Monthly Web Magazine (Mar. 2010)
■■■ 「春を見つけに」 川村由幸
今年の冬は、東京でも雪の降った回数も多く、寒く感じられます。
地球温暖化の傾向に変化があったわけではないでしょうが、寒い冬で熊同様に動きが鈍くなっています。
でも、立春が過ぎ三月の声も聞こえようかというこの頃。
日差しの明るい週末にご近所を春を探して散歩などと気取ってみました。
私の住まいは柏市でも利根川にとても近いところで、少し歩くと利根川の土手にたどり着きます。
土手は、当然ですが周囲に高い建物がなく私の住んでいるところでは川と反対側の斜面の日当たりが最高です。
最初に見つけたのは「タンポポ」、セイヨウなのか在来のカントウなのかそれとも混血なのかはよくわかりませんが。
まわりの草はまだ茶色なのに存在を主張していました。
次は「仏の座」、葉の形がこれに似ているところからの命名です。
仏の座と言っても、春の七草の「ほとけのざ」ではありません。この仏の座は食べることができません。
学名はラミウムというのだそうで、「喉のような花をつける」という意味だそうです。
これが田圃一面に咲くとレンゲがさいているように田圃がムラサキ色に染まります。
とても小さい花でマクロモードでないと撮影できません。小さな小さな春です。
続いて、名前を調べてびっくり、「オオイヌノフグリ」です。意味の説明は必要ありませんよね。
イヌノフグリという野草もあるようで、このオオイヌノフグリより花が小さいようです。
オオイヌでも十分花は小さいのですが。
ここにはもう一つ、春が写っています。
そう、テントウムシです。これで花の大きさもご理解いただけるでしょう。
実はこの花、虫媒花ですが、受粉できなかった花は、夕方になると雄しべが立ち上がり、雌しべに自分の花粉をこすりつけます。
つまり、自家受粉。究極の近親交配をするそうです。
おかしな名前と不思議な交配をする春です。
最後に月並みな春です。
もちろん白梅も咲いていましたが、青空をバックにした紅梅が美しくこちらを選択しました。
水仙は春というより冬の終わりの花でしょうか。
まだ、春は目立ちません。でも目を凝らすとあちこちに春の兆しが動き始めています。
そこに小さな新しい発見があるかも知れません。
是非、目を凝らして歩いてみてください。
桜のつぼみはまだまだ固いようです。
これが膨らみだせばこの寒さも終わりを告げるのでしょう。
花の季節まであと少しです。
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