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Monthly Web Magazine (June 2010)

■■■ 「驚く人形」 野崎順次

今年の2月に紹介した瀬戸大橋架橋記念の広場で、隣接する記念館とともに建設21年後の昨4月に閉館した。

ここは「橋の町」倉敷市児島で、海に近く、塩分の高い土地は米作に適さず、伝統的には綿と塩の町だ。

塩業は続いているが、原料は輸入岩塩だし、独占的な専売公社制度が薄れたので、昔の勢いはない。

綿は、足袋から学生服と全国的に圧倒的なシェアを誇ったが、時代の流れと低価格の輸入製品により衰退の一途をたどり、今は高級ジーンズで巻き返し中である。

橋の広場は解体中で、30体あったマネキン風人形も1体だけ残って、ひたすら驚いている。

平成23年中旬に新たな「仮称 児島市民交流センター」として生まれ変わる予定であるが、この人形1体だけでも過去の遺物として残しておいたらどうだろう。再び驚くこともあろう。

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