MONTHLY WEB MAGAZINE Mar. 2013

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■■■■■ ひなまつり 川村由幸

我家にも娘がおり、家内の実家から贈られた七段のひな人形があったはずですが、

娘が成人してからはもちろん、それ以前から御目にかかっていません。

確かに一つの部屋を専有し、出し入れに大きな手間が必要ですから家内が億劫になるのも当然です。

その替わりと言ってはなんですが、家の中のあちこちに小さな雛人形が飾られています。

もちろん、三月三日が過ぎるとたちどころに姿を消すのですが、残念ながら未だにその効果は現れておりません。

これらの小さな雛人形にもいろんな思い出が詰まっています。

この人形は新婚早々に京都大原でもとめたものです。確かこの時は五月人形の金太郎も一緒に購入したはずです。

我家に来てから40年、我々夫婦とともに歩んできた雛人形です。

ずいぶんと汚れが目立つようになりましたが今でも一番大切な小さな雛人形です。

これは、京人形のようですが近くのデパートで購入したもののようです。

見ての通り、これは雛人形の姿をした鈴です。家内が女友達と京都に旅行したおりに平安神宮で購入した

桜橘縁喜鈴です。良縁招福の縁起のよい鈴です。

購入時には、すでに娘も誕生しており、娘の良縁招福を祈念して手に入れたのでしょう。

三人官女もついたお手玉型の雛人形です。4〜5年前に私が金沢でもとめた雛人形です。

二月に金沢にでかけ、五箇山に足をのばしました。日本海側が大荒れの天候で電車が大幅に遅れ

帰宅が翌日になってしまったと記憶しています。おしゃれな雛人形で娘にも大切にされています。

言うまでもなく、家内手作りの折り紙雛人形です。娘と幾組も折って楽しんで作っていました。

折り紙は日本固有の文化のようです。守り育てて、千年後も残っていると良いのですが。

今年も三月四日には全ての雛人形の姿が消えていました。

雛人形を見ると春が近いことを実感します。

雛人形を飾る、途絶えさせずに続けて行きたい日本の伝統文化だと思います。

いささか大げさになりましたが、我が家ではこれからも桃の節句に小さな雛人形を飾り続けます。

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