MONTHLY WEB MAGAZINE July 2013

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■■■■■ 苔と水 大野木康夫

「苔寺」こと西芳寺は私が中学生だった昭和52(1977)年から、事前申込みによる少数参拝制に移行しました。

それ以来訪れていなかったのですが、この6月に30数年ぶりに参拝しました。

訪れたのが土曜日の午前10時からの参拝で、本堂にあたる西来堂での読経及び祈願を行ってから庭園へ案内していただけます。

私は左膝の靭帯を損傷していましたが、なんとかなるだろうと読経の間は左脚をのばして座布団に座っていたところ膝が痛んできて我慢できなくなってしまい、お寺の方に気を使わせる事態になってしまいました。

無理をせず、初めから廻廊の椅子席に座っていればこんなことにならなかったので、少し反省しています。

西芳寺は世界遺産「古都京都の文化財」の構成資産になっています。

宗教行事が終わり、10時30分くらいから庭園に案内していただけます。

この回の参拝者はおよそ200人、庭園の狭い通路で固まって移動することはできないので、庭園入口でお寺の方の説明を聞かせていただきながら人がいなくなるのを待ちました。

だいたい11時頃にはどなたもいらっしゃらない状態になったので、ほぼ無人(対岸にはおられるので時々写真に写りこんでしまうのですが)の庭園をゆっくり撮影しながら回ることができました。

重要文化財の茶室「湘南亭」

梅雨時で苔が緑濃くなっており、心字池に映える浮島やビロード苔のでこぼこ模様は大変美しく思えました。

池を一周してから「向上関」という門をくぐって、夢想疎石作庭の枯山水庭園(苔に覆われていますが)を見学しました。

創建時の瑠璃殿が聳える豪奢な禅宗庭園も見てみたい気もしますが、一時荒廃した影響で木々や苔に覆われた今の庭園も大変趣があります。

夕方の閉門まで拝観することができますが、午後の参拝が始まる13時の前に門を出ました。

ゆっくり拝観することができたので、大変満足しています。

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