MONTHLY WEB MAGAZINE Mar.2012

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■■■■■ 私のカメラ用リュックサック 野崎順次

登山やハイキングの時に背中に背負う袋状のものを、かつては誰もがリュックサックと呼んでいた。

語源はドイツ語の「ルックザック (Rucksack)」で、「背中袋」の意味。

大日本陸軍では背嚢と訳された。その後、北米から「バックパック」という言葉が日本に入ってきたが、これは明らかにドイツ語の「ルックザック (Rucksack)」の直訳である。

その後、小さなものはナップサック(原語では大小に関係ない)またはデイパック、大きなものはザックと呼ばれるようになったようだ。

いずれにしても、私はリュックサックという呼び方が伝統的に正しく時代錯誤には至っていないと結論したい。

私は車を運転できないので、撮影機材をリュックサックに背負って出かける。

何やかやで8㎏前後になる。特に上り坂とか疲れて(酔っぱらって)帰る道には応えるので、背負いやすいリュックサックが極めて重要である。

特によく使っている3種類について紹介する。

(a) 米国 ザ・ノース・フェイス社のリーコン(Recon)30L (made in Vietnam)

(b) ニュージーランド マックパック社 テカポ(Tekapo)25L 

(c) 米国 ナショナルジオグラフィック 中型バックパック (made in China)

現在最も気に入っているのが、(a) リーコンである。

形状はスタンダードなD型で、背負ってからチェストストラップを留める。

4〜5kgまでならこれ充分だが、さらに重い場合はウエストストラップを留める。

当たり前の話だが、両ストラップ共に長さ調整可能でバックルをパチンと止める。

中央のでかいメッシュポケット、両サイドのボトルメッシュポケット(三脚と雲台を収納可能)もいい。

昨年の夏ころ、日本のメーカーがよく似た対抗商品を出して日本人の体形にフィットした国産品として1割くらい高く売っていたが、最近は40%引きに値下げして敗退したようだ。

ユニークなのはその上のジップポケットで、多目的ナイフ、眼薬、バンドエイド、ボールペン、保湿ハンドクリームなど入れておける。

第2コンパートメントはボールペンや小型ダイヤリーを入れるオーガナイザーというポケットシステムがあるが、へなへなして使いにくい。但し、ジッパー付きポケットは貴重品用に便利である。

メインコンパートメントにはB5サイズのパソコンやA4サイズの書類が入れて固定できる部分もある。また、底が広くゆとりがあるので、撮影機材を粗雑に収納しやすい。

2番目に好きなのが、マックパックのテカポ25Lである。

ハイブリッド素材「アズテック(AZTEC)」が使用されて耐久性抜群である。

一般的にナイロンの耐水性を高めるために使われるポリウレタンコーティングではなく、ポリエステルとコットンの混紡と特殊なワックスを使って長期酷使に耐えうる耐水性を実現しているという。

個人的にも、同じ素材の小型の製品(いわゆるティアドロップ型ディパック)を10年以上使っている。

実にタフである。このテカポは上下に少し大きいが、厚みが薄くコンパートメントが一つなので、機材の出し入れが手間という難点がある。

見かけの割に容量は25Lと控えめである。目的地までまっしぐらに進み、リュックサックを投げだして、カメラ2台で撮りまくると言ったような状況に適している。メッショポケットが両サイドと中央にある。

最後にナショジオ(NG)の中型カメラバッグは最も高価である。

容量はうまく収納して30L程度と思われる。

「ナショナルジオグラフィックの探究心と環境保護の精神が反映されています。……バッグ本体には、麻や綿などの天然素材をはじめ、アンティーク加工を施した真鍮製のバックルなど、環境に配慮した素材を使用しています。」というが、使いにくく背負っていてフィット感が劣る。

各種ストラップにバックルが使われていないので、だるい。

ウェストベルトもなく、自分で黒いベルトを付けて見て少し良くなったが、まだ不満足である。

耐水性はないので、雨の日にはナイロンカバーが必要である。

でも、肌触りがよく「ナショジオブランド」がかっこいいので、晴れた日の大都会でのお買い物にたまに使う。

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