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長野県長野市 大室古墳群

(Omuro Tumulus Clusters, Matsushiro, Nagano city,Nagano)

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Aug.2013 瀧山幸伸

 


Aug.2012 瀧山幸伸 source movie

A camera

B camera


撮影/文:野崎順次

撮影日: 2007年9月

長野県長野市松代町大室

大室古墳群は、松代町大室を中心として分布する約500基の古墳群の総称です。

大室古墳群の特徴は、積石塚の多さや、合掌石室の存在、そしてそれらの古墳が密集していることです。

大室古墳群がつくられ始めた5世紀代の日本には、朝鮮半島からやってきた渡来人という人びとがいたことがわかってしますので、渡来人たちが故郷のお墓を大室につくった可能性も考えられます。

長野県は、馬具という馬につける道具を出土する古墳がとても多く、大室からも数多く出土しています。

平安時代の「延喜式」という書物には、大室に馬を飼育する牧場があったことが書かれていますので、大室古墳群をつくった人びとと馬との関係を想像することができます。

つまり、馬を飼育する最先端の技術をもった朝鮮半島からの渡来人たちが、大室で馬の飼育を始めたと考えることができます。

その後、しだいに渡来人たちの技術を教わった地元の人びとも馬の飼育を手伝うようになり、約500基もの古墳がつくられたのではないでしょうか。

石を積みあげて墳丘をつくった積石塚は、きわめて特異な古墳といえます。

日本全国で1500から2000基ほどありますが、これは15万から20万基といわれる古墳総数の1%にすぎず、他はすべて盛土墳丘の古墳です。

しかし長野県全体では約25%が積石塚と土石混合墳の古墳であり、長野盆地全体では約60%、大室古墳では約80%という高い比率になります。

このようにきわめて特異な古墳が大室に集中しているのです。

積石塚と同じように、合掌形石室もまためずらしい古墳の埋葬施設です。

天井が三角屋根型の石室は日本全国で40基ほどありますが、福島県に1基、山形県に2基以外は長野盆地に集中しています。

そのうち大室には約25基もあるのです。

(大室古墳館DATA)

JR上田駅で長野電鉄屋代線に乗り換え、大室駅下車、さらに徒歩約20分。

古墳分布図と航空写真複写

古墳群の始まりは最大規模の将軍塚。山頂に向かって、左側の散策路を上る。

史跡頂上「ドウサン」からは反対側に道を下る。積石塚が続く。

合掌形石室の代表例、168号墳。

帰途。

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