MONTHLY WEB MAGAZINE July 2012
■■■■■ 氷河の眺め 田中康平
2年ほど前の夏、カナディアンロッキーを旅した時、山岳氷河の眺めに圧倒されることがあり、今度は7月の初めにアルプスの氷河に向かうことにした。
天候はイギリスに下りて来た北の寒気とアフリカからの暖気がちょうど欧州の中央でぶつかり合って不安定な状態を作りだし毎日いくばくかの雨は降って、いいとは言えない。しかしこれが自然そのものだと受け止める。
ユングフラウヨッホの展望台から湧き上がる雲の切れ間にアイガーとユングフラウを結ぶ稜線から流れ出るアレッジ氷河を覗き見る。
カナディアンロッキーとは違う流れるような氷河の眺めは素晴らしい。
アイガー北壁の横を流れ落ちるアイガー氷河の迫力も圧倒的だ。
アイガーからマッターホルンのエリアに移る。
ゴルナーグラード展望台から眺めるモンテローザから流れ出るゴルナー氷河の流れは見事だ。
スケールが巨大だ。写真にとても写し込めない。天気が少々悪くてもそんなものは論外に押し出してくる存在感がどうしようもない。見るしかない風景というものを未だに強く感じることがある。ここがそうだ。
デジタルな機器を横にしてただただ眺めいる、この感覚が何とも言えない。
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