京都府南山城村
Minamiyamashiro Village,Kyoto
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Sep.22, 2015 中山辰夫
木津川散策
京都府相楽郡南山城村大字大河原
琵琶湖線草津駅から柘植駅で関西本線に乗り換え、大河原駅で下車。東海自然歩道に沿って笠置大橋まで散策する。鄙びた道中は原風景が続いた。
スタートの関西本線・大河原駅がある南山城村は、京都府唯一の村で「自然が薫り 絆が生きる 自立するむら!みなみやましろ」を村の標語に掲げている。
お茶栽培に適した気候や土壌の南山城村では、約300haの緑の茶園ときらめく水面が癒しの場を提供している。(地図は東海自然歩道「関西周辺」より引用)
流れる木津川沿いに歩く。
木津川は、淀川の支川で、その源を三重、奈良の県境を南北に走る布引山脈に発し、笠置、加茂を経て山城盆地を貫通し、京都府・大阪市境付近で宇治川、桂川と共に淀川へと合流する流域面積1,596㎢、幹線流路域延長99㎞の一級河川である。
「大暴れの川・木津川」が記憶として先行するに対し、この流域の木津川は平穏でゆったりとした、流れさえ感じられない静けさを呈している。
大河原発電所
大河原駅から約15分歩く。163号線からわき道に入るとすぐにある。発電所は現在も現役である。
施主:京都電灯㈱ 1919(大正8)年建造□レンガ造□[本館]煉瓦造り2階建□[堰堤]石貼りコンクリート造り—約1km離れた所にある。
1951(昭和26)年の電力会社再編成によって、現在は,関西電力に引き継がれている。
地図を見ればわかるように,急流が大きく蛇行している部分をうまく利用して造られている。「地図の引用:近畿産業考古学会HP」
大河原発電所
京都府南部の奈良県と境を接する辺りには,木津川が東から西へ流れており.古来から陸路の要所であったことや,明治期,淀川水系へいち早く近代的治水が施されたため、明治以降、渓谷を流れる木津川の水流を利用した発電所が相次いで建設され,現在,京都府内にある6つの水力発電所のうちの4つがこの流域に集中している。 (高山・大河原・相楽・布目川各発電所)
大河原発電所は,堰堤,隧道,発電所などの施設が一体となって当初の姿を残していることから,貴重な産業遺産とされ、発電所本館と取水堰堤は土木学会から重要な土木構造物2800選として指定されている。京都の自然200選にも選ばれている。
柿しぶ—株式会社トミヤマ
相楽郡南山城村南大河原阿僧6−5
大河原大橋を過ぎた左側に工場がある。加工のシーズンが終了する時期であった。
展示室
何とも言えない風合い、柔らかさ、上品さ、ソッフト感、などに打たれスカーフを1枚衝動買い。久しぶりに喜ばれた。
いよいよ東海自然歩道に入る。 駅からすぐ近くにある木津川の沈下橋「恋路橋」はパスした。
南大河原集落に入る
恋志谷神社と天満宮
拝殿
本殿
神社は、吉野に下る後醍醐天皇を慕って京都から跡を追い自害した愛妾のために建てられた社。
二百十日の9月1日頃、地区の各家では「七度ゴオリ(垢離)」の行事を行う。木津川から拾った7石を天満宮社参詣後納める。その後、能舞台でオコモリし、神饌のモッソという円垂形の白飯をいただく。水垢離の名残りとみられ、五穀豊穣、風除けの祈願をする。
天満宮
東海自然歩道を進む。木津川の流れの音が心地いい。流れもまだ緩やかで、カヌーの練習が見られる。
恋志谷神社からは木津川左岸沿いに自然歩道らしい山道を歩く。曼珠沙華が咲く時期であった。方々の道端で華やいだ姿が見られた。
路傍には苔むした磨崖仏や石仏が祀られている。木津川の流れを竹林腰に見て歩く。
十一面観音磨崖仏
今にも崩れ落ちそうな重なりの大岩に彫られている。
木々の間から見える木津川の水面は静かで、波一つない。カヌーに最適のコースとなっている。
地蔵石仏
相楽発電所
相楽郡笠置町有市
木津川橋梁
相楽郡笠置町有市平畑飛鳥路小ぶけ
相楽発電所の直ぐ下流には、JR関西本線の木津川橋梁がある。石造りの下部橋脚の上に石・レンガ橋脚が乗っている。
潜没橋
鄙びた風情の山里−飛鳥路集落に入る−郷愁を感じる佇まいが見られる。山道を出ると眼下に現れる。
木津川には何本か沈下橋が架かっている。有名なのはJR関西本線大河原駅前に架かる恋路橋、石橋である。ネーミングは募集で決まったとか。
潜没橋も沈下橋である。この橋も雨が降れば水没する。生活道として利用されている。車も通れる。対岸は国道163号線である。
天照御門神社
飛鳥路集落の奥の方に、天照御門神社がある。ひっそりと奥まったところにある神社には、山の精霊を見る思いである。
布目川布目川上流へ向かう。布目川散策コースに指定されている。石がごろごろ転がっている川に沿って、道は続く。静かで雰囲気のよいスポットである。
案内
川中の様子が見えてくる。悪霊よけの勧請縄は見落とした。
甌穴(おうけつ)
布目川が木津川に流れ込む直前。岩盤だらけの河床に、いくつもの穴があいている。自然がつくる不思議な形の、甌穴(おうけつ)。
布目川の川幅一杯に広がっている河床は非常に堅い花崗岩質から形成されていて、広さは千畳敷?ありそうで所々に甌穴が散在している。
写真の甌穴は直径1.6m、深さ1.5mの円筒状でちょうどお茶の湯呑み茶碗の態をなしている。
河床を流れる水流で小石が岩床にからまり回転し、永い年月を経て掘り下げられ形成されたもので、数十万年から数百万年かけて出来たものと推定されている。
布目川発電所
布目川は発電所を過ぎて木津川と合流する。
関西本線が東海自然道の真横を走る。木津川の流れが美しく見える。傍の山道を歩いて木津川河川敷に到着する。
笠置大橋が見える地点に到着 大橋を挟んで、カヌーやオートキャンプを楽しむ人出で賑わっている。広さ約3万㎡の河川敷である。
久しぶりにゆっくり、のんびりとした散策を楽しんだ。月ヶ瀬も含め、この界隈は水と緑に溢れた地域である。
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