Monthly Web Magazine May 2014

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■■■■■ しろめにみずぶくれ 野崎順次 

3ヶ月前くらいにマッサージのおばはんに、「あんたの白目おかしいよ」と云われた。鏡で見ると黒目の横に白いふくらみがある。白目に小さな虫がもぐりこんだようで不気味である。そういえば、目がゴロコロして少し不快である。帰宅して、家内に言うと、「少し前からそうなってたよ」という。ほな、はよいわんかえ。

目の異常を見てもらう場合は、当たり前だが、相手の顔が10cm以内に接近する。顔には唇があり、両者の唇も近づく。これが若いころなら、さぞ、ドキドキしたろうと思う。若いころなら。

いつも行く眼科に行った。院長先生は私より少し年配の女性で、小学校から大学に至るまで同じ学校の先輩である。もちろん、大学での学部は違う。ちなみに近くの皮膚科の女先生は小学校から大学に至るまで同じ学校の後輩である。

先生いわく、「よくある症状で、結膜の下に水がたまった水ぶくれです。この水は自然に消滅することもありますが、長引いたり、大きくなったら、注射針を挿して水を抜くことができます。たいした処置ではありませんが、処置後充血することもあるので、取りあえずは、アレルギーの目薬を日に3回さして様子を見ましょう。」

眼に注射針を刺すなんて、想像しただけでも怖い。知人に目の手術をした人がいて、目にメスが近づくのが見えるのは本当に穏やかでないと親切に教えてくれた。

2ヶ月くらい、目がゴロゴロすると目薬を差していたが、その直後はゴロゴロ感は少しましになるものの小さくなる様子はない。その間に眼科は駅に近い場所に移転して息子さんが参加し、最新の検査診療設備を備えたようだ。

目薬もなくなったので、ある朝に眼科に行くと、院長先生はお休みで息子先生だけが診察していた。いつもの眼圧や視力の検査の後で診察を受けると、

先生 「どうします。水抜きますか。どっちでもいいですよー。」

私 「どのくらいかかりますか。」

先生 「5分おきに麻酔の目薬を3回さすので15分、切開と水抜きは直ぐです。」

私 「20分くらいですね。それならお願いします(と言ってしまった)。」

麻酔が効いてから、まぶたをあけておく小さな器具をつけ、メスと注射器で処置してもらった。痛みはないし、老眼で近くが見えないし少し横を見ているので何も分からない。おそるるに足らずであった。

水は袋の中に入っていて、その袋ごと取り出せばよいのだが、下に強くくっついているので、

今回は水だけ取った。だから、また、水がたまるかもしれないそうだ。措置後の充血もごく僅かであった。

その後、ふと、病名をきちんと聞いてなかったことに気が付いた。インターネットで「白目」と「水ぶくれ」で検索すると、「結膜浮腫」で、「お子さんに多いのですが、大人でも時々白目が水ぶくれ様(ブヨブヨ、ゼリー状などといった表現が使われます)にふくれて眼科を受診されることがあります。程度は様々で、白目のほんの一部にしわがよったようになる場合から、黒目のまわり全周がとび出して、マブタがうまく閉じないほどひどい場合もあります。(森村眼科クリニックウェブサイト)」だそうだ。

今日は処置後2週間になるので、眼科に行った。

先生 「また、水がたまり始めてますねえ。今の目薬がなくなるまで、様子を見てから、

必要なら大きく切開して袋ごと取りましょう。」

私 「これは結膜浮腫ですね。」

先生 「違います。結膜嚢胞です。」

また、インターネットで調べてみた。

「結膜嚢腫とも呼ばれます。結膜の一部が水疱になった状態で,原因不明の突発性,外傷,術後などがあります。症状は通常ありません。異物感や整容的に除去を希望する場合は針で穿刺することがあります。(新川崎眼科ウェブサイトより)」

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