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京都府京都市下京区 梅小路蒸気機関車館

(Umekoji Steam Locomotive Museum, Shimogyoku, Kyoto)

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京都市下京区歓喜寺町3 梅小路機関車庫 重文 近代/産業・交通・土木 大正 大正3(1914) 鉄筋コンクリート造扇形車庫、建築面積3870.57㎡、電動天井走行クレーン及び引込線を含む 20041210


Aug.2010 撮影/文 野崎順次

京都府京都市下京区観喜寺町

梅小路蒸気機関車館は、西日本旅客鉄道(JR西日本)が所有し、財団法人交通文化振興財団が運営する蒸気機関車の保存展示施設である。施設は、旧梅小路機関区の扇形庫及び転車台を活用した『蒸気機関車展示館』と、旧二条駅舎を移築・復元した『資料展示館』からなる。

この施設が開設されるきっかけとなったのは、1960年代後半から急速に姿を消していった蒸気機関車の動態保存を行うためであった。「日本の中央部」に立地していることと「周辺に名所旧跡がある」という観点から、1970年に梅小路機関区(当時)が保存機関区に正式に選定された。保存対象車両は原則としてその当時現存していたもっとも若番の車両(できれば1号機)を選定するものとして当初12形式が選定されたが、その後検討が重ねられた結果16形式17両が選定された。その中にはC62 2のように保存選定の過程で振替えられた車両もある。2006年にはJR西日本より旧二条駅舎(展示館)と扇形車庫・保存されている蒸気機関車一式・点検修理の工具一式などが、準鉄道記念物に指定された。

アプローチ、付近案内など

京都市有形文化財 旧二条駅舎

旧二条駅舎は、1904年に京都鉄道が本社社屋を兼ねて建設した日本現存最古の木造2階建和風駅舎で、景観に配慮しながら平安神宮を模して造られた。京都鉄道は1907年に国有化され、以後国鉄、次いでJR西日本の駅舎として利用されたが、1996年の山陰本線(嵯峨野線)二条駅 - 花園駅間高架化にともなって駅舎としての役目を終え、1997年に本館敷地内に移築・復元して玄関口として使用、内部は昔の切符売り場などを残し、資料展示館として活用している。

内部の展示

重要文化財 扇形庫と転車台

扇形車庫は、1914年に建設された現存する最古の鉄筋コンクリート造の建物である。2004年12月10日に5t電動天井クレーン(1915年完成)、引き込み線とともに国の重要文化財に指定された。同じ2004年に、土木学会選奨土木遺産に選奨された。内部は、機関車駐留場、整備などを行う器械場や職場などに分かれており、20線の引き込み線を持っており、現在でも車庫内では蒸気機関車の補修や修繕などが行われている。

内部の展示

扇形庫には、蒸気機関車17形式19両(開館当初は16形式17両)が収容・展示されている。開館当初は動態保存が原則であり、C53 45とC51 239の2両を除き15両に車籍があったが、その後保存対象車両の見直しが何度か行われ2008年現在、動態保存機は7形式7両となっている。うち、5形式5両は現在も車籍を有し、2両 (C57 1, C56 160) は、山口線の「SLやまぐち号」や北陸本線の「SL北びわこ号」など、本線上での列車牽引に供されている。

C11型64号機(昭和10年製造)

9600型9633号機(大正3年製造)

1070型1080号機(明治34年製造)

C62型2号機(昭和23年製造)

C55型1号機(昭和10年製造) 

C58型1号機(昭和13年製造)

D50型140号機(大正14年)

D52型468号機(昭和21年製造) 

C59型164号機(昭和21年製造) 

C53型45号機(昭和3年製造)

C51型239号機(昭和2年製造)

構内では「SLスチーム号」が走る。この客車(番号なし、2両)1990年に大阪府の鶴見緑地で開催された「国際花と緑の博覧会」で運行されたSL列車に使用するために製造された窓ガラスのないトロッコ風の客車である。

また、50系客車(オハフ50 68)が休憩室として利用されている。塗装や座席は原形のままであるが、車内に家庭用エアコンが設置され、裏側に配管と室外機が設置されている。またトイレは使用不可。その他、構内の風景。

参考資料

梅小路蒸気機関車館HP

ウィキペディア「梅小路蒸気機関車館」

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