長野県長野市 北野美術館
(Kitano Museum of Art, Nagano City,l Nagano Pref.)
Category |
Rating 凡例 |
Comment |
General |
||
Nature |
||
Water | ||
Flower | ||
Culture | ||
Facility |
|
|
Food |
January 22, 2022 野崎順次 source movie
長野県長野市若穂綿内7963-2
長野県最大の建設会社である北野建設を経営する実業家・北野吉登が所有する収蔵美術品を、美術館を建設し、広く公開することにより、地域文化の向上に寄与したいとの趣旨により設立された。運営は公益財団法人北野美術館。
(中略)
美術館に隣接して、湯島天満宮(東京都文京区)から分霊された湯島天満宮信濃分社がある。北野建設が湯島天満宮に奉納した社殿で、境内には長野オリンピックの折に高円宮殿下・同妃殿下とIOCのサマランチ会長(当時)夫妻が植樹した白梅がある。
(ウィキペディア「北野美術館」より)
長野駅からバスで約40分、千曲川と犀川の別れ際を渡る。北西に飯縄山、南西に北アルプスが見える。
若穂支所に着き、約500m歩く。
西側の道路から入る。湯島天満宮信濃分社の奥に美術館がある。
パンフレット
美術館の建物はもちろん北野建設㈱の設計・施工である。
北野美術館庭園 現代 枯山水
本庭は昭和四十年九月に、著者の設計と現場指導によって完成したのであるが、美術館というものが、近年各地に建立されながら、庭園が設備されているものはほとんどなく、たまに設備されても本格的な庭園といえるものではない。
元来美術館は、館内に美術品を陳列して展観するのを目的とするのであるが、美術品を人々に観賞させるという目的のためには、その建築と庭園とを含めて、すべてが美術品であり、芸術品でなければならない。館内の美術品のみが美術品だとする多くの美術館博物館の類は、本来のものを忘れたものであり、全体としての構成に不十分なものがある。その点、北野氏はよいところに着目されたものといえる。
(中略)
美術館前庭は、面積約百四十五坪で、やや正方に近い枯山水である。北部から西部へかけての館の軒内の溝には紀州那智真黒の栗石を敷き、さらに本庭の四周には、丹波鞍馬の赤石を洲浜形に敷き詰めて、四周が回遊できると十個の青石を用い、これを七五三風に組んだ枯山水ともに、本庭を四方から観賞できるようにした。
これは一面実用性を考えた上で、さらに四方から庭園を観賞することは、作庭上困難であっても、ボリュームのある作庭となることを意図したものである。そしてこれらの洲浜敷石に対して、数ケ所に洲浜形の棒状青石を波形に打ち、さらに中央部苔地にもそれを行って、波打際の抽象表現とした。
中央部には北部から南部へと、南部から北部への長い出島を設け、クサツゲや苔を配した洲浜形の出島によって、地割の変化を見せたのであり、東部から南部への同じ洲浜の地割とともに、変化を見せつつ、躍動的な構成としたのであった。
そしてこれらの洲浜形の島には、東南角に特に大きい築山を用い、それに蓬莱式の巨石を多数組み、西部の出島にも石を組み、全庭が蓬莱式の庭園としての表現を中心として構成したのであった。そしてこれらの石組に対して老松数本を植栽し、または杉数本を用いたのみで、植栽は他に用いなかった。東と南の二方を土塀で囲って、抽象本位の枯山水とした点を観賞してほしい。
(重森三玲「日本庭園歴覧辞典、昭和49年」より)
北野美術館コレクション展のパンフレット、室内は撮影禁止である。
帰途の氷柱(つらら)
All rights reserved 無断転用禁止 登録ユーザ募集中