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三重県伊賀市 旧上野市庁舎

Former Ueno Municipal Office, Iga City, Mie

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Aug.30/Sep.6, 2025 野崎順次 source movie

三重県伊賀市上野丸之内116番地
旧上野市庁舎 SAKAKURA BASE
(Sakakura Base of the former Ueno Municipal Office, Iga City, Mie Pref)


市指定文化財

坂倉準三の作品群の中での伊賀市南町舎(旧上野市庁舎)
この現伊賀市南庁舎のみ、高さは丘陵側(北側)からは2層しかなく、周辺の環境を坂倉が読み取り、今から半世紀前に敢えて低層庁舎を提案している。低層でありながら市民ホールとなる1階は、高低差を利用して1.5層の豊かな大空間とし、2階は中庭を配した静かな空間を生みだしている点は、坂倉準三の多くの作品の中でも、他に例がない。特にその一階の市民ホールは、自然光を採り入れ、外部のピロティ空間を室内化した空間で、秀逸である。
ル・コルビュジェの作品として世界遺産に登録された国立西洋美術館(1959年)の設計に際しては、三人の弟子が実施設計を担い、パリから送られてきた図面をもとに、坂倉準三が建築(意匠)、前川國男が構造、吉阪隆正が設備の実務を行った。坂倉はル・コルビュジェのアトリエで、日本人としては最も長期間学び、ル・コルビュジェとアトリエの所員の信頼を得ていた。 そして、ル・コルビュジェの「人間のための建築」という基本理念と五原則(注6)の考えを、この現伊賀市南庁舎の設計に注ぎ込んだ。
(中略)
これらの作品群に、ル・ コルビュジェの思想を反映させ、市民が主役である戦後日本の風景をつくっていった。
(注6)ル・コルビュジエが提唱した新しい建築の五つの原則で近代建築の五原則とも言われる。具体的には「ピロティ」「自由な平面」「自由な立面」「独立骨組みによる水平連続窓」「屋上庭園」を指す。
(伊賀市南庁舎【旧上野市庁舎】再生計画、do.co, mo.mo._japan、2016.8.12.)

日本を代表する建築家 坂倉準三によって設計された「旧上野市庁舎」が伊賀市のにぎわい忍者回廊整備事業によって、【旧上野市庁舎 SAKAKURA BASE】として生まれ変わります。
2025年7月には観光案内所、物産販売所、カフェ、宿泊施設、2026年4月には新図書館が順次オープンします。
モダニズム建築の歴史を飾る建築物で、伊賀の歴史や文化に触れるひと時をお楽しみください。
1階 観光案内「伊賀市観光インフォメーションセンター」2025/7/19 new open
 物産販売所「伊賀百貨 Souvenir Shop」2025/7/19 new open
 カフェ「CROSS CAFE」2025/7/19 new open
2階 ホテル「泊船」2025/7/21new open
(伊賀市の公式観光ガイド「伊賀イド」)」

この建物の内外壁コンクリートの木目調仕上げは、正確には杉板本実型枠コンクリート仕上げといい、型枠の木目をコンクリートに転写する工法である。平滑な打放コンクリートよりも、温かみのある美しい仕上げをもたらす。

建物正面(東面)、コンクリートの列柱とスチールサッシで割り付けたガラススクリーンが印象的

                   

建物正面、逆の北から見ていく。

        

南面

        

西面を南から北へ、屋上の突起は旧消防署のホース干し台

           

北面、ホテルやカフェへの入口がある。地下へのコンクリート円形竪穴があり、らせん階段が付いている。立ち上がりは斫り仕上げ。

          

建物内部、外壁を同じく、木目調コンクリート仕上げである。

               

 

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