Monthly Web Magazine June. 2015

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■■■■■ 「踊り子」の特急券が買えない? 野崎順次 

JR特急「踊り子」は東京と伊豆を結んでいる。なぜ「踊り子」かというと、かの有名なノーベル賞作家川端康成の「伊豆の踊子」にちなむからである。

東京から伊豆に行くには、新幹線で熱海まで行けば、あっという間である。

それなのに、いまだにこの特急が残っているのは、熱海で乗り換える手間が省けるという単純な理由のためと思われる。

個人的には是非一度乗ってみたいと思っていた。

大阪から横浜の娘の家(最寄駅はJR東戸塚)に行き、1泊して翌日戻る。切符は、北新地駅のみどりの窓口で、ジパング倶楽部会員として往復を買った。

のぞみ以外の特急券と乗車券が3割引きになるのでお得である。

使える回数に限りがあるので、1回でできるだけ長距離にした方がよい。

しかし、ジパング倶楽部と今回の話は直接には関係ないようだ。

往路はJR三島で途中下車して伊豆箱根鉄道三島駅(隣接している)から伊豆長岡に行き、韮山反射炉を見学する。

それから三島に戻り、「踊り子」で大船まで行くのだが、その同じ「踊り子」が伊豆箱根鉄道に乗り入れており、伊豆長岡から乗れることが分かった。

そのまま、大船まで乗って行ける。

しかし、伊豆長岡から三島間の特急座席指定券はジパング倶楽部の往復券には入らない。

盲腸のような付けたりとなるので、別に購入する必要がある。

伊豆長岡から三島までの座席は、三島から大船までと同じにしておきたい。

そこで、同じ窓口で頼むと、JRの窓口では扱えないので、現地の伊豆箱根鉄道の駅で買ってくれと言われた。

今の時代に、他社乗り入れ区間のJR特急指定席券がみどりの窓口で買えないとは。

おそらく、インターネットでも買えないのでは。

と、思いつつ、当日になった。

JR三島で降りて、新幹線から在来線の地下道を進み、いったん、JRの改札から出て、すぐ横の伊豆箱根鉄道の窓口に行く。

行きしの三島、伊豆長岡間普通乗車券は自動販売機で誰でも買える。当たり前だ。

窓口で、伊豆長岡から三島までのJR特急指定席の話をすると、拒絶反応があり、伊豆長岡駅の窓口でないと、買えないという。

不思議である。何でやねん。ごねて大声で叫んだろか、と、思ったが、理性が勝って叫ばない。

予定通り、伊豆長岡駅に着いて、韮山反射炉を撮影して、少し早目に駅に戻ってきた。

窓口に行って、JR三島から大船まで踊り子指定席特急券があるので、伊豆長岡・三島間も同じ席の特急券を購入したいと、くどくどと説明する。

すると、特急券はいらない、乗車券だけでよいという。それだけである。どうも、伊豆箱根鉄道区間のJR踊り子特急券は存在しないらしい。

それにしても、妙である。現地で聞けと2回言われて、現地で要らないと言われた。

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