある。軒内の飛石と蹲踞は古風でよくできている。ここの引き手に櫂形(嘉長作)その他がある。
以上で桂離宮の建築と庭とを一応順覧したのであるが、くわしいことは一書を必要とするから省略のほかない。
(重森三玲「日本庭園歴覧辞典、昭和49年」桂離宮庭園より)

パンフレットなど
         


桂垣は桂川の堤防沿いの垣根で、敷地内に生えている竹を、根が生えたまま無理やり傾けて竹垣の上に乗せ掛け、葉の付いたまま編み込んだもの。
    


表門 (正門で、御成門)、丸太の門柱の間に、割竹を組んで造った両開きの門扉を取り付けたのみの簡素な門である。
  

穂垣は表門から通用門までの間に伸びる垣根である。頂部を斜めに削いだ竹の柱を等間隔に立て、間を穂竹でつないだものである。
  


北西の通用門(黒門、一般参観者用)あたり
           


参観者休所(展示物は撮影禁止)
     


離宮内に入ると御幸道 (御幸門と古書院を結ぶ)で石敷は「霰こぼし」と称し、青黒い賀茂川石の小石を敷き並べ、粘土で固めたものである。垣根の間から少し池庭が見える。
         


御幸道を通って御幸門へ
         


御幸門、手前脇にある方形の切石は「御輿石」と称し、天皇の輿を下す場所だという。
        


御幸門から表門を見る。
    


紅葉山の前から飛石伝いに進む。
               


外腰掛、- 松琴亭で茶会が催される際の待合になる。奥には板腰掛を設け、北端に飾り雪隠がある。
     


二重桝形手水鉢と石燈籠
     


外腰掛の向いの小山は「蘇鉄山」と称され、薩摩島津家の寄進という蘇鉄が植えられている。。
    


外腰掛前には延段(敷石道)が池の方向へ向かって伸びている。この延段は自然石と切石を混ぜたもので、笑意軒前の「草の延段」、古書院御輿寄前の「真の延段」、に対して「行の延段」と呼ばれる。
         


池の方へ、小さな石橋を渡るが、その上流に鼓の滝がある。ここらは一変して剛健な石組を
を見せる。
             


松琴亭が見えてきた。洲浜、滝、石組、石燈籠、石橋などを用いて景色が演出されており、松琴亭に属する茶庭(露地)として整備されている。
                               


松琴亭の手前の左は入江のようになっていて、鴨がいた。その上の待合は四ツ腰掛(卍亭)。
             


白川橋と松琴亭。橋を渡ったところには池中に数個の飛石を配した「流れの手水」というものがある。池水に直接手を浸して手水を使うという趣旨である。
        


松琴亭と周囲の飛石
                      

松琴亭からの景観
                         


土橋の方へ進む。この奥を蛍谷という。
        


対岸の七重層塔など
        

賞花亭
               


五輪塔水輪の鉄鉢形手水鉢
    

山を下り、書院方向の反り橋を右に見て進む。
                


園林堂
      


堂周りには黒石の雨落敷をめぐらし、それを横断する方形切石の飛石が打たれている。斬新奇抜なデザインである。
           


園林堂遠景
        


賞花亭下の反り橋あたりを振り返る。
      


雪見燈籠と梅の花
        


笑意軒が見えてきた。飛石伝いに近づくと、入り口付近に三角燈籠がある。
             


笑意軒
                   


天然石を用いた「草の延段」、蹲踞など
        


新御殿、楽器の間、中書院、古書院、月見台と並ぶ。
                           


さらに延段を進むと池畔に出て、大きな中島や、遥か天橋立を見渡す。
          


月波楼
                  


古書院御輿寄(玄関)と切石のみ使用した「真の延段」
        


中門は古書院御輿寄への入口となる。その外には黒文字垣(黒文字は樹の名称)がある。そして離宮入口に戻る。
          
 

 

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