MONTHLY WEB MAGAZINE Sep.2011
■ 北海道の秘境湖に暮らすナキウサギ 瀧山幸伸
この夏休み、重苦しい話題から逃れ大自然に癒しを求めたいと思いました。大震災騒動で打撃を受けた観光業に少しでも貢献できるようにと、北海道と東北を回りました。
北海道では、「秘境湖」なるものをメインの訪問先に選びました。その秘境湖、三本指に入るのは、オコタンペ湖、豊似湖、東雲湖だそうです。
これらの湖は、通常の観光客を寄せ付けない立地に護られ、素晴らしい生態系が残っています。湖水と自然景観の美しさは言うに及ばず、魚、草木、陸生動物、鳥などの森羅万象が清らかで生き生きと美しく輝いています。
豊似湖と東雲湖はナキウサギの生息地です。残念ながら豊似湖では巡りあえませんでしたが、東雲湖では、自然に溶け込むように静かに2時間近く待ち、ようやく2匹のナキウサギに対面できました。写真では鳴き声を出す瞬間しか捉えられませんが、ハイビジョンビデオでは愛くるしい動きと鳴き声が記録できました。大雪山のナキウサギ生息地はヒグマの繁殖地ですのでとても危険ですが、こちらはやや低い危険度です。それでも訪問はおすすめしません。
安易な訪問の筆頭は、やはり知床でしょうね。カムイワッカの湯の滝壷に入浴し、運よくヒグマが出没しなければ知床五湖全てを散策でき、クルーズ船も運がよければヒグマとオジロワシに出会えるということで、安易過ぎますが十二分に自然にふれあえます。
そして、イザベラ・バードの「日本奥地紀行」に登場する樽前山は、アイヌ文化という点でも、天然記念物の三重式火山という点でも別格の大自然です。
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