MONTHLY WEB MAGAZINE Sep.2011
2011年8月27日、この日は兵庫県加西市北条町で石仏をできるだけ多く見て回りたいのですが、夕方前には倉敷市の田舎の家で用事があります。
幸か不幸か、マイカーも免許も持っていないので、旅はJRか私鉄の電車頼みです。
今回はJR加古川線粟生駅と北条を結ぶ北条鉄道が1時間に1本しか運行していないので、行きも帰りも乗り遅れないようにしなければなりません。
また、道に迷うと時間のロスですから、ロケーションの把握が大切です。
石仏がお寺にある場合は正確な住所が分かるので調べやすいのですが、路傍の場合はピンポイントで地点を知っておく必要があります。
事前にネットで各種訪問記を読み、MapFan、Googleマップ(地図と航空写真)、Yahoo地図で二重三重に調べました。
事前に位置特定が困難だったのは、玉野石仏と朝妻墓地でした。
前者は玉田医院の南方200m、後者は朝妻公会堂の裏手ということが最も正確らしい情報でした。
午前6時半に兵庫県尼崎の家を出て、阪急神戸線、JR神戸線、JR加古川線、北条鉄道を乗り継いで、午前9時7分に北条町駅に着きました。
帰りの電車が12時42分に出るので、手持ち時間は3時間半です。
いよいよ行動開始です。道に迷わなければ、少なくとも5か所は回れるはずです。うまくいけば7〜8箇所も。
09:07 北条町駅着、キャリーバッグを観光案内所に預かってもらう。
09:15 電動レンタサイクルを借りて出発
09:22 羅漢寺到着、前回の撮り残し、撮り直しなど写真42枚、ショートビデオ3本撮影
09:33 出発
09:35 小谷石仏到着、15枚撮影
09:45 出発
10:07 山伏峠石仏到着、28枚撮影
10:13 出発
10:20 玉野薬師堂到着、20枚撮影
10:25 出発
10:30 玉野石仏到着、写真21枚、ショートビデオ2本撮影
10:35 出発
10:43 朝妻墓地到着、32枚撮影
10:49 出発、途中でスポーツドリンク500cc補給
11:09 大日寺到着、28枚撮影
11:13 出発
11:19 春岡寺到着、16枚撮影
11:21 出発、途中のコンビニで冷たい麦系飲み物850㏄補給
11:48 玉丘史跡公園着、30枚撮影
12:00 出発
12:15頃 北条駅着
12:42 電車で北条駅を出発してJR粟生駅を経由してJR加古川に向かう。
今回、北条町に滞在した時間は3時間35分でした。その内訳は、行き帰りに駅前あたりにいたのが計35分、石仏観賞撮影が計61分、自転車走行が計119分です。
平均すると1箇所に6分間いて20枚の写真を撮影しています。自転車に乗っていたのは約2時間で走行距離は約20㎞でした。天候は晴れ、気温は33℃くらいで暑かった。
かなりあわただしい行程ですが、順調に回れ、最後には予定になかった玉丘史跡公園にも行くことができました。
効率よく回れた理由は、
事前調査が充分で大きく道に迷わなかった。当日の勘もさえていた。
独りだった(困った時に自己責任で即座に意思決定できる)。
三脚を持っていかなかった(羅漢寺では使用禁止)ので素早く手持ち撮影できた。
被写体(石仏)が小さいので、アングルに迷いなく撮影できた。
電動サイクルは楽で、特に上り坂が苦にならなかった。
北条駅前にコインロッカーが無く、パソコンや書類を入れたキャリーバッグを観光案内所で預って貰いました。
そのお礼という訳ではありませんが、帰りに「加西市史別巻 加西の石仏」2000円を購入しました。
早速、五百羅漢の記述を読みましたが、「誰がいつ作ったか分からない幻の素朴な石仏たち」というよくある観光文句ではなく、石仏の構成や製作年代について合理的な説明があり、やはり専門家は違うと感心しました。
ただ、五百羅漢の中核となる釈迦三尊など五尊像などの製作年代が慶長16〜17年(1611〜1612)銘で明らかに江戸時代初期なのに、桃山時代となっていました。
「徳川家康が征夷大将軍に任命されて江戸幕府を開いたのが慶長8年(1603)ですから、江戸時代初期とすべきではないでしょうか。」と加西市史編集室に問い合わせました。
その後、加西市市史編集室を通じて執筆者の先生からご丁寧なお返事をいただきました。
「さてお問い合わせの件ですが、一般に歴史の時代区分は1603年からが江戸時代とされていますが、美術史では大阪城落城の1615年までを桃山時代としています。従って歴史で言うところの安土桃山時代はなく、室町幕府の崩壊から大阪夏の陣までを美術史で桃山時代と呼んでおります。」
また、今後のために昭文社の都市地図「加西市」を購入しましたが、今回行ったところだけでも、山伏峠石仏の位置が200mほど西の山中にぶれていたり、大日寺が大日庵と誤記されていたりして、信頼性に欠けるようです。
最後に反省事項です。やはり、三脚は必要です。ビデオ撮影をもっと意識しましょう。そして、ゆったりと観賞してからおもむろにカメラに手を伸ばそう。
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