Monthly Web Magazine Mar. 2014

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■■■■■ 冬のさなかに満開になる桜 − 啓翁桜 野崎順次 

年末になると関東の親戚から隣の母に「みちのく初桜」が届けられる。つぼみのついた枝が12本ほど束められていて、大きめの花瓶に挿しておくと、花が開き、涼しい場所だと1ヵ月くらい楽しませてくれる。

調べてみると正式名称は啓翁桜(けいおうざくら)、Cerasus ‘Keio-zakura’ である。昭和5年に福岡の良永敬太郎氏が接木変異により作り出した品種で、当初は同氏の名前をとって「敬翁桜」と命名されたが、昭和20年代に関西・東海で混乱が生じて、「啓翁桜」となったらしい。現在の主な産地は山形県で、特に昭和50年代に普及が進んだ。詳しい文献を読むと大小の変異により、いろいろな系統に分かれ、さまざまな因子が淘汰・強化されていくようで、何が何だかわからないけど、新しい花を開発するのは大変と納得させられる。

どうして冬に桜の花が咲くかというと、要するにだますのである。桜を早めに休眠させ、温室に入れておくと、「あっ、もう春かな」と目覚めていくのである。お湯につける方法もあるそうな。このようなプロセスを桂枝雀に説明させると、そのしぐさがリアルに想像できるが、彼が亡くなってからちょうど15年である。

説明書

1月2日

1月6日

1月11日

2月16日 橿原市今井町にて

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