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奈良県明日香村 上宮寺

(Joguji Temple, Asuka Village, Nara Pref.)

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 General
 
聖徳太子ゆかりの寺
 Nature
 
壮大な眺望
 Water    
 Flower
 
 
 Culture
 
鎌倉石塔
 Facility
 
 Food
 


October 30, 2021 野崎順次 source movie

 

奈良県高市郡明日香村上居587
仏生山 上宮皇院 上宮寺

石舞台古墳の東の高台に上居の集落と上宮寺がある。現地説明版には、

「上居と書いて「じょうご」と読む。由来に諸説あるが、大和方言で高所の集落を意味する上居(かみい)と関係があるようだ。岡の集落から多武峰に通じる西多武峰街道に沿った集落で、青年の聖徳太子が馬でよく上居を走り回られたという言い伝えが残る。坂道を上ると、上宮寺(じょうぐうじ)があり、寺の裏手から眼下に石舞台をはじめ壮大な景観が広がる。」

『上宮寺 寺号は「仏生山 上宮皇院 上宮寺」。聖徳太子生誕の地とされる橘寺は「仏頭山 上宮皇院 菩提寺」だから、上宮寺も皇室との関係が深かったと伝えられている。寺伝によると聖徳太子上宮の地という。境内に鎌倉様式の宝篋印塔、層塔などがある。上宮寺裏手高台からの眺望は抜群。』

上宮寺は無住の寺のようだ。唯一ある建物は書院。
    


宝篋印塔 鎌倉時代後期 花崗岩、高さ151cm
寺の境内にあり一番先に目に入る。相輪が折損している。塔身、二重円光背を彫りくぼめ、蓮座上に顕教四方仏を刻む。笠は、下二段、上七段、隅飾は比較的背が低く二弧輪郭付で内は無地。基礎は上端二段、側面は四面とも無地
     


その他石造物
    


石造層塔 鎌倉時代中期 花崗岩 高さ213cm 現在五層
層塔は、現在五層で相輪は欠損している。初層軸部、舟形を彫りくぼめ蓮座上に顕教四方仏を刻む。初層の屋根石は当初のもの。上四層は、別物の可能性があるという。
    


六字名号板碑 桃山時代 天正十一年(1583) 花崗岩 高さ106cm
  


書院奥庭の二つの宝篋印塔
   


宝篋印塔 鎌倉時代中期 花崗岩 高さ170cm
書院奥庭の手前にある。塔身が「奈良県史 7 石造美術」の写真では顕教四仏だったが僧形の人物が陽刻されたものに替わっている。笠の段形は、下二段、上七段(通常六段)、隅飾は小さく一弧で素面。他の部位に比べ大きく感じる。基礎は素地、上部の段形は別石で二段。
相輪は九輪の最上輪と請花が欠けた形で違和感がある。
     


宝篋印塔 鎌倉後期、花崗岩、高さ131cm
塔身は、当初の顕教四方仏ではなく、近年に取り替えられたと思われる。相輪が半ばで欠損し、塔身は無地で近年の後補と思われる。基礎上端は二段で、側面は無地。
    


奥庭、墓地の石造物(いわゆる飛鳥の鉢巻き石を含む)
         


上宮寺裏の墓地からの絶景、西を見ると、石舞台、橘寺、川原寺跡から、畝傍山、二上山と見渡す。
       


西南から南の方には、阪田、稲渕の棚田、その中に都塚古墳が見える。
      


集落最高所の住宅
      


帰途、棚田を見つつ南から西にうねり、石舞台に降りていく。
                    


参考資料
河合哲雄「石仏と石塔」ウェブサイト


January 7, 2017 野崎順次 source movie

奈良県高市郡明日香村上居587

仏生山上宮皇院 上宮寺

石舞台古墳の東に高台に上居の集落と上宮寺がある。現地説明版には、

「上居と書いて「じょうご」と読む。由来に諸説あるが、大和方言で高所の集落を意味する上居(かみい)と関係があるようだ。岡の集落から多武峰に通じる西多武峰街道に沿った集落で、青年の聖徳太子が馬でよく上居を走り回られたという言い伝えが残る。坂道を上ると、上宮寺(じょうぐうじ)があり、寺の裏手から眼下に石舞台をはじめ壮大な景観が広がる。」

『上宮寺 寺号は「仏生山 上宮皇院 上宮寺」。聖徳太子生誕の地とされる橘寺は「仏頭山 上宮皇院 菩提寺」だから、上宮寺も皇室との関係が深かったと伝えられている。寺伝によると聖徳太子上宮の地という。境内に鎌倉様式の宝篋印塔、層塔などがある。上宮寺裏手高台からの眺望は抜群。』

   

上宮寺は無住の寺である。唯一ある建物は書院らしい。

        

宝篋印塔 鎌倉後期 花崗岩、高さ 151cm

塔身、二重円光背を彫りくぼめ、蓮座上に顕教四方仏を刻む(阿弥陀如来)

       

石造層塔 鎌倉中期、花崗岩、高さ 213cm、現在 五層

          

宝篋印塔 鎌倉中期、花崗岩、高さ 170cm

塔身が以前には顕教四仏だったらしい」が僧形の人物が陽刻されたものに替わっている。

                

宝篋印塔 鎌倉後期、花崗岩、高さ 131cm

塔身は、当初の顕教四方仏ではなく、近年に取り替えられたと思われる

           

その他境内

           

上宮寺裏の墓地からの絶景、西を見ると、石舞台、橘寺、川原寺跡から、畝傍山、二上山と見渡す。

         

西南から南の方には、阪田、稲渕の棚田、その中に都塚古墳が見える。

          

石舞台を見下ろす。

    

集落の最高所の大邸宅

         

大邸宅から春日神社に上る途中のビューポイントから見る。

      

帰途、棚田を見つつ南から西にうねり、石舞台に降りていく。

                   

参考資料

河合哲雄「石仏と石塔」ウェブサイト

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