JAPAN GEOGRAPHIC

京都府京都市左京区 修学院離宮

Shugakuin Rikyu(Imperial Villa)、Sakyoku,Kyoto city,Kyoto


Feb.8,2020 野崎順次 source movie

京都府京都市左京区修学院藪添

修学院離宮


修学院離宮庭園 江戸時代初期・中期・末期
上の御茶屋 池泉舟遊回遊式 中の御茶屋 流水池泉式 下の御茶屋 流水池泉式
今本離宮を、拝観の順に従って略述すると、まず下の御茶屋に入る。書院式の池泉回遊式で、上部から流れを導いて滝があり、下の池泉にそそいでいる。門を入るとそこの小池を蛍の泉という、袖形燈籠(飛雲閣のものと同形)があり、上ると湾曲閣址、蔵六庵、寿月観の書院式の御茶屋がある。正面の小滝や、飛石の景観が美しい。
ここを出て中の御茶屋に行く。北門から御成門に進み、楽只軒に入る。その前庭は上手に小滝を設け、ゆるやかな流れが続く。滝と流の扱いはなかなかよく上品にできていて女性的である。横手の崖地に組まれた石組は男性的で傑出している。ここは書院に見るべきものが多いが、略して上の御茶屋へ登る。
上の御茶屋は、なんといっても最高である。竹の門を入ると大刈込の山を登る。登るとそこに隣雲亭がある。ここから北方西方の景を眺望すると、まるで全山が離宮の庭の中にとけ込んでいる。ここでは諸山が借景ではなく、府下一円遠近の山が離宮の庭園に見立てられている。眼下の大刈込には何十種かの色とりどりの植栽を混植してあって、四季の景が豊かであり、下の浴竜池の景観がまた格別である。
隣雲亭を出て山寺型や滝見の石燈籠を一覧して滝を見て、山畔の小径を北東に進むと、土橋を左に渡って窮邃軒に登る。ここがまたまた眺望がよく、その左に千歳橋という廊橋がある。北に進むと紅葉橋のあたりから、右手の山畔紅葉谷の景がよい。ずっと左に回ると、止々斎の跡に出て、さらに大刈込のある堤塘に出る。このあたりから隣雲亭の景も美しく見られる。何分大池庭であり、老木が多く、春の桜、秋の紅葉、夏の涼、冬の雪景も、四季共に傑出している。
この離宮はまったく一緒の山荘であり、林泉本位である。多くの書院や茶亭には、それぞれの見るべきものが多いが、一々記述する余白がない。案内者の説明をよく聴いてほしい。
(重森三玲「日本庭園歴覧辞典、昭和49年」修学院離宮庭園より)

パンフレットと現地説明板
         

下離宮(下の御茶屋)
                                      


中離宮へ
          


中離宮(中の御茶屋)
                                                            


上離宮へ
          


上離宮(上の御茶屋)
                                                                                                   

 


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