MONTHLY WEB MAGAZINE Apr.2012

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■■■■■ 日光彫その2 田中康平

先日日光彫の受講生一同のささやかな作品展があり私も昨年から今年に彫ったものを6点ばかり出品しました。

日光彫をはじめてみると日光の街には伝統工芸を支える技が連綿と存在しているのを感じます。

日光彫は桂やトチノキを素材として加工された木地に図柄を彫りこみ、彫りあがったものは通常ポリウレタン塗装に出します。

講座で教わる日光彫は日光彫といっても製品となる一連の工程の中で彫る部分だけを行うことになります。

講座の開かれているすぐ近くには木地の部分を加工してくれる工場があり、塗りもここでやっているようです。

ポリウレタン塗装でも水研ぎという下地の色を研ぎだす手法もやってもらえ十分美しいのですがやはり漆塗りが気になります。

木彫りの里の近くにうるし博物館というのがあって訪れてきました。

小西美術工芸という漆塗りの会社が冬期を除き開いているものですが、中尊寺の柱の修復も手がけており工程を示す展示とともに作品の展示がありました。

おわんの塗りだけで15ステップくらいあるようです。

漆は勿論日光彫などよりはるかに歴史が古く日本の工芸品の根本をなすもののように見えます。

これを個人でやってみるのは手ごわそうです。

博物館で聞いてみると、うるし塗りを教えてくれるところは日光では個人的に行われているのみのようで、簡単なおわんを塗れるようになるまででも数年かかると話してくれました。

どうにも塗りはお手軽にいかないようです。漆工芸は個人でやる程に生易しいものではなく、会社としてつないでいくしかないのかもしれません。

漆を扱っているという宇都宮の大きなホームセンターに行ってみると、とにかく下塗りのように塗るだけならスタートできるキットはあるようで、さてどうするか、小物入れの木地だけ買ってきて眺めています。

こんなことを思案しているだけでも古から伝わっている技術を引き継いでいく努力に色々な形で触れることができて面白いものがあります。

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