Monthly Web Magazine (Jan. 2010)
■■■ 「言葉のあぶく」セレクション 野崎順次
10年くらい前から、おもしろかった話や、ふと思いついたことをメモしてます。その中で比較的最近のものであまり「ブラック」でないものを選びました。
・ 祖父の好きな言葉は聖徳太子の「以和為貴」で、生前に色紙に書いてくれた。ある娘に読ませると、「和をもって..........貴方のために」。でもその方が良さそうな気もする。
・ お袋の耳がすこし遠くなってきた。「昨日BSでしてたザッツ・エンターテイメントの映画なあ.......」と云うと、「エンタツは私の生まれた町のわりと近くに住んでたのよ。」
・ 福岡に出張して小倉まで車で行ったが、地名の読み方の違いに気がついた。 志免(しめ)、清水(そうず)、神田(じんでん)、上野(あげの)など。
・ 井上ひさし著「国語元年」のNHKドラマを見た。 20年くらい前の再放送である。 主人公の石田えりがピチピチである。それはともかく、国語の統一を図る役人(長州出身)とその妻(薩摩出身)の言葉も違う。妻役のちあきなおみがおっとりとして、薩摩弁で、「ちんぼ、ちんぼ(徐々に)」、さらに続けて、「ちんちん(ゆるゆると)」と言う!NHKで!
・ NGKと言えば、世界最大の碍子メーカー、日本ガイシ㈱の略名である。名鉄鳴海駅の近くで照明灯のポールにNGKとの表示があるので、近くに営業所でもあるのかなと思ってよく見たら、鳴海街路灯組合の略名だった。ちなみに吉本新喜劇でNASAというとアメリカ航空宇宙局ではなく、中村サツマイモ店の略である。
・ 今朝、駅への道を歩いてたら、上空では大きな雲群が東にゆっくり流れ、下空では、ちぎれ雲が反対の西に早く飛び、地上では南風が吹いていた。
・ 友人は愛犬家である。 田舎の家に車で帰るときも同乗させた。その帰りの話である。行きは奥さんもいたが、帰りは犬だけ、いつもは3時間程で帰るのに異常な渋滞に巻きこまれ7時間もかかった。家に近づくと犬が嬉しがって騒ぎ出した。 家に着いていったん一人で車から出たとき、犬が前足で窓の下をたたいてロックしてしまった。車のキーは刺したままでそのキーに家の鍵も付いている。あわてたがどうしょうもない。 遅かったが隣の家に声をかけて、電話を借りJAFに連絡した。そして車のところに戻るとまだ犬が窓の下をたたいており、偶然窓を開けるボタンに触れたのか、窓が半開きになっていて、ドアを開けることが出来た。JAFをキャンセルしたのは云うまでもない。
・ 英国のあるパブのトイレに書いてあるそうだ。私たちはビールを売っていない、貸しているだけだ。飲んでも直ぐに同じパブのトイレに出してしまうから。
・ JR芦屋近くのグラタン専門食堂の張り紙の中から、、
スタッフ 「ジントニックは?」
主人 「ジンをトニックで割るねん。」
スタッフ 「ジンをライムで割ったら?」
主人 「ジンライム。」
スタッフ 「じゃー、このグラスを割ったら?」
主人 「お前の呼び名が元スタッフになる。」
・ いつも550円の焼き飯を食べる中華料理屋のウエイトレスがおばあさんから超おばあさんに変わった。よぼよぼして足下も怪しい。 店の主人もこちらもハラハラしてる。食べ終わってレジに行くとき、主人が大きな声で「焼き飯550円有難うございました。」とわざわざ叫んだのに、おばあさんは夢を見ているような顔で「800円です。」と平気で間違う。主人もこちらもこけそうになった。
・ 米映画「めぐりあう時間たち」の字幕スーパーDVDを見た。ニコール・キッドマン扮するヴァージニア・ウルフがお姉さんに「ねえさん」と呼びかけ、字幕も「姉さん」と表示された。字幕スーパーなのに日本語が出てきたのかと驚いたが、お姉さんの名前が「ネッサ」だった。
・ ツバメは稲に付く害虫を食べるので益鳥とされている。ところが、最近はそのような虫が少なくなって、ツバメはミツバチまで食べ出したという。今や、ツバメは害鳥?
・ 腰がこったときに、家にあった野球の硬球の上でゴロゴロすると気持ちがよい。もう一つあったら両サイド同時に出来るので購入することにした。バスケットのボールなら、バスケット・ボールを下さいですむが、野球の場合は意外に難しい。野球を下さいではすまない、やはり、野球の硬球を下さいと云わねばならない。すると店員が、試合球ですか、練習球ですかと聞いた。試合球は¥1,100位、練習球は¥720。 結局、練習球を買った。
・ ある造船所で大きな鋼製箱に「やせるゴミ」と書いてあった。ダイエットブームだなあと思って、右に動くと見えなかった漢字が見えて、「燃やせるゴミ」だった。
・ 俳優の佐藤B作は本名の方が面白いと、萩本欽一が云ったそうな。本名はさとうとしお、「砂糖と塩」と読める。
・ 長崎のおでんの屋台で、「ばってん」 は「しかしながら」 という意味ですかと主人に聞くと、「ばってんは but じゃ。」と言っていた。 ひょっとしたら、本当に外来語?
・ 東京へ出張したとき、朝、阿佐ヶ谷の駅付近で「阿づ満や」という鰻屋さんの広告看板を見て、晩に食べに行こうと電話番号を控えておいた。昼前に靖国神社の近くで、おいしそうな鰻屋さんを見つけたので、鰻重を食べることにした。非常においしかったので、店の名前を覚えておこうと箸袋を見ると「阿づ満や」とある。 店の人に聞くと、何と、阿佐ヶ谷の店は先代の店とのこと。全く偶然のことで驚いた。
・ 英国人と話していて、これは昨日したのか、今日するのかと聞かれて、「Yes, today」と答えたが、相手には「Yesterday」と聞こえてしまった。
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