MONTHLY WEB MAGAZINE Aug.2011

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■ 「となり町散歩 野田市」 川村由幸

私の住んでいる千葉県柏市は我孫子市・松戸市・野田市・流山市・印西市・鎌ヶ谷市・白井市の七つの自治体に囲まれています。

松戸市と印西市は取材にでかけたことがあるのですが、それ以外の5市には出かけたことがありませんでした。

そこで、今回その中のひとつ、野田市の取材に出かけて見ました。

ご存じのとおり、野田市は醤油の町、キッコーマンのまちです。千葉県の最北端、茨城県と埼玉県にはさまれた細長い形をしています。

この野田市には国指定重要文化財が3件、登録有形文化財が6件あります。

文化財もキッコーマンの茂木家のかかわりが色濃く反映されています。

そのうち重要文化財1件と登録文化財2件を取材しました。

最初に紹介するのは、旧花野井家住宅。

もともとは流山市にあったものを現在の場所に移築したもので17世紀後半のもののようです。

周囲はよく整備され、掃除も行き届いていてとても気持ちが良いのですが、肝心の文化財の痛みが進んでいます。

茅葺屋根の痛みがひどく、すぐにでも修繕が必要のように見えます。

このままでは近いうちに雨漏りということになり、貴重な文化財が守れなくなりそうです。

残りの2件の登録文化財はともにキッコーマンがらみです。

興風会館は 野田醤油(現キッコーマン)が社会貢献を目的に設立した興風会の活動拠点として昭和4年に竣工しました。

キッコーマン本社の横に建っています。残念ながら車をうまく駐車できず、ゆっくりと取材ができませんでした。

中にも入って撮影したかったのですが残念です。大講堂等あり一見の価値がありそうです。

今も現役で利用されている建物です。

野田市民会館は元々茂木佐平治邸で大正13年頃に完成。昭和31年に野田市に寄贈され市民会館として利用されています。

和風庭園と茶室も素晴らしいもので、自由に見学ができるのも市民会館として利用しているためでしょうか。

建物の内部も窓ガラスがゆがんでいたりして、大正ロマンが満ち溢れています。

訪問した時も市民グループと思われる方々が会議を開催されていました。こんなところに自由に出入りが出来、ゆったりした時間を過ごすことが出来る野田市民は恵まれています。これもキッコーマンのおかげでしょうか。

野田市にはこれ以外にも高梨氏庭園や茂木家にまつわる文化財が多くあります。

もう一度取材に出かける価値があると考えています。

きっと、まだ取材に出かけていない近隣の自治体にも取材に値する文化財が多くあるのだろうと思います。

そんな文化財を見つけて取材し、記録を残してゆくことも大切なことでしょう。

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