Monthly Web Magazine Mar. 2014
私が、福島県三春町の滝桜をはじめて訪ねたのは2009年の4月でした。
そして、その大きさ神々しさに圧倒され神仏が宿っていると私に感じさせた滝桜が好きになりました。
滝桜は樹齢1000年超の紅枝垂桜、日本三大桜のひとつに数えられています。
その後、2012,2013年と二年連続で滝桜を訪れました。
さすがに2011年の訪問は断念しましたが、翌2012年の滝桜は大震災の悲しい思い出や厳しい現実を
すべてのみこむように絢爛と咲き誇り、自然の強靭さを私に見せつけているようでした。
福島にある滝桜だからこそ、大震災で受けた多くの人々の心の傷を癒し続けているのだろうと思えました。
滝桜の周辺には、滝桜以外にも見ごたえのある桜が多く存在します。
その双璧が紅枝垂桜地蔵桜と不動桜です。ともに滝桜の子孫と考えられています。
樹齢400年と350年を経た巨木で、側に地蔵堂と不動堂があることからの命名です。
この二つの桜の所在地は三春町に隣接する郡山市です。三春町を含めて滝桜の近郊にはみごとな桜が
多数存在します。桜大尽の福島県の中でも観桜ポイントとして外せない地域です。
昨年は滝桜のほかに姿の良い桜に出会いました。
合戦場のしだれ桜です。
写真撮影をするなら滝桜より合戦場のしだれ桜の方が絵になりそうです。菜の花畑の先の桜はなかなかに美しいものです。
でも、私が心惹かれるのは滝桜。2013年の滝桜はピンク色が薄れ白色に近づいたように見えました。
樹勢の衰えではと心配していたのですが、案の定今年の2月上旬から樹勢回復工事が始まっていました。
植物も含め生物に永遠はありません。すでに千年も生きているのですから、いつ寿命が尽きても不思議ではないはずです。
それでも滝桜は永遠であってほしいと願っています。
私の寿命が尽きるまで、福島が完全に復興を果たすまで。
今年は山形に観桜に出かけようと考えています。置賜地方の桜を楽しみたいと思います。
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