MONTHLY WEB MAGAZINE Nov. 2012
10月は全国各地で祭りが催された。東北の震災地でも細々ながらも祭が復活され、絆づくりに役立っていると聞く。
日本人にとって祭りは今も“個と個”が一体化する武器であろうか。
ススキで有名な曽爾村(そに)に行き民宿で一泊した。
早朝、周囲を散策した。静かで、懐豊かな感じのする山里。
川筋を辿るうちに神社に行き着いた。古事記・風土記にも名を残す延喜式内社である門僕(かどふさ)神社だった。
宿を出る時、6日に行われたこの村の秋祭りがTVで放映される聞き、見てビックリ。享保3年(1713)に始まったと珍しく古文書も残って
いる“獅子舞”。特に“接(つぎ)獅子が全国でも珍しい。
戸数2000戸余、8集落の内、山里の3集落に続く300余年の歴史を持つ行事であった。小さな集落で、よく続いてきたと驚きである。
祭りは、日が重なるので多くは追えない。大津祭と京都の時代祭も見た。大津祭は、歴史も長く興隆していた大津を象徴する名残りで京都の
祇園祭とも似た山鉾が町中を巡る。出し物の“動くカラクリ”は他に類を見ない貴重なもの。普段は人影も少ない町中に、この2日間だけは
突如として山鉾が建ち、人が集まる。
京都の三大祭(祇園祭・葵祭・時代祭)の一つとされ、その中身は?もあるが、長蛇の列が長時間をかけて繁華街を巡行できるのは市民の
支持があっての事と思われる。
華々しい祭りの舞台裏はいずこも大変。来年の開催の保証も無い所が年々増加している。戸数の少ない集落では、主役の小学生の確保すら
難しい。ふるさとの文化の誇りも時流にはさからえない。これら伝統の維持・継続については、観る側にも役割の負担があるべきと思われる。
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